夢をみた。これは毎晩『ナボコフ＝ウィルソン往復書簡集』を読んでいるせいでみた夢で、夢の中でナボコフとウィルソンとが、「増殖するネコ」について手紙で議論しているのである。「増殖するネコ」というのは、きっと映画『プレステージ』をみたせいだろうか。説明するのは難しいのだけれども、黒いネコの描かれたカードが束になっていて、そのカードから次々にネコが飛びだしてくるというようなものだ。夢の中でウィルソンは「ネコの増殖」に懐疑的で、何かいろいろとナボコフに疑問をぶつけているようだった。困った夢だ。
そんな難儀な夢から醒めて目覚めると、今朝は雨だった。それほどの降りではなく傘もいらなかったし、そのうちにすっかりやんでしまった。
仕事のあと、自宅駅から二つ手前の駅で途中下車し、この駅前のスーパーに寄った。ここには駅前に道路を挟んで２軒のスーパーが並んでいて、１００円ショップもあって「いい環境だな」と思うのだけれども、先日そのスーパーの一方が店じまいして、新しい店名のスーパーに変身している。「この時期になぜ代替わり？」という興味もあって、まずはその新しいスーパーに行ってみた。
でも店内レイアウトは以前とまるで同じだし、そんなに「新しい店だ」という感じはしない。そしたらパスタ売り場に前のスーパーと同じ輸入パスタが置かれていて、これはよその店では見かけたことのない輸入パスタだったものだから、「何だ、前のスーパーが名まえを変えただけか」と納得した。どういう理由からなのか。とにかくは前のポイントカードが使えなくなったようだ。
もう一軒のスーパーに行くと、ジャガイモとタマネギが安く売られていた。わたしはちょうど昨日自宅駅のそばのスーパーでそのジャガイモとタマネギを買ったばかりだったけれども、そっちはジャガイモもタマネギもちょっと小ぶりなのが５個で１００円で、つまり１個２０円だったのだが、こっちのスーパーではジャガイモもタマネギもけっこう大きいのが１個１５円なのだった。これは失敗だったというか、ちょっとくやしい気がする。帰って昼食で焼きそばをつくろうと、もやしとウィンナなどを買って帰った。
自宅駅からの帰路、今日の「野良ネコ通り」では「殿様ネコ」に出会った。やはり殿様らしく、その歩く姿にもライオンのような威厳があるではないか。
雨はやんでいるけれども空は曇り空。それでも雲の向こうに青い空が透けて見えた。これからどんどん天気が良くなるのか。今夜は「中秋の名月」ということだし、しっかり見れるぐらいのいい天気になればいい。
夜。ネットで「月が見える」と出ていて、外に出てみるときれいに月が見えた。ただウチからは道路に出てみないと月は見られないので、「月見の情緒」などというものはない。ただ立ちすくんで空の月を眺めるだけなのだ。
寝る前に再読していたナボコフの『プニン』をいちおう読み終えて、思考が眠りによって幕を下ろされてしまうまで、いろいろと考えるのだった。ある意味で「手軽にも読める本」だから、また再読してみたいと思った。
