ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

Book

『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ:著 若島正:訳

ロリータ (新潮文庫)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2006/10/30メディア: 文庫 おそらく、わたしがこの『ロリータ』を読むのはこれで三回目ぐらいになるのではないかと思う。さいしょはわたしもめっちゃ若かった頃のことで、もちろん大久保康雄氏による…

『日本の美』中井正一:著

日本の美 (中公文庫 (な58-2))作者:中井 正一発売日: 2019/11/21メディア: 文庫 中井正一(なかいまさかず)氏は1900年に生まれ、1952年に癌で亡くなられた「美学者」である。今では「美学者」などと呼ばれる学者もいないのではないかと思うけれども、いわゆ…

『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』ウラジーミル・ナボコフ:著 富士川義之:訳

セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫)作者:ウラジミール・ナボコフ発売日: 1999/07/09メディア: 文庫 書き手である「V」は、1936年に夭折した兄の小説家、セバスチャン・ナイトの精緻な「伝記」を書こうとしている。その背後には、セバスチャ…

『ナボコフ自伝 記憶よ、語れ』ウラジーミル・ナボコフ:著 大津栄一郎:訳

ナボコフ自伝―記憶よ、語れ (1979年)作者:ウラジーミル・ナボコフメディア: - 1951年に刊行された、ナボコフ一家がアメリカに渡航するまでの回想録なのだけれども、一冊の本としてまとめられる前に、全十五章はそれぞれ単独で、主に「ニューヨーカー」など…

『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集 1940-1971』サイモン・カーリンスキー:編 中村紘一・若島正:訳

ナボコフ=ウィルソン往復書簡集 1940‐1971作者:ナボコフ,ウラジーミル,ウィルソン,エドマンド発売日: 2004/12/01メディア: 単行本 エドマンド・ウィルソンは、実は読んだことはない。『アクセルの城』を読んでみたいと思ったことはあったが、けっきょく今ま…

『マルゴ』ウラジーミル・ナボコフ:著 篠田一士:訳

人間の文学〈第9〉マルゴ (1967年)作者:ウラジミール・ナボコフメディア: - 1932年に発表された『カメラ・オブスクーラ』を、1938年にナボコフ自身が英語訳してタイトルも『Laughter In The Dark』として刊行したもの。その後ナボコフはロシア語時代の自作…

『カメラ・オブスクーラ』ウラジーミル・ナボコフ:著 貝澤哉:訳

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)作者:ナボコフ発売日: 2011/09/13メディア: 文庫 1932年に発表された、ナボコフの5作目の長編小説。この作品はナボコフの小説ではもっとも早く、1936年にイギリスで翻訳出版されている。しかしながらナボ…

『プニン』ウラジーミル・ナボコフ:著 大橋吉之輔:訳

プニン作者:ウラジーミル・ナボコフ発売日: 2012/09/26メディア: 単行本 1971年に新潮社から刊行された『プニン』を、大橋吉之輔氏の訳による本文、訳者あとがきはそのままに、新しい装幀で文遊社が2012年に刊行したもの。文遊社という出版社は知らなかった…

『ナボコフ書簡集2(1959-1977)』ドミトリー・ナボコフ/マシュー・J・ブルッコリ:編 三宅昭良:訳

ナボコフ書簡集2作者:ウラジミール・V. ナボコフ発売日: 2000/07/04メディア: 単行本 ナボコフの『ロリータ』は紆余曲折の末、ついにアメリカでも刊行されて「超」ベストセラーになる。経済的問題から解放されたナボコフはコーネル大学を辞め、ヨーロッパは…

『ガラスの独房』パトリシア・ハイスミス:著 瓜生知寿子:訳

ガラスの独房 (扶桑社ミステリー)作者:パトリシア ハイスミス発売日: 1996/12/01メディア: 文庫 ハイスミスの長編9作目で、1964年発表の作品。物語はすべて、主人公のカーターの視点のみから語られていて、「これはカーターの認識はまちがっていて、ほんと…

『はるかな国 とおい昔』ウィリアム・H・ハドソン:著 寿岳しづ:訳

はるかな国・とおい昔 (岩波文庫)作者:W.H. ハドソンメディア: 文庫 原題は「Far Away and Long Ago」。ハドソンはこの本をイギリスで、1918年に出版するわけだけれども、この本に書かれているのはアルゼンチンでのハドソンの5歳から15歳までの想い出で、…

『ナボコフ書簡集1(1940-1959)』ドミトリー・ナボコフ/マシュー・J・ブルッコリ:編 江田孝臣:訳

ナボコフ書簡集1作者:V.V. ナボコフ発売日: 2000/02/26メディア: 単行本 この本は「2」の(1959-1977)と合わせての書物ということで、「索引」も「訳者あとがき」も2巻目の末尾にしかない。だから「2」まで通読して、「1」「2」を合わせての感想を書こ…

『黒い天使の目の前で』パトリシア・ハイスミス:著 米山菖子:訳

黒い天使の目の前で (扶桑社ミステリー)作者:パトリシア ハイスミス発売日: 1992/04/01メディア: 文庫 収録作は以下の11篇。●「猫が引きずりこんだもの」 ●「仲間外れ」 ●「かご編みの恐怖」 ●「黒い天使の目の前で」 ●「わたしはおまえの人生を軽蔑する」…

『偉業』ウラジーミル・ナボコフ:著 貝澤哉:訳

偉業 (光文社古典新訳文庫)作者:ナボコフ,ウラジーミル発売日: 2016/10/12メディア: 文庫 この文庫本の帯には<「ロマンティックな青春小説」を装った“挑発的”長編! ナボコフの魔術にはまる。>と書かれていて、「いやあ~、それは当たってるなあ」と思う。…

『殺意の迷宮』パトリシア・ハイスミス:著 榊優子:訳

殺意の迷宮 (創元推理文庫)作者:パトリシア ハイスミス発売日: 1988/07/22メディア: 文庫 この作品は2014年に、イランの監督ホセイン・アミニの脚本と演出によって映画化されている。もちろんこの映画もわたしは観ているが、もうほとんど忘れてしまって…

『カフェ・パニック』ロラン・トポル(ローラン・トポール):著 小林茂:訳

カフェ・パニック (創元推理文庫)作者:ロラン トポルメディア: 文庫 名作アニメ『ファンタスティック・プラネット』の脚本・原画の作者、アニメ『かたつむり』もひとりでつくっちゃったローラン・トポールによる、ブラックでナンセンスな短篇集。ちょこっと…

『イーディスの日記』パトリシア・ハイスミス:著 柿沼瑛子:訳

イーディスの日記〈上〉 (河出文庫)作者:パトリシア ハイスミスメディア: 文庫イーディスの日記〈下〉 (河出文庫)作者:パトリシア ハイスミスメディア: 文庫 パトリシア・ハイスミスといえば「ミステリー」の作家ということになっているのだが、例えば彼女の…

『四重奏/目』ウラジーミル・ナボコフ:著 小笠原豊樹:訳

四重奏;目作者:ウラジミール ナボコフ発売日: 1992/11/01メディア: 単行本・『名誉の問題』(1927) ・『リーク』(1939) ・『ヴェイン姉妹』(1951) ・『博物館を訪れて』(1939) ・『目』(1965) これは、ヤバい作品を読んでしまった。ナボコフの、1927年か…

『フェルマーの最終定理』サイモン・シン:著 青木薫:訳

フェルマーの最終定理(新潮文庫)作者:サイモン・シン発売日: 2016/12/23メディア: Kindle版 わたしだって「フェルマーの最終定理」という、証明不可能とも思われていた「難問」が数学の世界に存在することは知っていて、おぼろげながらその定理がついに証…

『日本蒙昧前史』磯崎憲一郎:著

日本蒙昧前史作者:憲一郎, 磯崎発売日: 2020/06/26メディア: 単行本 前にも書いたけれども、磯崎憲一郎は以前よく読んでいた作家で、今でもウチの本棚には彼の『世紀の発見』と『終の住処』とかの本が残されている。でもわたしの記憶障害で、いったいどんな…

『生物から見た世界』ヤーコプ・フォン・ユクスキュル:著 ゲオルク・クリサート:挿画 日高敏隆・羽田節子:訳

生物から見た世界 (岩波文庫)作者:ユクスキュル,クリサート,日高 敏隆,羽田 節子発売日: 2017/07/20メディア: Kindle版 原著は1934年にドイツで出版された本だが、日本でも戦時中に翻訳出版されたものを読んだと、翻訳者の日高氏は「あとがき」に書いて…

『太陽がいっぱい』パトリシア・ハイスミス:著 青田勝:訳

太陽がいっぱい (河出文庫)作者:ハイスミス,パトリシア発売日: 2016/05/07メディア: 文庫 (今はわたしの読んだ角川文庫版は絶版のようで、Amazonからは、わたしが読んだものではない「河出文庫」の方で紹介) けっこう久しぶりに読むので、内容はほとんど忘…

『絶望』ウラジーミル・ナボコフ:著 貝澤哉:訳

絶望 (光文社古典新訳文庫)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2013/10/08メディア: 文庫 ナボコフは意外と「クライム・ミステリー」的な作品をけっこう書いている。まずは長編第2作の『キング、クィーン、ジャック』からして、「実行寸前で挫折した犯罪」…

『愛しすぎた男』パトリシア・ハイスミス:著 岡田葉子:訳

愛しすぎた男 (扶桑社ミステリー)作者:パトリシア ハイスミス発売日: 1996/10/01メディア: 文庫 原題は「This Sweet Sickness」で、「この甘美なる<ビョーキ>」とでもいったところだろうか。何だか検索すると、邦画で『Sweet Sickness』というタイトルの作…

『ベンドシニスター』ウラジーミル・ナボコフ:著 加藤光也:訳

ベンドシニスター (Lettres)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2001/02/23メディア: 単行本 ナボコフの著作を年代を追ってみてくると、1938年にパリで、この『ベンドシニスター』とも題材的にかぶるような(ちょっとカフカ的ともいえる)ディストピア小…

『見知らぬ乗客』パトリシア・ハイスミス:著 青木勝:訳

見知らぬ乗客 (角川文庫)作者:パトリシア・ハイスミス発売日: 1972/02/28メディア: 文庫 パトリシア・ハイスミスの長編デビュー作。彼女は普通に文芸作品として書いたつもりだったらしいけれども、一般にミステリー作品と受けとめられ、以後そういうミステリ…

『変身の恐怖』パトリシア・ハイスミス:著 吉田健一:訳

変身の恐怖 (ちくま文庫)作者:パトリシア・ハイスミスメディア: 文庫 まずはこの作品が、日本でパトリシア・ハイスミスが受容される初期の段階で、よりによって吉田健一によって翻訳されて出版されたということを考えてみたくなる(ちょっと長くなるけれども…

『動物好きに捧げる殺人読本』パトリシア・ハイスミス:著 中村凪子・吉野美恵子・榊優子・大村美根子:訳

動物好きに捧げる殺人読本 (創元推理文庫)作者:パトリシア ハイスミスメディア: 文庫 動物が主人公の13編の短篇集。収録作は以下の通りで、末尾のカッコ内はその作品に登場する動物。・コーラス・ガールのさよなら公演(ゾウ) ・駱駝の復讐(ラクダ) ・…

『カブトガニの不思議 ー「生きている化石」は警告するー』関口晃一:著

カブトガニの不思議―「生きている化石」は警告する (岩波新書)作者:関口 晃一発売日: 1991/10/21メディア: 新書 わたしは北九州で育った。幼い頃に両親に海に連れて行ってもらったとき、浜辺には数えきれない数のカブトガニがいた。聞いた話では、カブトガニ…

『フランシス・ベイコン・インタヴュー』デイヴィッド・シルヴェスター:著 小林等:訳

フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)作者:シルヴェスター,デイヴィッド発売日: 2018/06/08メディア: 文庫 フランシス・ベイコンに、ベイコンの友人でもあった美術評論家のデイヴィッド・シルヴェスターがインタヴューをする。それも、19…