ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-05-21(Sat)

 土曜日。今日はとなり駅の映画館へ、ロベール・ブレッソン監督の『やさしい女』を観に行きたいと考えている。これは昨日からそう考えていたことだけれども、ネックはその上映時間が朝の10時25分からだということ。

 わたしはまったく「夜型の人間」というわけではなく、むしろ平日は5時前に仕事に出るという、あまり世の中にいないタイプの「早朝型人間」であろう(ちなみに、毎日夜の8時にはベッドに入る)。しかしそれでも、仕事の休みの日に早い時間から出かけるには勇気がいる。
 仕事が休みだといっても、わたしは6時ぐらいにはもう起き出している。だったら仕事に出るのと同じように早朝から出かけるのも平気だろうと思うが、「休日」というのはよほどの予定がないかぎり、部屋でウダウダしているのがいいのだ。
 「映画を観に行く予定」というのは、そういう「よほどの予定」ではあるだろうと思うけれども、この朝もやはり「出かけたくない」モードに囚われてしまった。「映画は明日も同じ時間から上映されるわけだから、明日にすればいいではないか」という思いが強くなる。それで先月とかにもその映画館で『ドライブ・マイ・カー』が朝の9時から上映されるのを、前の日には観に行くつもりでいたのを当日になってスポイルしたわけだ。
 しかし、今回は映画の上映開始時間が10時過ぎなので、それだけ朝の「行きたくない」モードから、「やはり行こう」と思い直すまでの時間幅があり、おかげで気分を切りかえて家を出ることができた。

 電車に乗って映画館に到着。おととい観た『MEMORIA メモリア』では観客が5人しかいなくってショックだったが、この『やさしい女』はさすがに客の入りもいいみたいで、今の「COVID-19」規制で席はひとつおきにしか座れないことを考えると、ほぼ満席に近い状態だったみたいだ。
 この映画館は新作公開と同時に「名画座」という性格も併せ持っていて、この『やさしい女』のように、古い作品で評価も高い作品はお客さんが入るみたいだ(今上映している『ひまわり』は、この映画館で2ヶ月以上も上映がつづいている!)。

 やはりロベール・ブレッソンの作品らしくも、「けっこう集中力を要求される」映画で、「ああ、もう一回観に来たいな」と思いながら帰路に着く。しかしやはり、ドミニク・サンダは素晴らしかった!
 外ではちょびっと雨も降り始めていたようで道路も濡れていたが、空を覆う雲は薄く、うっすらと陽の光も射している。

     

 帰り道は「野良ネコ通り」を歩いたが、この日もネコたちの姿は見かけなかった。

 帰宅して、お留守番してくれたニェネントくんに「ちゅーる」をプレゼントしようとして「ちゅーる」を手に取ると、もうそれで(まだ封を切ってもいないというのに)ニェネントくんにはそれが何なのかわかるようで、そこでガバッと身を起こしてにゃあにゃあと啼きながらわたしに寄って来る。
 「またたび」にはほとんど反応することのないニェネントくんだが、この「ちゅーる」への反応は異常だ。きっとこの「ちゅーる」には、ネコにとっての「麻薬成分」が含まれているにちがいないと思うぞ。手のひらに「ちゅーる」を絞り出し、ニェネントにわたしの手のひらをなめさせる。
 まあニェネントくんがわたしの手のひらをなめてくれるなどというのは、こういう卑怯な手を使わないかぎりあり得ないのだが、最近はニェネントに夕食を出してあげようとキッチンに立って準備しているとき、今どきは靴下も履いていないわたしの足を、ニェネントくんは「ありがとね!」って感じでペロペロなめてくれるのだ(「早くしろよ!」とせかしているのかもしれない)。わたしが「生きていて幸福だ」と思う瞬間ではある。
 ということで、「ちゅーる」はニェネントくんには「麻薬」に等しいので、「ちゅーる中毒」にさせないためにも、めったなことでは食べさせてあげないのだ。

 この日は昨日の予定通り、昼食に「ブロッコリーと豆腐の中華風煮込み」をつくり、夕食には賞味期限の迫っていた牛乳を消費するため、またまたブロッコリーも使って「クリームシチュー」をつくった。わたしは今、「ブロッコリー中毒」ではある。
 「クリームシチュー」はたくさんつくったので、明日の昼食も夕食もまかなえるのではないかと思う。