ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-03-25(Fri)

 昨日の朝もそうだったのだが、勤務地の駅で降りて勤務先へと歩いていて、どこか上の方からスズメの鳴き声が聴こえる。歩道沿いの並木の枝の上で鳴いているのかと思ったが、昨日は見上げてスズメの姿を探したけれども見つからなかった。今朝も同じところでスズメの鳴き声が聴こえたが、こんどは頭の上の信号機から横に張り出した鉄骨の上にいるのがわかった。2羽のスズメが身をくっつけ合うように並んで、それでチュンチュンと鳴いているのだった。

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 実はこの季節、春はコブハクチョウと同じようにスズメも繁殖の季節で、カップルができて巣作りをはじめる。この2羽の「チュン、チュン」という鳴き声は、「愛してるよ」「いっしょに子どもをつくろうよ!」とかいう愛のささやきなのかもしれない。
 街に住むスズメはけっこう意外なところに巣をつくるようで、以前にこのあたりで、信号機の柱につけられたボックスの中で巣ごもりをしていると思われる姿を見たこともある。このカップルもそのうち、この近くで巣作りをはじめるだろうか。

 今日は昨日よりも少し暖かくなり、いよいよ東京の桜も本格的に開花し始めた。わたしの勤務先の、道路をはさんだ反対側はずっと桜並木になっていて、その並木がどんどんピンク色に染まってきた。

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 桜も咲いているときは美しいが、やがて「桜吹雪」になって散ってしまう。それに風情を感じる人も多いだろうけれども、その、散った花びらが歩道を埋めることになる。わたしらには冬の落葉と合わせて、この春に散る桜がなかなか大へんな「歩道の掃除」問題になる。まだ来週いっぱいは大丈夫だろうけれども、その次の週にはビルのエントランスまで散った花びらが舞い込んできて、エラいことになるだろう。その時期に強い風が吹かないことを祈る。

 仕事を終えて帰宅。今日は金曜日だし、仕事のあとに上野の美術館へ行こうかとか、今日から公開の始まったギレルモ・デル・トロ監督の新作『ナイトメア・アリー』を観に行こうかとか考えたが、それはまたの日にしてまっすぐに帰宅した。
 ウチの窓が見えるところまでくると、窓際のキャットタワーの上にニェネントがすわって、外を眺めているのが見えた。「飾り窓の猫」というところだ(「飾り窓」ではないけれども)。

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 窓の側から通って、ニェネントに「やあ! 今帰ったよ!」とあいさつする。それでニェネントがいた窓から180度裏側の玄関ドアにまわってドアを開けると、先回りしたニェネントくんが、ドアの内側でわたしを待っていてくれた。うれしい帰宅。

 帰宅してからはぼんやりと、何もしない一日になってしまった。駅前で値引きされたまぐろの刺身を買ったので、ニェネントくんに分けてあげ、自分の昼食はまだ冷蔵庫にあった山芋を擂って、「づけとろろ」にして食し、夕食は「とろろそば」とした。

 寝るときに、「あと少し」になっていたシャーリイ・ジャクスンの『日時計』を読んだ。電車の中で読んでいたときはついつい、声を出して笑ってしまいそうになったことが何度もあったのだけれども、家で読むときは笑っても平気である。声を出して笑いながら読み終えた。まあ単なる「コミック小説」ではなく、シャーリイ・ジャクスンらしい毒気を含んだ作品ではあったが、楽しい読書だった。もう一回さいしょから読もうかな。