ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-04-22(Fri)

 早朝に目覚めた頃には、まだ外から雨が降っている音が聞こえていたが、天気予報ではこの雨は4時ぐらいには止み、そのあとこの日は晴れて気温も上がるという。それで今日は金曜日ではあり、また仕事の帰りに映画を観ようかと考える。この日はレオス・カラックス監督の『アネット』(映画の原案、そして音楽はスパークスなのだ)を観に有楽町の映画館へ行きたい。
 4月に入ってから毎週、金曜とか土曜の週末には映画館へ行って映画を観ることがつづく。今日映画を観ると、4月は4本目の映画館での映画鑑賞になるわけだ。だいたい、去年1年間で映画館へ行って映画を観たのは5回っきりなわけで、わたしとしては来週も映画館で観たい映画もあるので、この4月だけで去年1年間の映画鑑賞に並んでしまいそうだ。少し行動意欲も出て来たのだろう。来週からの「ゴールデンウィーク」には、やってみたいこともあるし。

 家を出るときに外をチェックして、雨も降っていなかったので安心して傘も持たずに、ジャケットも着ずに長袖Tシャツの上にシャツを着ただけで出勤する。さすがに早朝の時間は多少寒い。駅に着くとけっこう傘を持っている人の姿を見て、「こういう人たちは天気予報とかチェックしないのだろうか?」などと生意気なことを思ったりする。

 仕事場に着くころには、空もすっかり晴れていた。あんまりスズメたちに出会わない朝だった。雨のあとだからあんまり出歩かないのだろうか。それでも今朝のスズメ。

     

 仕事の終わるころはそこまでに暑くもなく、朝のように寒くもなく、この日の服装でちょうどいい感じの気候になった。
 映画の始まるのは1時20分で、けっこう時間がある。これは先週観た『スパークス・ブラザーズ』の上映時間と偶然同じなのだけれども、今日は「仕事の帰り」に行くわけで、ここは通勤定期で大手町まで出て、そこから有楽町まで歩いてやろうと考えるのだった。以前何度もやったことだ。それでもまだ時間は余るだろうから(昼食は先週やったように、コンビニで買うサンドイッチとかですませるつもり)、前に立ち寄った大手町の大型書店に寄ってみようと思う。
 それで大手町の駅で改札を出て、東京駅の方に歩けばその途中に、行きたい大きな書店もあったはずと思ったのだけれども、その書店が見つからない。やはりわたしの記憶力はヤバい。
 探し回っても疲れるので、とにかくは映画館へ行ってチケットを買っておくことを優先させようと、東京駅あたりからは地上に出て有楽町方面へ歩く。
 有楽町の駅に着き、その真ん前の量販家電店のビルの上の映画館へ行く。初めての映画館だ。チケットを買ってちょうど12時で、まだまだ時間はたくさんある。けっきょく、先週と同じように日比谷の方まで歩き、コンビニでサンドイッチを買って、その日比谷界隈の歩道のベンチにすわってサンドイッチを食べ、余った時間はそこで本を読んで過ごした。
 この日は朝まで雨が降っていたから、けっこうな数がある歩道のベンチもまだ雨で濡れているところが多く、ちょうど昼休みどき、行き交う人々での「ベンチ争奪戦」みたいな感じではあった。

 本を読むのにも飽いて、ちょっとあたりを歩き回ってみたのだけれども、近くの「シャンテ」というビルの裏側の路地を歩くと、そこで2匹のネコに出会った。

     

 黒ネコの方は「さくら耳」で、このあたりにある居酒屋さんとかにかわいがられている「地域ネコ」なのではないかと思った。

     

     

 しゃがんでカメラをネコたちに向けると、すぐにその黒ネコがわたしに近づいて来てアタック。背中を撫でさせてくれた。すっかり知らない人のこともおそれていない。
 ウチの近くの「野良ネコ通り」のネコたちよりも、こういう盛り場の「地域ネコ」たちの方が、地域の人たちといい感じで共生できているのではないか、と思ったりした。

     

 映画の始まる時間が近づいたので、映画館に戻る。先週観た『スパークス・ブラザーズ』はけっこうな客の入りだったものだけれども、こちらは相当に「ガラ空き」。ちらっとお客さんの数を数えてみても、せいぜい20人ぐらいの数ではあった。むむ、レオス・カラックスの新作だというに、ちょっと悲しい気はするのだった。
 映画の感想はまた別に書くけれども、(ある意味当たり前のことだけれども)映画というものは、その映画をつくる人が「これは映画だ」と意識することで「映画」として成立するのだということ、それは人の感覚に違和感を起こさせず視覚に侵入する「ヴァーチャル・リアリティ」などとはまるっきし異なるものだということを、改めて認識させられた。

 映画を観ての帰り「せっかくだからまた有楽町から大手町まで歩いてみよう」と、来るときの道とは違う道を歩いたが、わたしの勤め先あたりとは違う「高いビル」「狭い道」「高い並木」の景観は、ほとんど車が通らない道ということもあって、自然と視線が「奥行き」や「拡がり」よりも「上下」を意識することになり、あまり体験することのない「ワンダー空間」という意識を持った。これも『アネット』という映画を観た「効果」だったろうと思う。

       

 ニェネントくんの夕食時間をずっと過ぎて、5時半ぐらいに家に帰り、ニェネントくんには「帰りが遅くなってごめんね」と、夕食にプラスして「ちゅーる」をいっしょに出してあげた。