ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ザ・ビーチ』(2000) ダニー・ボイル:監督

ザ・ビーチ-特別編- [DVD]

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  • レオナルド・ディカプリオ
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 もうじきに「Amazon Prime Video」での無料配信が終わってしまう、ということで観た映画。とりわけて興味があったわけではなく、出演者の中にティルダ・スウィントンとヴィルジニー・ルドワイヤンの名前を見つけたもので観た作品。監督がダニー・ボイルだったということも、「けっこう面白いかもしれない」という期待を抱いてしまった原因だっただろうか(別に好きな監督ではないが)。そして、レオナルド・ディカプリオが、大大ヒットした『タイタニック』の次に出演を決めたのがこの映画だということ。

 いちおう主人公はタイで一人旅をしていたリチャード(レオナルド・ディカプリオ)という青年で、リチャードは「タイ」という西欧文明からかけ離れた地で「生き方を変えるような」体験をしたいと思っている。それが宿泊していた安宿の隣室の男から、「文明に侵されていない、ユートピアのように美しい島」の話を聞くが、その隣室の男はアバウトな地図だけを残して自死してしまう。
 リチャードは歓楽地で知り合ったフランスからのカップル、フランソワーズとエティエンヌ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)に声をかけ、3人いっしょにその島を目指すのだった。
 ‥‥って、隣室の男の残した地図は意外と正確で、3人はその島にたどり着くのだが、まずその島には大麻の栽培地(畑)があり、武装した島民が見張りをしていたのだった。
 何とか西欧から来たらしいアフリカ系の男に救われた3人は、島の奥地で共同生活を営む連中のところに連れて行かれる。その集落のリーダー的存在はサル(ティルダ・スウィントン)という女性だった。3人はしばらく外界から隔離されたそのコミューンで生活し、エティエンヌもリチャードの彼女になるのだった。
 しかしリチャードは島にくる前に、島の地図のコピーを大麻目当ての見知らぬ連中に渡していたのだった。ヤバい!

 海岸も風景も美しい、まさにユートピアのような場所だったわけだが、それまで一人旅をしてきたリチャードは、なぜ島のことを複数の人間にしゃべり、3人で島に向かうのか、よくわからない。
 そしてその共同体のなかで、サルという女性はどのような考えを持っているのか、島に何を期待しているのか、まるでわからない。わたしとしてはティルダ・スウィントンが出ていることもあって観た映画だっただけに、非常に残念だった。
 あとヤバいと思ったのは、歓楽街であれ島であれ、背景に登場するタイ人の描き方が、はっきり言ってあまりに差別的なのではないだろうか。
 ロケ撮影されたのはタイのピピ・レイ島というところだったそうだが、この映画の撮影以前から観光開発による環境破壊が危惧されていた地域だったという。映画撮影にあたって、映画会社(20世紀フォックスは島を「楽園らしく」するためにブルドーザーで整地し、ココナツの木や草を伐採して「ビーチ」を拡げた。タイ当局とフォックスとの折衝で、撮影後に「ビーチ」は現状回復措置が取られたが、環境保護主義者らは「生態系へのダメージは永久的なものだ」と訴訟を起こしたし、撮影後の原状回復もかなりずさんなものだったという。
 おまけにこの映画のせいで観光客が大幅に増加し、湾や近隣のサンゴ礁に環境被害が生じた。結果としてタイ当局は2018年、「ビーチ」を閉鎖したのだった。

 映画の内容も深みが感じられなかったし、「ハリウッドは今でもこ~んな映画のつくり方をやっているのか!」と、あきれさせられる映画だったと思う。ただ、アンジェロ・バダラメンティの音楽は良かったし、ダリウス・コンジの撮影は素晴らしかった。