ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

映画

『アイリッシュマン』マーティン・スコセッシ:監督

この作品は、前に観たアルフォンス・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』と同じように、本来Netflixによってストリーミング配信される映画で(わたしが観た時点でまだストリーミング配信は始まっていない)、わたしが観た映画館や渋谷のアップリンクなど、ごく…

『ボーダー 二つの世界』アリ・アッバシ:監督

これはスウェーデンとデンマークとの合作映画だけれども、舞台はスウェーデン。このあいだ観たスワーンベリもスウェーデンの人だし、ちょっとスウェーデン週間。 原作者が以前観た『ぼくのエリ 200才の少女』を書いた人だそうで、観終わってみるとたしか…

『帰れない二人』ジャ・ジャンク-:脚本・監督

どうもこの邦題はよくわからない。もっと即物的なタイトルでよかった気がするけれども、まあそれでは客が入らないのか。ちなみに英語タイトルは「Ash is Purest White」で、これまたよくわからないけれども、映画の中でチャオ・タオがこれに近いことを語って…

『メランコリック』田中征爾:脚本・監督・編集

‥‥冒頭は、「いわゆるクライム・サスペンスが始まるのか?」という雰囲気なのだが、まあ撮影とか照明とかはよろしくはない。「どうなのか?」と観ていると、つまり営業を終えた町の銭湯が、「殺し」を請け負った殺し屋の「作業場」であり、作業が終わればち…

『ブルーノート・レコード ジャズを越えて』ソフィー・フーバー:監督

レーベル「ブルーノート・レコード」は創立80周年になるという。ブルーノートはわたしにとっても思い出深いレーベルだ。わたしの世代はロックの興隆期とジャズの衰退期(?)を同時に体験したわけで、ロックが発展してインプロヴィゼーションとか皆がやるよ…

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』~使用音楽について(1)

今回は、映画で使用された音楽についていろいろと書きます。この映画の音楽については思いつくことが山ほどあり、いったいどれだけの長さになってしまうか予想もつきませんが。 まずはしょっぱな、ディカプリオとブラッド・ピットのドライヴシーン、クレジッ…

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノ:脚本・監督

あの「シャロン・テート事件」に絡んだ映画だ、ということぐらいしか知らずに観に行った。あと、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットとの初共演作品らしい。時制はまさに1969年。このところわたしの中ではこうやって、「1969年のおさらい」…

『新聞記者』藤井道人:監督

わたしなどでもよく知っている<現実の事件>(「伊藤詩織さん裁判」や「加計学園問題」)を活かしながら、今の日本の政治問題に密接な作品として惹き込まれた。 先日ちょうど、蓮實重彦の『ハリウッド映画史講義』を読んだところだったけれども、その本には…

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』フレデリック・ワイズマン:監督・製作・編集・音響

ここでは「ニューヨーク公共図書館」本館と各地の分館、研究組織それぞれをカメラはまわり、それぞれで勤務する各分野の長、子どもたちへの読みきかせ教室、貸出係から返却された本を分類する人々まで、図書館運営にかかわる多くの人たちの活動が記録されて…

『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』(2015) フレデリック・ワイズマン:製作・録音・編集・監督

ジャクソンハイツとはニューヨークのマンハッタンの東、ブルックリンの北の「クイーンズ区」の北西部の区域。クイーンズ地域ならば、わたしも多少の知識がある。アフリカ系、そしてヒスパニック系の住民がひしめき合い、いわゆるWASPの文化とは異なる文…

『主戦場』ミキ・デザキ:監督

巷で話題のドキュメンタリー『主戦場』。わたしは、例の歴史改ざん主義者らが「慰安婦問題」で間抜けな発言をして曝される映画、ぐらいの認識しかなかったのだけれども(もちろんそういう発言もあるのだけれども)、もっともっと踏み込まれた作品で、今の日…

『旅のおわり 世界のはじまり』黒沢清:脚本・監督

ウズベキスタンとの共同制作で、その中央アジアのウズベキスタンでのオールロケ。 黒沢監督お得意のホラーでもサスペンスでもないし、前に「旅」がタイトルに織り込まれた作品にはちょっとがっかりしていただけに、かなり不安があったのだけれども、こ、こ、…

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』マイケル・ドハティ:監督

久々に観るハリウッド映画。わたしはもともとゴジラ映画は嫌いじゃないし、この映画の元ネタの『三大怪獣 地球最大の決戦』も幼いころに映画館で観ているから、この映画への興味も強かった。それに、『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス、そ…

『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』ブルース・スピーゲル:制作・編集・監督

ビル・エヴァンスは、おそらくわたしのいちばん好きなジャズ・ミュージシャンだろう。ジャズのレコードでいちばんたくさん所有していたのも、ビル・エヴァンスのレコードだった。もちろん最も聴いたのは最初のトリオでの4枚だったけれども、それ以外の録音…

『イメージの本』ジャン=リュック・ゴダール:監督

ゴダール、88歳の最新作。ゴダールよりも半年ほど年上のクリント・イーストウッドも先日すばらしい新作が公開されたし、そのイーストウッドよりさらに半年ほど年上のフレデリック・ワイズマンもまた、精力的に撮りつづけている。ワイズマンの近作をしばら…

『マイ・ブックショップ』ペネロピ・フィッツジェラルド:原作 イザベル・コイシェ:監督

舞台は1950年代の終わり、イギリスの海岸沿いの小さな田舎町で、戦争未亡人のヒロインが、ひとりで本屋を始めるという話。時代はちょうどナボコフの『ロリータ』が発売され、ちょっとした騒動になった時期。そんなことも映画では描かれているらしい。‥‥…

『ROMA/ローマ』アルフォンソ・キュアロン:脚本・撮影・監督

モノクロ、そしてワイドスクリーンだということの印象に残る作品だった。そのワイドスクリーンの画面を、カメラがゆるやかに横移動するシーンが美しい。そして街頭の物音、そして犬たち、そして空を飛ぶ旅客機。 舞台は1970年とかのメキシコシティで(部…

『運び屋』クリント・イーストウッド:監督・主演

クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来10年ぶりに、自ら監督した映画に主演した。映画撮影当時87歳? それでこの作品自体「老い」ということが一つのテーマでもあるのだけれども、そこはイーストウッド、「まだまだヤレるぜ!」みたいな姿も…

「エデン、その後」(1970) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督

「嘘をつく男」に引き続いてチェコスロヴァキアが製作に協力し、さらに撮影地となったチュニジアとフランスの3国での共同製作。そして、この作品がロブ=グリエにとって初めての「カラー映画」だったということ。この映画の魅力のひとつは、そのチュニジア…

「快楽の漸進的横滑り」(1974) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督

この原作本(というのか?)はその当時日本でも翻訳が出ていたのだが、映画の方は公開されなかった。それが50年近いときが経って、このレトロスペクティブで日本初公開(過去にシネマテーク的に公開されたことはあったようだけれども)。 これまでに観た4…

「嘘をつく男」(1968) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督

この作品もジャン・ルイ・トランティニャンの主演なのだけれども、チェコスロヴァキア、イタリア、フランスの合作映画というかたちを取り、とりわけチェコスロヴァキアの貢献度は高く、撮影もチェコ、俳優人もほとんどチェコの俳優と、もうほとんど「チェコ…

「ヨーロッパ横断特急」(1966) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督

なんと、主演はあのジャン・ルイ・トランティニャン。どうもロブ=グリエ自身がトランティニャンのファンだったらしいのだけれども、とにかくはトランティニャンのこの作品でのポーカーフェイスぶりを観ているだけでも、その他のおかずがなくってもご飯三杯…

「不滅の女」(1963) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督

ロブ=グリエの初監督作品で、舞台はイスタンブール。ちらっとパンフレットを読むと、実はこの映画は「去年マリエンバートで」の前からプロジェクトが進んでいたのが、トルコの政情不安で一時中断、そのあいだに「去年マリエンバートで」が先に撮られたのだ…

「囚われの美女」(1983) アラン・ロブ=グリエ:脚本・監督 アンリ・アルカン:撮影

‥‥ということで、アラン・ロブ=グリエの映画作品を、これからしばらく観続けようと思う。 ロブ=グリエという作家は、もちろんわたしの中では「小説家」、それも「ヌーヴォー・ロマン」とか「アンチ・ロマン」とか呼ばれたジャンルの代表的作家。ちょうど日…

「サスペリア」ルカ・ヴァダニーノ:監督

オリジナルのダリオ・アルジェント版「サスペリア」を継承し、アルジェント版ではわけのわからなかったストーリーの飛び方にひとつの「解決」をみせているリメイク、と思った。そういう意味で、パンフレットに江戸木純氏が「極めて正しい映画的継承」と書か…