ジョン・フォード監督の「騎兵隊三部作」の一本と紹介される作品だが、ジョン・フォード監督が特に「オレは騎兵隊で三本の作品を撮るぞ!」と考えていたわけでもないだろう。
この作品撮影当時、主演のジョン・ウェインはまだ40代になったばかりだったろうけれども、ここでは退役を間近にした騎兵隊長を演じている。映画はカレンダーにしるしをつけていき、「あと6日」というところから退役当日までを、時系列に沿って描いていく。映画はカスター将軍率いる第7騎兵隊全滅の知らせから始まり、「インディアン(先住民)」らが不穏な動きを見せておるぞ、という状況設定から進行していく。
ここでジョン・ウエインは、騎兵隊基地にいたふたりの女性を近場の駅馬車中継地まで護送していくわけだけれども(このときに女性が「黄色いリボン」を髪につけていたことからの映画タイトルであろう)、中継地はすでに先住民に襲われたあとではあった。
この作品の主題は、騎兵隊の日常を描くことにあったのか、例えば卑劣な隊員であるとかアウトローは登場しないし、淡々とした、ある意味ユーモアをたたえた普段の生活が描写される。映画としては「馬」であり、そしてこの作品では「犬」である。犬、犬。騎兵隊の行進に、ワンワンと吠えながらついてくる犬である。谷間をジャンプしてみせる「馬」に比べて、そのような見せ場はないが、この映画は「犬」である。