ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

Book

『山荘綺談』シャーリイ・ジャクスン:著 小倉多加志:訳

山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)作者:シャーリイ・ジャクスン早川書房Amazon シャーリイ・ジャクスンのことを知っていようが知るまいが、英米の「幽霊屋敷」モノのゴシック・ロマンでは相当に有名な作品。主人公の「霊視」の背後…

『孤独の街角』パトリシア・ハイスミス:著 榊優子:訳

孤独の街角 (扶桑社ミステリー)作者:パトリシア ハイスミス扶桑社Amazon わたしはよく知らないけれども、一時期ミステリーの世界で「イヤミス」などという言葉が席巻し、それはつまり「読んでいや~な感じになるミステリー」ということらしく、それは国内ミ…

『ビートルズ』北中正和:著

ビートルズ(新潮新書)作者:北中正和新潮社Amazon この新書の帯には、「なぜ、彼らだけ別格なのか。」と大きく書かれている。 そう、この本の感想をどこから書きはじめたらいいのかわからないから、このあたり、「なぜ、彼らだけ別格なのか」を「とっかかり…

『ノーラ ジェイムズ・ジョイスの妻となった女』ブレンダ・マドクス:著 丹治愛:監訳

ノーラ ジェイムズ・ジョイスの妻となった女 (集英社文庫)作者:ブレンダ・マドクス集英社Amazon (ちょっと、本の内容とは関係のないことをしばらく書きます) この、一部少数の文学ファンしか読まないであろうと思われる本が、当時いきなり文庫本(集英社文…

『ジェイムズ・ジョイス伝』(1,2)リチャード・エルマン:著 宮田恭子:訳

ジェイムズ・ジョイス伝〈1〉作者:リチャード エルマンみすず書房Amazonジェイムズ・ジョイス伝〈2〉作者:リチャード エルマンみすず書房Amazon これはもう、ジェイムズ・ジョイスの評伝の「決定版」であろう。1,2巻合わせて千ページを越え、ちゃんと買え…

『美学入門』中井正一:著

美学入門作者:中井 正一Amazon(この書物、わたしは中公文庫で買ったのだが、すでに絶版になっているみたいだ) ほぼ一年前に、この中井正一氏による『日本の美』を読んでいる。この本が近年読む2冊目の中井正一氏の著作だけれども、そもそもわたしは「美学…

『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』アンドレ・ブルトン:著 巖谷國士:訳

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)作者:アンドレ ブルトン岩波書店Amazon わたしは、アンドレ・ブルトンはやはり素敵な詩人だと思っている。例えば、この『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』(1924)の前年に発表された『地の光』(1923)に含まれる「…

『見るレッスン 映画史特別講義』蓮實重彦:著

見るレッスン~映画史特別講義~ (光文社新書)作者:蓮實 重彦光文社Amazon ‥‥蓮實重彦氏の映画に関する著作には、わたしも昔はそれなりの抵抗はあった。それはまさに「ハスミン」流のシネフィルでないと読解できない、映画マニア向けの著作でないかという思…

『ランボオの手紙』祖川孝:訳

ランボオの手紙 (角川文庫)作者:A. ランボオ角川書店Amazon ま、正直言って安いから買ってしまったのだけれども、初版発行が昭和26年(1951年)という古い本で(わたしの生まれる前の本だ!)、旧仮名遣いなのではあった。思ったのはやはりランボーには「旧…

『ランボー、砂漠を行く アフリカ書簡の謎』鈴村和成:著

ランボー、砂漠を行く―アフリカ書簡の謎作者:鈴村 和成岩波書店Amazon 詩作放棄後のアフリカ時代のランボーについては、先日竹内健氏の『ランボーの沈黙』を読み、さらにネットにあったかなり包括的に書かれたサイト『ランボーの右足』をひと通り読み、そし…

『ランボーの沈黙』竹内健:著

ランボーの沈黙 (精選復刻紀伊国屋新書)作者:竹内 健紀伊国屋書店Amazon この本は、いちど1970年に当時の「紀伊国屋新書」の一冊として刊行されたものが、1994年になって<精選復刻 紀伊国屋新書>として、新書サイズではなくA5判で復刊されたもの。それだ…

『贈与論 他二篇』マルセル・モース:著 森山工:訳

贈与論 他二篇 (岩波文庫)作者:マルセル・モース岩波書店Amazon あまりに有名な「ポトラッチ」というものの概念を伝えた書物であり、民俗学的なアプローチに社会学、経済学を統合して考察した「エポック・メーキング」な一冊。 わたしは「ポトラッチ」という…

『南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態』ロイド・スペンサー・デイヴィス:著 夏目大:訳

南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス青土社Amazon 今から109年前、1912年にあの南極探検で遭難したスコット隊と共に南極へ行き、極点行きには同行せずにひと冬をキャンプ(小屋)で過ごし…

『ランボーはなぜ詩を棄てたのか』奥本大三郎:著

ランボーはなぜ詩を棄てたのか (インターナショナル新書)作者:奥本 大三郎集英社インターナショナルAmazon 今、ランボーを読む若い人などいるのだろうか? この奥本大三郎氏の本にも、今から20年ほど前に奥本氏の大先輩のフランス文学者(教授)のところに…

『ブリーディング・エッジ』トマス・ピンチョン:著 佐藤良明・栩木玲子:訳

トマス・ピンチョン全小説 ブリーディング・エッジ (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス・ピンチョン新潮社Amazon 2013年、あの9.11の2年後にアメリカで刊行されたこの本が、8年かかってようやく日本で翻訳が刊行された。これだけの長さ(と…

『若い藝術家の肖像』ジェイムズ・ジョイス:著 丸谷才一:訳

若い藝術家の肖像 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)作者:ジェイムズ・ジョイス発売日: 2014/07/18メディア: 文庫 ジェイムズ・ジョイスが1916年に発表した作品。『ダブリンの人びと』の2年後の作品になる。ジョイスがアイルランド(ダブリン)を出るまでの「…

『水族館の歴史 海が室内にやってきた』ベアント・ブルンナー:著 山川純子:訳

水族館の歴史(新装版):海が室内にやってきた作者:ベアント・ブルンナー発売日: 2019/08/20メディア: 単行本 著者のベアント・ブルンナーはドイツ人で、原著ももちろんドイツ語なのだけれども、この日本語訳の本は英語翻訳本からの重訳。でも翻訳者は著者と仲…

『ナボコフ伝 ロシア時代』ブライアン・ボイド:著 諫早勇一:訳

(Amazonで検索するとこの下巻は探し出すことが出来ず、もはや「入手困難」になっている気配ではある?) 著者のブライアン・ボイドはウラジーミル・ナボコフの研究の第一人者ではあるけれども、それはナボコフ没後、ナボコフ未亡人のヴェーラの全面的な協力…

『ダブリンの人びと』ジェイムズ・ジョイス:著 米本義孝:訳

ダブリンの人びと (ちくま文庫)作者:ジェイムズ ジョイス発売日: 2008/02/06メディア: 文庫 ジェイムズ・ジョイスの作品で最初に出版されたのは詩集『室内楽』(1907)だけれども、小説作品としてはこの『ダブリンの人びと(Dubliners)』(1914)でデビュー、とい…

『ユリシーズ』ジェイムズ・ジョイス:著 丸谷才一・永川玲二・高松雄一:訳

ユリシーズ 文庫版 全4巻完結セット (集英社文庫ヘリテージ)作者:ジェイムズ・ジョイス発売日: 2012/02/01メディア: 文庫 1904年6月16日、アイルランドのダブリンの街を彷徨する新聞の広告取りの仕事をやるレオポルド・ブルームの一日の行動を追うが、彼はこ…

『推し、燃ゆ』宇佐見りん:著

推し、燃ゆ作者:宇佐見りん発売日: 2020/09/10メディア: Kindle版 単行本ではなく、「芥川賞発表」の『文藝春秋』で読んだ。著者の宇佐見りんは1999年生まれの現役大学生で、2年前発表の第一作『かか』は「文藝賞」、「三島由紀夫賞」を受賞したらしく、こ…

『カモノハシの博物誌 ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語』浅原正和:著

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 (生物ミステリー)作者:浅原 正和発売日: 2020/07/13メディア: 単行本(ソフトカバー) 先に読んだ『世界動物発見史』で、いちばん心に焼き付いた動物が「カモノハシ」だった。以来、わたしはカモノハシ…

『旅する練習』乗代雄介:著

旅する練習作者:乗代雄介発売日: 2020/12/28メディア: Kindle版 先日の芥川賞の最終候補に残った作品だというが、わたしがこの作品に興味を持ったのは、ひとつにはこの作家の旧作に『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』という作品があったことによる。…

『世界動物発見史』ヘルベルト・ヴェント:著 小原秀雄・羽田節子・大羽更明:訳

世界動物発見史作者:ヘルベルト ヴェント発売日: 1988/08/01メディア: 単行本 この本の原書はドイツで1956年に出版された本で、原題は「Auf Noahs Spuren(ノアの足跡をたどる)」というもので、日本ではまず1974年に『物語 世界動物史』のタイトルで刊行さ…

『心は孤独な狩人』カースン・マッカラーズ:著 河野一郎:訳

心は孤独な狩人 (新潮文庫)作者:マッカラーズ発売日: 1972/03/25メディア: 文庫 1940年、著者22歳のときに出版された、著者の長編デビュー作。南部の小さな町で、そこに住む聾唖者のシンガーという男のところに、町の4人の人々がかわるがわるに訪れる。皆…

『地上から消えた動物』ロバート・シルヴァーバーグ:著 佐藤高子:訳

地上から消えた動物 (ハヤカワ文庫 NF 88)作者:ロバート・シルヴァーバーグ発売日: 1983/04/23メディア: 文庫 動物学関係の書籍ということで、巻末の短かい解説も動物園の方が書かれていて、この著者のロバート・シルヴァーバーグという人物のことがよくわか…

『黄金の眼に映るもの』カースン・マッカラーズ:著 田辺五十鈴:訳

黄金の眼に映るもの (講談社文庫 ま 24-1)作者:マッカラーズメディア: 文庫 ほんとうは、ウチにあるはずの同じカースン・マッカラーズの『心は孤独な狩人』(旧訳)を読むつもりだったのだけれどもその本が見つからず、本棚の隅にあったこの文庫本を読んだ。…

『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件 なぜ美しい羽は狙われたのか』カーク・ウォレス・ジョンソン:著 矢野真千子:訳

大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか作者:カーク・ウォレス・ジョンソン発売日: 2019/08/26メディア: Kindle版 原題は「The Feather Thief: Beauty, Obsession, and The Natural History Heist of the Century」で、「羽泥棒:美…

『見てごらん道化師(ハーレクイン)を!』ウラジーミル・ナボコフ:著 メドロック皆尾麻弥:訳

見てごらん道化師(ハーレクイン)を!作者:ウラジーミル・ナボコフ発売日: 2016/05/31メディア: 単行本 ナボコフさいごの長編小説。どうもナボコフ関連でいろいろ検索しても、この作品はほとんど無視されている感じがあるのだが、まあ読んでみるとその理由もわ…

『透明な対象』ウラジーミル・ナボコフ:著 若島正・中田晶子:訳

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2002/12/01メディア: 単行本 ナボコフの遺した、生前さいごから2冊目の作品。遺作になったのは『見てごらん道化師を!』(1974)なのだけれども、なぜかこの『見てごらん道化師を!』に関…