ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

Book

『贈与論 他二篇』マルセル・モース:著 森山工:訳

贈与論 他二篇 (岩波文庫)作者:マルセル・モース岩波書店Amazon あまりに有名な「ポトラッチ」というものの概念を伝えた書物であり、民俗学的なアプローチに社会学、経済学を統合して考察した「エポック・メーキング」な一冊。 わたしは「ポトラッチ」という…

『南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態』ロイド・スペンサー・デイヴィス:著 夏目大:訳

南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス青土社Amazon 今から109年前、1912年にあの南極探検で遭難したスコット隊と共に南極へ行き、極点行きには同行せずにひと冬をキャンプ(小屋)で過ごし…

『ランボーはなぜ詩を棄てたのか』奥本大三郎:著

ランボーはなぜ詩を棄てたのか (インターナショナル新書)作者:奥本 大三郎集英社インターナショナルAmazon 今、ランボーを読む若い人などいるのだろうか? この奥本大三郎氏の本にも、今から20年ほど前に奥本氏の大先輩のフランス文学者(教授)のところに…

『ブリーディング・エッジ』トマス・ピンチョン:著 佐藤良明・栩木玲子:訳

トマス・ピンチョン全小説 ブリーディング・エッジ (Thomas Pynchon Complete Collection)作者:トマス・ピンチョン新潮社Amazon 2013年、あの9.11の2年後にアメリカで刊行されたこの本が、8年かかってようやく日本で翻訳が刊行された。これだけの長さ(と…

『若い藝術家の肖像』ジェイムズ・ジョイス:著 丸谷才一:訳

若い藝術家の肖像 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)作者:ジェイムズ・ジョイス発売日: 2014/07/18メディア: 文庫 ジェイムズ・ジョイスが1916年に発表した作品。『ダブリンの人びと』の2年後の作品になる。ジョイスがアイルランド(ダブリン)を出るまでの「…

『水族館の歴史 海が室内にやってきた』ベアント・ブルンナー:著 山川純子:訳

水族館の歴史(新装版):海が室内にやってきた作者:ベアント・ブルンナー発売日: 2019/08/20メディア: 単行本 著者のベアント・ブルンナーはドイツ人で、原著ももちろんドイツ語なのだけれども、この日本語訳の本は英語翻訳本からの重訳。でも翻訳者は著者と仲…

『ナボコフ伝 ロシア時代』ブライアン・ボイド:著 諫早勇一:訳

(Amazonで検索するとこの下巻は探し出すことが出来ず、もはや「入手困難」になっている気配ではある?) 著者のブライアン・ボイドはウラジーミル・ナボコフの研究の第一人者ではあるけれども、それはナボコフ没後、ナボコフ未亡人のヴェーラの全面的な協力…

『ダブリンの人びと』ジェイムズ・ジョイス:著 米本義孝:訳

ダブリンの人びと (ちくま文庫)作者:ジェイムズ ジョイス発売日: 2008/02/06メディア: 文庫 ジェイムズ・ジョイスの作品で最初に出版されたのは詩集『室内楽』(1907)だけれども、小説作品としてはこの『ダブリンの人びと(Dubliners)』(1914)でデビュー、とい…

『ユリシーズ』ジェイムズ・ジョイス:著 丸谷才一・永川玲二・高松雄一:訳

ユリシーズ 文庫版 全4巻完結セット (集英社文庫ヘリテージ)作者:ジェイムズ・ジョイス発売日: 2012/02/01メディア: 文庫 1904年6月16日、アイルランドのダブリンの街を彷徨する新聞の広告取りの仕事をやるレオポルド・ブルームの一日の行動を追うが、彼はこ…

『推し、燃ゆ』宇佐見りん:著

推し、燃ゆ作者:宇佐見りん発売日: 2020/09/10メディア: Kindle版 単行本ではなく、「芥川賞発表」の『文藝春秋』で読んだ。著者の宇佐見りんは1999年生まれの現役大学生で、2年前発表の第一作『かか』は「文藝賞」、「三島由紀夫賞」を受賞したらしく、こ…

『カモノハシの博物誌 ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語』浅原正和:著

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 (生物ミステリー)作者:浅原 正和発売日: 2020/07/13メディア: 単行本(ソフトカバー) 先に読んだ『世界動物発見史』で、いちばん心に焼き付いた動物が「カモノハシ」だった。以来、わたしはカモノハシ…

『旅する練習』乗代雄介:著

旅する練習作者:乗代雄介発売日: 2020/12/28メディア: Kindle版 先日の芥川賞の最終候補に残った作品だというが、わたしがこの作品に興味を持ったのは、ひとつにはこの作家の旧作に『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』という作品があったことによる。…

『世界動物発見史』ヘルベルト・ヴェント:著 小原秀雄・羽田節子・大羽更明:訳

世界動物発見史作者:ヘルベルト ヴェント発売日: 1988/08/01メディア: 単行本 この本の原書はドイツで1956年に出版された本で、原題は「Auf Noahs Spuren(ノアの足跡をたどる)」というもので、日本ではまず1974年に『物語 世界動物史』のタイトルで刊行さ…

『心は孤独な狩人』カースン・マッカラーズ:著 河野一郎:訳

心は孤独な狩人 (新潮文庫)作者:マッカラーズ発売日: 1972/03/25メディア: 文庫 1940年、著者22歳のときに出版された、著者の長編デビュー作。南部の小さな町で、そこに住む聾唖者のシンガーという男のところに、町の4人の人々がかわるがわるに訪れる。皆…

『地上から消えた動物』ロバート・シルヴァーバーグ:著 佐藤高子:訳

地上から消えた動物 (ハヤカワ文庫 NF 88)作者:ロバート・シルヴァーバーグ発売日: 1983/04/23メディア: 文庫 動物学関係の書籍ということで、巻末の短かい解説も動物園の方が書かれていて、この著者のロバート・シルヴァーバーグという人物のことがよくわか…

『黄金の眼に映るもの』カースン・マッカラーズ:著 田辺五十鈴:訳

黄金の眼に映るもの (講談社文庫 ま 24-1)作者:マッカラーズメディア: 文庫 ほんとうは、ウチにあるはずの同じカースン・マッカラーズの『心は孤独な狩人』(旧訳)を読むつもりだったのだけれどもその本が見つからず、本棚の隅にあったこの文庫本を読んだ。…

『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件 なぜ美しい羽は狙われたのか』カーク・ウォレス・ジョンソン:著 矢野真千子:訳

大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか作者:カーク・ウォレス・ジョンソン発売日: 2019/08/26メディア: Kindle版 原題は「The Feather Thief: Beauty, Obsession, and The Natural History Heist of the Century」で、「羽泥棒:美…

『見てごらん道化師(ハーレクイン)を!』ウラジーミル・ナボコフ:著 メドロック皆尾麻弥:訳

見てごらん道化師(ハーレクイン)を!作者:ウラジーミル・ナボコフ発売日: 2016/05/31メディア: 単行本 ナボコフさいごの長編小説。どうもナボコフ関連でいろいろ検索しても、この作品はほとんど無視されている感じがあるのだが、まあ読んでみるとその理由もわ…

『透明な対象』ウラジーミル・ナボコフ:著 若島正・中田晶子:訳

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2002/12/01メディア: 単行本 ナボコフの遺した、生前さいごから2冊目の作品。遺作になったのは『見てごらん道化師を!』(1974)なのだけれども、なぜかこの『見てごらん道化師を!』に関…

『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ:著 若島正:訳

ロリータ (新潮文庫)作者:ウラジーミル ナボコフ発売日: 2006/10/30メディア: 文庫 おそらく、わたしがこの『ロリータ』を読むのはこれで三回目ぐらいになるのではないかと思う。さいしょはわたしもめっちゃ若かった頃のことで、もちろん大久保康雄氏による…

『日本の美』中井正一:著

日本の美 (中公文庫 (な58-2))作者:中井 正一発売日: 2019/11/21メディア: 文庫 中井正一(なかいまさかず)氏は1900年に生まれ、1952年に癌で亡くなられた「美学者」である。今では「美学者」などと呼ばれる学者もいないのではないかと思うけれども、いわゆ…

『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』ウラジーミル・ナボコフ:著 富士川義之:訳

セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫)作者:ウラジミール・ナボコフ発売日: 1999/07/09メディア: 文庫 書き手である「V」は、1936年に夭折した兄の小説家、セバスチャン・ナイトの精緻な「伝記」を書こうとしている。その背後には、セバスチャ…

『ナボコフ自伝 記憶よ、語れ』ウラジーミル・ナボコフ:著 大津栄一郎:訳

ナボコフ自伝―記憶よ、語れ (1979年)作者:ウラジーミル・ナボコフメディア: - 1951年に刊行された、ナボコフ一家がアメリカに渡航するまでの回想録なのだけれども、一冊の本としてまとめられる前に、全十五章はそれぞれ単独で、主に「ニューヨーカー」など…

『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集 1940-1971』サイモン・カーリンスキー:編 中村紘一・若島正:訳

ナボコフ=ウィルソン往復書簡集 1940‐1971作者:ナボコフ,ウラジーミル,ウィルソン,エドマンド発売日: 2004/12/01メディア: 単行本 エドマンド・ウィルソンは、実は読んだことはない。『アクセルの城』を読んでみたいと思ったことはあったが、けっきょく今ま…

『マルゴ』ウラジーミル・ナボコフ:著 篠田一士:訳

人間の文学〈第9〉マルゴ (1967年)作者:ウラジミール・ナボコフメディア: - 1932年に発表された『カメラ・オブスクーラ』を、1938年にナボコフ自身が英語訳してタイトルも『Laughter In The Dark』として刊行したもの。その後ナボコフはロシア語時代の自作…

『カメラ・オブスクーラ』ウラジーミル・ナボコフ:著 貝澤哉:訳

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)作者:ナボコフ発売日: 2011/09/13メディア: 文庫 1932年に発表された、ナボコフの5作目の長編小説。この作品はナボコフの小説ではもっとも早く、1936年にイギリスで翻訳出版されている。しかしながらナボ…

『プニン』ウラジーミル・ナボコフ:著 大橋吉之輔:訳

プニン作者:ウラジーミル・ナボコフ発売日: 2012/09/26メディア: 単行本 1971年に新潮社から刊行された『プニン』を、大橋吉之輔氏の訳による本文、訳者あとがきはそのままに、新しい装幀で文遊社が2012年に刊行したもの。文遊社という出版社は知らなかった…

『ナボコフ書簡集2(1959-1977)』ドミトリー・ナボコフ/マシュー・J・ブルッコリ:編 三宅昭良:訳

ナボコフ書簡集2作者:ウラジミール・V. ナボコフ発売日: 2000/07/04メディア: 単行本 ナボコフの『ロリータ』は紆余曲折の末、ついにアメリカでも刊行されて「超」ベストセラーになる。経済的問題から解放されたナボコフはコーネル大学を辞め、ヨーロッパは…

『ガラスの独房』パトリシア・ハイスミス:著 瓜生知寿子:訳

ガラスの独房 (扶桑社ミステリー)作者:パトリシア ハイスミス発売日: 1996/12/01メディア: 文庫 ハイスミスの長編9作目で、1964年発表の作品。物語はすべて、主人公のカーターの視点のみから語られていて、「これはカーターの認識はまちがっていて、ほんと…

『はるかな国 とおい昔』ウィリアム・H・ハドソン:著 寿岳しづ:訳

はるかな国・とおい昔 (岩波文庫)作者:W.H. ハドソンメディア: 文庫 原題は「Far Away and Long Ago」。ハドソンはこの本をイギリスで、1918年に出版するわけだけれども、この本に書かれているのはアルゼンチンでのハドソンの5歳から15歳までの想い出で、…