ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

Book

『キャッチ=22』(1961)(上巻) ジョーセフ・ヘラー:著 飛田茂雄:訳

キャッチ=22〔新版〕 上 (ハヤカワepi文庫)作者:ジョーゼフ ヘラー早川書房Amazon 時代は第二次世界大戦のときで、地中海の島に駐留するアメリカ空軍部隊の兵士らを、その戦争の不条理とブラックユーモアで描いた作品。まだ「ポストモダン」という作品で…

『LAヴァイス』(2009) トマス・ピンチョン:著 栩木玲子・佐藤良明:訳

トマス・ピンチョン全小説 LAヴァイス: トマス・ピンチョン全小説 (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon 時は1970年。主人公はやさぐれヒッピーな私立探偵のドック・スポーテッロ(発音が難しそうだ)。そんな彼のところ…

『肉桂色の店』(1933)(『シュルツ全小説』より) ブルーノ・シュルツ:著 工藤幸雄:訳

シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)作者:ブルーノ シュルツ平凡社Amazon ブルーノ・シュルツの第一短編集で、収録作は以下の通り。 ●「八月」 ●「憑き物」 ●「鳥」 ●「マネキン人形」 ●「マネキン人形論 あるいは創世記第二の書」 ●「マネキン人形論(続)…

『薔薇の名前』(1980)(下巻) ウンベルト・エーコ:著 河島英昭:訳

薔薇の名前〈下〉作者:ウンベルト エーコ東京創元社Amazon この物語の主人公のバスカヴィルのウィリアムとメルクのアドソとは、「清貧」と「所有」の問題をめぐる神学論争に出席して調停するために、舞台となった修道院を訪れる。バスカヴィルのウィリアムは…

『薔薇の名前』(1980)(上巻) ウンベルト・エーコ:著 河島英昭:訳

薔薇の名前〈上〉作者:ウンベルト エーコ東京創元社Amazon この邦訳が出たのは原著出版の十年後、1990年のことだけれども、それから30年以上の歳月が流れ、2024年にガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』もついに文庫化されたことから、「次に文庫…

『アイデンティティが人を殺す』(1998) アミン・マアルーフ:著 小野正嗣:訳

アイデンティティが人を殺す (ちくま学芸文庫)作者:アミン・マアルーフ,小野正嗣筑摩書房Amazon 著者のアミン・マアルーフ氏は1949年にレバノンに生まれたジャーナリスト、作家で、1975年からのレバノン内戦を機に、1976年にフランス・パリに移住された方。1…

『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』(2018) 暮しの手帖社:編

戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ暮しの手帖社Amazon 暮しの手帖社は1969年に『戦争中の暮しの記録』を刊行し、これは先日まで再放送されていた連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の終盤のクライマックス・エピソードとして描かれていて…

『重力の虹』(1973)(下巻) トマス・ピンチョン:著 佐藤良明:訳

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon まずは一回目読了。主人公はタイロン・スロースロップだろうと思いながら読み始めていたが、そうではない。この分厚い本のセンターにいるメ…

『重力の虹』(1973)(上巻) トマス・ピンチョン:著 佐藤良明:訳

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon 1944年12月に始まるこの作品の主人公は連合軍情報局員のタイロン・スロースロップで(だと思う)、「はたしてイギリスにおいて、スロース…

『V.』(1963)(下巻) トマス・ピンチョン:著 小山太一、佐藤良明:訳

トマス・ピンチョン全小説 V.[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon さて、いちおう全篇読み終わったわけだけれども、上巻を読み終えたときに書いたことだが、章をまたいで同一人物が登場してきたとき、記憶力の悪い…

『V.』(1963)(上巻) トマス・ピンチョン:著 小山太一、佐藤良明:訳

トマス・ピンチョン全小説 V.[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon まだ上巻を読み終えただけなので、「感想」などというものを書けるわけではないのだけれども、上巻を読んで気づいたこと、これから気をつけて読ま…

『競売ナンバー49の叫び』(1966) トマス・ピンチョン:著 佐藤良明:訳

競売ナンバー49の叫び (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス ピンチョン新潮社Amazon ある夏の午後、エディパ・マースは、かつて愛人だった富豪、すでに死せるピアス・インヴェラリティの、遺言執行人に指名されていたことを知るのである。「な…

『スロー・ラーナー』(1984) トマス・ピンチョン:著 志村正雄:訳

スロー・ラーナー (ちくま文庫 ひ 7-2)作者:トマス ピンチョン筑摩書房Amazon ピンチョンが書いた短編5篇と、それらの作品を自ら解説した「スロー・ラーナー(のろまな子)」という「序」とからなる短編集。この5篇以外にピンチョンは今まで、ほとんど短編…

『万延元年のフットボール』(1967) 大江健三郎:著

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)作者:大江健三郎講談社Amazon 大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した際に、この『万延元年のフットボール』の成果が重視されたということで、広く世界からも「大江健三郎の代表作」のみならず、「戦後日本文学」の代…

『絶望』(1936) ウラジーミル・ナボコフ:著 貝澤哉:訳

絶望 (光文社古典新訳文庫)作者:ナボコフ光文社Amazon この小説(ロシア語版)の刊行された1936年、ナボコフはベルリンで生活していて、前々年の1934年には長男のドミトリイが誕生している。ナチスの勢力の増大に伴って翌1937年に家族でパリに移り住むのだっ…

『イメージ 視覚とメディア』(1972) ジョン・バージャー:著 伊藤俊治:訳(ちくま学芸文庫)

イメ-ジ: 視覚とメディア (ちくま学芸文庫 ハ 23-2)作者:ジョン バージャー筑摩書房Amazon 原題は「Ways of Seeing」で、ジョン・バージャー単独の著作ではなく、連続テレビ番組の「Ways of Seeing」で語られた問題を発展させ、図版の取り入れ方の形式を含め…

『世界の名著 プルードン・バクーニン・クロポトキン』より『十九世紀における革命の一般概念』(1851) ピエール・ジョゼフ・プルードン:著 渡辺一:訳

世界の名著 53 プルードン・バクーニン・クロポトキン (中公バックス)作者:プルードン,バクーニン,クロポトキン中央公論新社Amazon 1809年にフランス東部で生まれたプルードンは、8歳の頃から働きながら勉学に勤しんでいたらしいが、19歳からは学業をあきら…

『狼王ロボ シートン動物記』(1899~1901) アーネスト・トンプソン・シートン:著 藤原英司:訳

狼王ロボ シートン動物記 (集英社文庫)作者:アーネスト・T・シートン集英社Amazon よく『シートン動物記』というが、じっさいにシートンの著作に『シートン動物記』という作品があるわけではなく、シートンが生前発表した12冊の著作に含まれる55編の「動物物…

『世界の名著 プルードン・バクーニン・クロポトキン』より「アナーキズム思想とその現代的意義」(1967) 猪木正道・勝田吉太郎:著

世界の名著 53 プルードン・バクーニン・クロポトキン (中公バックス)作者:プルードン,バクーニン,クロポトキン中央公論新社Amazon これは、近代アナーキズムの3人の思想家、プルードン、バクーニン、そしてクロポトキンの著作を集めたアンソロジー的な書物…

『インターネットを武器にした<ゲリラ> 反グローバリズムとしてのサパティスタ運動』(2002) 山本純一:著

インターネットを武器にした<ゲリラ>作者:山本 純一慶應義塾大学出版会Amazon 「サパティスタ民族解放軍(Ejército Zapatista de Liberación Nacional)」略称「EZLN」はメキシコ南部のチアパス州を拠点に活動する先住民族の組織で、その活動は1960年代…

『アナーキスト人類学のための断章』(2004) デヴィッド・グレーバー:著 高祖岩三郎:訳

アナーキスト人類学のための断章作者:デヴィッド グレーバー以文社Amazon この本を読み終えたあと、じつはわたしはこの本を1年半前にいちど読んでいることが、この日記からわかった。例によってまったく記憶していなかったのだが、それで読み終えてからその…

『倫理21』(2003) 柄谷行人:著

倫理21 (平凡社ライブラリー 471)作者:柄谷 行人平凡社Amazon この本も、先日読んだ『世界共和国へ』のように、「他者を手段としてのみならず、同時に目的として扱え」というカントのことばへと収束していく。ここに道徳を越えた「倫理」のもんだいがある。…

『世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』(2006) 柄谷行人:著

世界共和国へ: 資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書 新赤版 1001)作者:柄谷 行人岩波書店Amazon 近年の「グローバリゼーション」とは、とりわけ「資本主義的な市場経済がグローバル化した」ということで、「資本主義の世界市場化」ともいえる。とりわけ…

『実践 日々のアナキズム ―世界に抗う土着の秩序の作り方』(2012) ジェームズ・C・スコット:著 清水展・日下渉・中溝和弥:訳

実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方作者:ジェームズ・C.スコット岩波書店Amazon 「アナキズム」は日本語に訳すと「無政府主義」として一般に知られているけれども、この「無政府主義」ということばは大きな誤解を招くと、今は多くの人が言…

『ペスト』(1947) アルベール・カミュ:著 宮崎嶺雄:訳

ペスト(新潮文庫)作者:カミュ新潮社Amazon 2020年の「コロナ禍」で、ふたたび全世界で読まれるようになった小説。わたしは持っている文庫本のページに折り目がつけてあったことなどから、はるかむかしにこの本を読んでいたことがわかったけれども、やはり…

『ちくま日本文学全集 004 尾崎翠』 尾崎翠:著

ちくま日本文学004 尾崎翠 (ちくま文庫)作者:尾崎 翠筑摩書房Amazon 尾崎翠(1896~1971)の代表作は、この一冊にほぼすべて収録されているであろう。巻末の精緻な「年譜」を読むだけでも、この稀有な才能を持たれていた尾崎翠の生涯がよくわかるのだが、193…

『隣りの女』 つげ義春:著

隣りの女作者:つげ 義春日本文芸社Amazon 掲載作は以下の6篇。・「隣りの女」(1985年3月) ・「散歩の日々」(1984年6月) ・「少年」(1981年7月) ・「ある無名作家」(1984年9月) ・「近所の景色」(1981年10月) ・「池袋百点会」(1984年12月) つげ…

『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』(上・下) ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン:著 鬼澤忍:訳

実はわたしは読み始める前に大きな勘違いをしていて、それはこの本の内容は「すべからく国家というものはいずれ衰退するものなのだ。それはなぜか?」というようなものだと思っていたのだった。 そうではなくこの本は「国家には繁栄する国と衰退する国とに分…

『ハーディ短編集 月下の惨劇』 トマス・ハーディ:著 森村豊:訳

月下の惨劇 他5篇: ハーディ短篇集 (岩波文庫 赤 240-7)作者:ハーディ岩波書店Amazon この短編集は、翻訳者がハーディの3冊の短編集から6篇の短編を選んで翻訳したもので、内容は以下の通り。 「Wessex Tales」(1888)より 「見知らぬ三人の男」(The Three …

『オードリー・タン 自由への手紙』 オードリー・タン、クーリエ・ジャポン編集チーム

オードリー・タン 自由への手紙講談社Amazon オードリー・タンによる著作ではなく、日本のオンライン雑誌社のオンライン・インタビューに答えたものを文字起こししたもの。 このインタビュー時(2020年)、オードリー・タンは台湾のデジタル担当政務委員(大…