ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-03-18(Fri)

 今日は一日雨が降りつづき、気温も10度にもとどかないだろうという予報。幸い早朝に家を出るときには雨も降っていなくって、そこまでに寒いという感覚でもなかった。

 今、銀座のギャラリーで昔の知人のNさんが個展をやっている。そしてやはり古い友人のYさんと、そのギャラリーで会う約束が出来た。Nさんと会うのは40年ぶりぐらいだし、Yさんとはその後も会っているらしいが、わたしの記憶から消えてしまっているので、やはり自分の中では40年ぶりぐらいの再会ということになる。
 こういう「再会」はこわいもので、自分の中では尻込みする気分もあった。でも特にYさんにはまた会いたいという気もちもあり、仕事のあとに銀座へ足を向ける。その前にちょっと時間があるので、職場の前の通りの対面の桜並木を歩いた。
 もう桜のつぼみがピンクに色づき、今にも花開きそうな気配だ。ああ、一輪、もう咲いている桜も見つけた。今年さいしょに見る桜の花だ。

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 銀座へ行くにはJRを使うことにして、そのJRのホームで電車を待っていると、ホームの向かいのお濠に2羽のシラサギがいるのが見えた。

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 わたしがこの近くで見つけたアオサギゴイサギの「休憩所」は、今はメトロのエレヴェーター設置のためそのあたりの木を伐採されてしまい、鳥たちは来なくなってしまったけれども、それでもどうやら、この周辺の水辺にはサギ類を中心に野鳥がやって来るようだ。わたしもときどき、このJRの線路に沿って野鳥が飛んでいる姿を見ることがある。この朝も、カワウのような鳥が飛んでいるのを見たばかりだった。
 
 ギャラリーへ行き、まずは会場に詰めていらっしゃったNさんにあいさつをする。展示されたNさんの作品はモノクロのドローイング(?)で、時に抽象的な展開を見せてくれる。現代美術のジャンルでも受け入れられる、ブームや潮流を超えた、人の根源に迫るような良心的な作品だと思った。
 Nさんに過去作品のファイルを見せていただいているときに、Yさんもやって来られた。Yさんのイメージは変わっていなかった。20代の頃、交友の狭いわたしの中でも、おそらくはYさんはわたしのいちばんの親友だったと言える気がする。わたしはYさんのアパートに何度も何度も訪れたし、今でもそのアパートのあった場所は記憶している。Yさんもわたしのアパートによく訪れて来てくれた。

 そのギャラリーは8階にあるのだけれども、ギャラリーの外にテーブルの並べられたオープンテラスがあり、そこでしばらくYさん、Nさんと会話する。わたしの記憶から消えていたわたしの「黒歴史」も知る。こういうことがあるからこわいのだ。
 Nさんは他にいらっしゃる彼のお客さんの応対に移られ、わたしはYさんとしばらく二人で話をする。彼の最近の立体作品をスマホで見せてもらい、その「解説」を聞く。

 Yさんといっしょにギャラリーを出て、「上野まで送るよ」と言われるので、彼の車で上野まで出て、そこで「何か食べてから帰ろうか」ということで、適当な店を選んで入ってみた。‥‥ま、言ってみれば「最悪」の店の一つだったわけで、頼んだ「ご飯モノ」は原価2~300円ぐらいのものだったろうし、「チーズフライ」は、フライの衣の中のチーズが溶けて姿を消し、ただの「衣」だけになっていた。
 この店でも、かつてのわたしたちの知り合いのその後とか、Yさんのその後の画歴の面白い話などを聞いた。彼が「勘定は持つよ」というので、申し訳なかったがごちそうになってしまった。
 「また会いたいね」ということでYさんと別れ、わたしは上野公園を突っ切って上野駅の公園口へと歩いた。

 けっこう雨は本降りになっていて、上野公園を歩く人の姿もほとんどない。公園の入り口のところの彼岸桜はきれいに咲いていたが、公園の中のソメイヨシノはやはりまだまだだ。降っている雨も冷たく、なんだか雪になるんじゃないかと思うぐらいだ。

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 上野駅の公園口に着いてみると、あれれれ、前に来たときとすっかり様変わりしてしまっていて、公園口の改札の前を走っていた車道は姿を消してしまっていて、駅舎もすっかり改装されていた。わたしは上野なんかしょっちゅう来ているような気分だったが、この日記で検索しても、前に上野駅に来たのがいつのことだかわからない。実は2年ぐらいはこの場所に来たこともなかったみたいだ。

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 上野駅から常磐線の快速電車に乗り、わたしんちの駅は快速電車は停車しないから、ひと駅乗り越して降り、駅に近いスーパーで買い物をして帰る。今日は18日で「8」の日で、だいたい全品5パーセント値引きの日なのだ。
 今日はニェネントくんに長いこと留守番させて寂しい思いもさせていることだろうから、ニェネントくん用に「かつおのたたき」を買ったり、自分用にウィスキーを買ったり。

 スーパーを出て、普段はこのあたりの夜道を歩くこともないので(どのあたりにせよ、わたしは「夜道」などほとんど歩かないのだが)、途中で道をまちがえてしまった。「あれ? どうしてあの店の看板があの方向に見えるのだ?」と思ったらもう遅い。冷たい雨の中を、ものすごい遠回りに歩いてしまった。

 ようやく帰宅して、もう時計はほとんど7時。夕食を待ちくたびれているニェネントくんに、今夕の主食は「かつおのたたき」。サーヴィスに「ちゅーる」と「ネコ用のかつお削り節」をトッピングしてあげる。
 やはり食いつき方がちがうので、きっと気に入ってくれたのだと思う。