ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-06-12(Sat)

 歯を抜いたので元気がない。もう痛みはほとんどないのだが、抜歯したあたりがしびれている感覚がある。まず食欲がわかず、朝食はトーストですませ、昼食はなんとかトマトを使ったパスタにした。

 今日もけっこう気温が上がって暑い。本を読んだりしてゴロゴロしているとやはり午睡モードになってしまう。今はジェイムズ・ジョイスの伝記を読んでいて、ようやっと全体の四分の一ぐらいのところ。ついにジョイスは運命の人、ノラ・バーナクルと出会ったのだが、その二人の初めてのデート、のちにジョイスが『ユリシーズ』の1日として描くことになる1904年6月16日から、もうすぐ117年目の日がやって来るわけだ。
 しっかし、若き日のジェイムズ・ジョイスという男、まさに「サノバビッチ」というような人物で、日本でいえば石川啄木みたいなヤツなのである(それはもっともっとスケールがでかいのだが)。それにもまして、のちにそんなジョイスといっしょに大陸に渡ることになり、生涯を共に暮らすことになるノラ・バーナクルという女性が面白い。そんなに文学とかに興味を持っていた女性でもなかったのだけれども、ジョイスの奥深くにある人物性をしっかり理解していたみたいだし、そんな、失礼ながら美人でもないノラを一目見て「この人だ!」と思った(信じた?)ジョイスもやはり独特だ。
 今日午睡のあとにそんなジョイスやノラのこととかを調べていたら、20年ほど前に『ノーラ・ジョイス 或る小説家の妻』という、ノラ・バーナクルを主人公としてジョイスとの関係を描いた映画があったようだ。その原作となったのがノラを描いた伝記本で、その映画が日本で公開されたときに文庫本で刊行されていたらしい。Amazonで調べるともう品切れになっているようだったけれども、中古本で安く出ていたので買ってしまった。映画の方も観てみたいものだ(ジョイスユアン・マクレガーが演じている)。

 夕方になり、もう夕食の準備をしなければならないのだけれども、やはり何もしたくない。そこで、今財布の中に想像した金額以上入っていたならば、東のスーパーに行って出来合いのお弁当(寿司とか)を買ってくることにした。財布の中をチェックすると、想像した額よりわずかに多く入っていたので、買い物に行くことにした。

 外に出てみると、陽射しはあるのだけれどもわずかにそよ風も吹き、部屋にいるよりも涼しいというか、さわやかな感覚になれたわけで、「なんだ、外に出てきてよかったじゃないか」と思うのだった。

 歩いていると、道路よりも高くにある家の柵からイヌが顔を出してわたしのことを見ているのだった。「もう、お散歩に出かける時間が近いと思うんだけどなあ」というような顔ではないだろうか。

     f:id:crosstalk:20210612162137j:plain:w500

 ちょうど夕食の準備どきでスーパーはけっこう混んでいた。この日のサーヴィス品の「にぎり寿司」が1パックだけ残っていたので、「今日はコレだな」とカートに入れるのだった。あと、なぜか天ぷらが食べたくなり、「天ぷらの盛り合わせ」も買った(このスーパーは天ぷらも安くておいしいのだ)。

 帰宅して寿司を食べようとすると、匂いだか気配だかでニェネントくんが寄って来る。これはもう避けられないことなので、まぐろだか何だかの赤身魚のネタをニェネントくんにあげる。ひょっとしたらこの寿司セットの中でいちばんのネタだったかもしれないが、ニェネントがいちばん好きそうなのがそれだからしょうがない。
 寿司を食べ終えて、まだ食べ足りない気もしたし、天ぷらも買ってあることだし、蕎麦をゆで、天ぷらの盛り合わせからちょびっと選び出して「天ぷらそば」ということにしてツルッと食べてしまった。