夜に夢をみて、この日はけっこう内容を忘れずに記憶していた。この日の夢はわたしが登場するわけでなく、ひとつのストーリーが流れるだけの夢だったような。
実はこの夢はある男に関するストーリーで、それがジェイムズ・ジョイスに絡んでくる。この主人公の男は実は、ジェイムズ・ジョイスの晩年にジョイスの身の周りの世話をし、その臨終を看取ったという存在なのだが、その男が現代、現在になってSNSで何らかの発言をし、その発言が大炎上してしまうのだった。
その問題のSNSでの発言もちょっと記憶していたのだけれども、残念ながらコレは忘れてしまった。どうもニュースというか報道をみているような夢で、そういう状況だけが伝えられるような夢。主人公の男の顔も出て来なかったように思う。
ただ、ジョイスが亡くなられたのは1941年のことであり、そのときにジョイスの世話をしたという人物が、それから80年後の「現在」にSNS投稿をされるというのはちょっと無理があるというか、それは「夢」なのだからしょ~がない。
目覚めて思ったのは、実はこの夢はジョイスとランボーとを混同していて、この「ジョイスの臨終を看取った」という主人公の男とは、「ランボーの臨終を看取った」ランボーの妹のイザベルだったのではないかと思うのだ。また、その「SNSでの炎上」というのも、昨日読んだ『ランボオの手紙』の中で、イザベルがランボーの経歴を「優等生のクリスチャン」としてすげ替えようとした行為に対応しているのではないかと思った。本でそのイザベルの行為を読んだわたしは、「なんてヤツだ」とは思っていたわけだし、そのわたしの意識が「炎上」に転移・転嫁されたのだろうか。
フロイト流の「夢判断」だと、その夢がわたしの「抑圧された」オブセッションを表わしていたりすることになるのだろうけれども、この夢はそういう問題ではなく、「解釈」の問題ではあるだろう。こういう「自分の内面」には関係なく解釈するようなことは楽しい作業だった。
その、読んでいる『ジェイムズ・ジョイス伝』の方だが、ジョイスもそろそろ『ユリシーズ』も書き終えるのだが、ジョイスはパーティの席でプルーストと出会っていたのだった(この部分を読んだことは前に書いている)。ジョイスはプルーストのとなりの席に座り、プルーストが帰るときにはいっしょのタクシーに乗り込んでしまうのだ。ジョイスはプルーストが自分の家に招いてくれるのではと期待していたようだけれども、プルーストは「じゃあね~」って感じで、自分だけサッサと家に帰って行ったらしい。置いてけぼりのジョイス、可哀そう。
しかし、ジョイスは『失われた時を求めて』は最初の方を読んで「それほどでもないな」な~んて感想も語っていたというのに。そのあと考えを改めたのか。どっちにせよ、ジョイスという人はちょっとスノッブなところもあったようだ(関係ないけれども、周りの人から見たら「趣味の悪い」女性と猫との置物を買って大事にしていて、み~んな「あらあら」とは思っていたらしいし)。
今日は日曜日。午前中早くに北のスーパーへ買い物に出かけた。外はそこまでに暑くはない印象。この日はネコ缶3パックのものを2つ、350ml缶ビール6缶、カフェオレの500mlペットボトル2つ、そしてウィスキー瓶、たまご1パック、バナナ1房を買い、もっといろいろ買いたかったのだけれども、それだけでめっちゃ重量級の荷物になってしまい、それ以上の買い物はやめた。帰り道は難儀した。
昼飯はもやしがちょっと残っていたので、野菜とかを炒めて、すでにカリカリに揚がっている麺にぶっかければいいだけの「皿うどん」にする。実はこの皿うどんは出来合いの麺がパリッといていて好物で、からしと合うのだ。いつもストックを切らさないようにしている。余談だが、この「皿うどん」の売価が店によってさまざまで、以前(昔)の茨城在住時代には2食パッケージで100円だったのだが、このあたりのスーパーは250円ぐらいで売られていることが多い。高い。駅前の小さなスーパーでは128円と、このあたりではいちばん安いので、たいていはそこで買うが、実は勤め先からちょっと歩いたところにあるスーパーでは100円である。ただ、そのスーパーに寄り道する余裕はないので行かないが。
昼食後はまた本を読んで、すぐに寝る。目覚めて、また本を読む。今日も映画とか観る気にはなれなかった。夕方になり、ニェネントくんにネコ缶を出して上げる。
ニェネントは今日は珍しくリヴィングへやって来て、出窓に跳び上がって外を眺めたりしていた。ゴロンと横になったので写真を撮ってあげたが、むむむ、やはりニェネントくん、少々肥満しているように見えるのだが?
ニェネントくんの食事のあと、わたしの夕食は冷凍してあった餃子ですませた。そのあとはテレビで「世界遺産」を観た。この日の「世界遺産」は先週に続いて、今年7月に世界遺産に登録された奄美・沖縄の回で、今週は奄美大島と徳之島。奄美大島あたりは「亜熱帯」になるらしいけれども、世界の他の亜熱帯地域はほとんどサハラのような砂漠気候だけれども、この奄美地域は稀に見る「亜熱帯雨林」なのだという。年間雨量3000ミリ。すごい。おかげでこの地域は固有種の植物や動物が多い。ワクワクしながらテレビを見た。
特に、実にめずらしい「アマミノクロウサギ」の生態をとらえた映像には心惹かれた。アレですよ。アマミノクロウサギは、生まれた子どもを土に穴を掘って埋めてしまい、授乳の時になると埋めた子らを掘り返して母乳を与える。むむむ、子どもを埋めて天敵の眼から守るとは、すっごい育児法だなあ。
その奄美大島あたりにいる「天敵」とは、つまりは「ハブ」だったりするらしいのだが(今は外来種のマングースの存在も脅威だが)、そのハブの存在のおかげで人間が森に立ち入ることがなく、この豊かな生態系が今も保たれているのだということだった。ハブは、奄美大島の自然を守る「番人」だったわけだ。
こういう番組は録画しておきたかったな!