ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『アフリカン・ネイチャー3D 生命(いのち)の大地』(2013) ベン・スタッセン:監督

 こういう動物ドキュメンタリー・フィルムお得意のイギリスBBCの製作ではなく、ベルギーとフランスとの合作映画で、そもそもが「3D映画」だったらしい(「なるほど3Dだ」というショットがけっこう出てくる)。

 この現在の地球温暖化とアフリカの人口の爆発的増加によって、アフリカの野生動物たちにも絶滅の危機が迫っている。手遅れになる前に野生動物の生態を記録しておきましょうというわけで、基本はアフリカゾウ研究の専門家、自然保護活動家のマーラ・ダグラス=ハミルトンと、大型猫類研究の冒険家のケヴィン・リチャードソンとの2人のジープでの旅で、アフリカ大陸大西洋岸のナミビアからボツワナジンバブエザンビアのサバンナ地帯を経てタンザニアキリマンジャロのふもとまで、6千キロの旅の記録。熱気球のオペレーターのダニーも同行し、ときどきダニーの小型熱気球に乗っての空中からの映像も挿入されることになる。

 まず出発地点のナミビアは多くのチーターの棲息地で、映画はチーターの登場から始まり、クロサイ、シロサイ、アフリカゾウ、ライオンと、アフリカを代表する動物たちが次々に登場して来る。この作品、「ひとつの<旅>の中で連続して出会う動物たち」ということがポイントで、ロケ地も撮影時期も異なる映像を編集してつなげたものではなく、キリマンジャロへと向かうこの2人の「旅人」が、その旅の過程で出会う動物たち、ということで意味合いが変わってくる気がする。とちゅう、夜に宿泊する2人のテントをライオンが訪ねて来る(「襲って来る」までではないが、危険な状態だった)シーンとかも、「連続する旅」の中での出来事だからこの映画の中で意味を持ってくるのだと思う。
 まああまり見ることのない動物としては「クロサイ」ぐらいのもので、その他の動物はたしかに「いろんなドキュメンタリーで見慣れた動物」と言われても仕方がないかもしれない。「クロサイ」のツノの、その先端があまりにひょろ長いのに驚いたりした。そう考えると、映像で見慣れた「サイ」というのは「シロサイ」の方だったんだな、などと思うのだった。

 びっくりするような「ドキュメンタリーの秀作」というわけではないだろうが、ナミビアからキリマンジャロ山への「アフリカの土地」というものを、多少はよく知ることが出来たと思うのだった。