夜中に目覚めると、「夢をみていたな」ということがけっこうある。いつも書いていることだが、そのまままた寝てしまうと、その夢の内容などきれいさっぱり忘れてしまうわけである。
それでもこのあいだみた夢は、珍しく起きたあとも記憶していた。
その夢でわたしは、誰だかわからない若い女性といっしょにいて、二人で「お菓子屋にお菓子を買いに行こう」と言っている。女の子が「今日はお祭りだから、お菓子屋は人がいないよ!」と言う。二人は外の夕暮れどきの道を歩いていて、わたしたちの前を荷車のような「山車」が進んで行く。山車のまわりには紙張りの灯篭がいくつもぶら下げられていて、薄暮どきにそのいろいろな色彩の淡い光が外に漏れて、とても美しかった。
目的の「お菓子屋」に着いてみると、たしかにわたしたち二人のほかに客もいなかった。その店のつくりはまたまた、わたしの夢にいつも出てくる建物、店舗とほとんど同じつくりで、店の中央の平らな台の上に、色鮮やかなお菓子がいろいろと置かれている。その台の向こう側に店主らしい中年のメガネをした男性がいて(この人物の顔にも見覚えはない)、「いかがですか? ココにはMさんもよくいらっしゃるんですよ!」と言う。Mさんとは現実にわたしの知り合いの名前である。夢の中でわたしはMさんは最近遠くに転居したと承知していて、その店の人に「え? Mさんは引っ越したでしょう?」と聞くが、彼は「いや、最近もお見えになりますよ」と言う。
というようなたあいもない夢で、わたしはこの1~2年、Mさんとはフェイスブック上でコメントのやり取りをしたことはあるけれども、当人とはもう長いこと会ったことはないし、最近彼のことを思い出すようなことが会ったわけでもない。
天気予報が的中して、朝から外では雨が降っている。リヴィングにいても、外の雨だれの音が聞こえてくる。この日は、10時からカーリング女子の優勝決定戦、日本(ロコ・ソラーレ)vs.イギリス戦が行われる。楽しみである。見なければならない。
‥‥ということで、午前中はテレビの前にくぎづけになってしまったのだ。そして、結果は残念なことになってしまった。圧倒的にイギリスのペースでゲームは進み、日本はスチールも複数得点もあげることはできなかった。いちどだけ、2点をゲットできるチャンスがあったのだが、ストーンのわずかなずれで1点にとどまってしまった。わたしにはよくはわからないが、この日の日本のストーンは、たいていのケースでそのストーンが悪い方にずれてばかりいたように思えた。
しかし、この冬季オリンピックも最終日。カーリングに関する報道も日ごとに増え、一昨日の準決勝での勝利で最高潮に盛り上がっているのではないのか。ひょっとしたら、今回の冬季オリンピックでいちばん盛り上がったのは、この「カーリング女子」だったのではないかと思う。
20年間、おもに冬季オリンピックのたびにカーリング競技を見つづけてきたわたしとしては、「こんな日が来ようとは!」と信じられない思いもする。だいたい、Wikipediaによれば日本でのカーリング競技人口は3000人ほど。趣味で楽しむ人はせいぜいその倍ぐらいだろうとある。つまり、合わせても一万人ぐらいがじっさいにゲームを楽しむにすぎない。そんな超マイナーなスポーツが今、日本でいちばん注目を浴びているわけだ。
このオリンピックで「自分もカーリングをやってみたい」とか「子どもにカーリングをやらせてみたい」という人が断然増加するのだと思うけど、そういうすそ野の競技人口が増えるためには、カーリング専用の施設がないことにはどうしようもない。ひょっとしたらこのオリンピックによって「そういう施設をつくろうか」という人、企業などが出てくるかもしれないけれども。
こういう事情(カーリング人気)は、その決勝戦で日本に勝利して金メダルをゲットしたイギリスでも同じみたいだ。というか、今回の冬季オリンピックでイギリスは一昨日まで一個のメダルも獲得していなかったわけで、昨日ようやく男子のカーリングで銀メダルを得、今日の女子の金メダルで2つ目だった。どのくらいイギリスが熱狂しているかはわからないけれども、BBCのサイトには、「How to get into curling」というコラムが掲載されている。
まあイギリスはそもそもカーリング競技発祥の地(スコットランドだけれども)だし、あちこちにカーリングクラブがあるみたいで、「まずはあなたのお住まいの近くのカーリングクラブを見つけましょう」というところから始まっている。
面白いので、英語の記事だけれどもリンクを貼っておきます(はたしてこの日本で、「あなたがカーリングを始めてみたいと思ったら、こうしなさい」みたいな記事が出現するのは、どれだけ先の話になるだろう?)。
https://www.bbc.com/sport/get-inspired/23147581
しかし正直言うと、カーリングのロコ・ソラーレの敗戦で、午後はまったく元気がなくなってしまった(負けたロコ・ソラーレが悪いのではないが)。「昼寝しよう」としばらく寝て、目覚めてからは「何かやらなくっちゃ」と、勤め先から受け取っている先日の「胸骨骨折」の労災申請の書類を書いた。
書き終えてポストに投函しようと外に出たら、もう雨はやんでいて遠くの空は明るい気配だったけれども、ウチのあたりではまだ暗い雲が空を覆っていた。
考えてみたらこの日外に出たのは、この「ポストへの郵便物の投函」のときだけだった。郵便ポストなんかウチから歩いて1分ぐらいのところにあるわけだし、まあ「外へ出た」とも言えない距離ではないか。