ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2023-10-27(Fri)

 今日は月に一度の内科クリニックへの通院。先月の通院のときには先客がまるでおらず、それこそあっという間に型通りの検診も終わってしまったのだけれども、今日診察の始まる9時よりけっこう早くに行ったのにロビーには先客にあふれていて、けっきょくロビーで1時間も待たされてしまった。まあ先月は「猛暑」真っただ中で、「不必要な外出は控えて下さい」と呼びかけられていた時期だったせいもあるのだろう。
 今日はロビーで初診のときに書く書式を持って書き込んでいる人の数が多かった。COVID-19やインフルエンザの疑いのある人はロビーには入って来ないので、そういう人ではない。急に気温が下がったので体調を崩した人たちなのだろうか。

 クリニックの検診を終えて、そのまま北のスーパーへ買い物に行く。この日も空には雲ひとつなく、気温もちょっと高いように感じた。今日はとなりのドラッグストアで、ニェネントくん用の「ちゅ~る」(20本パック)がいつもより百円ぐらい安かったのを買った。
 帰宅してみると、ニェネントくんは和室のキャットタワーの上でまどろんでいた。わたしがいないので押し入れとかに避難する必要もなく、気楽に羽根を伸ばしていたのだろうか。

     

 最近、「Amazon Prime Video」のトップに『ゴジラvsコング』を今配信しているという告知が毎回出て来るし、近々国産ゴジラ映画も公開されるわけだし、夕方からその『ゴジラvsコング』を観始めたけれども、何というかあまりに荒唐無稽に思えたし、登場して来る人間たちがみんなアホっぽくも見え、だんだんに観る気も失せてしまうのだった。半分観たところでやめてしまったが、どうやら残り半分が迫力があって面白いらしい。残り1時間弱だから、ちょっと時間が空いたときに残りを観てみようかとは思う。

 それで今日はクリニックでの待ち時間も長かったし、ようやっとナボコフの『ディフェンス』を読み終えた。ストーリーの中にチェスのゲームが織り込まれているのだというが、わたしはチェスの駒の動きをアバウトに記憶しているだけでチェスゲームのことは何もわからないので、というかそういう「わからない」という先入観もあったので、あんましそういうことに留意しないで読んだ。先の『メイスン&ディクスン』をつづけて2回読んだように、この『ディフェンス』も、もう一度読みたい気はする。

 昨日の報道で、11年前に長崎の対馬の寺から盗まれてその後韓国で見つかった仏像について、韓国の寺が「中世の時代にわが寺から倭寇によって略奪されたものだ」と所有権を主張していた裁判で、ようやっと韓国の最高裁判所が「仏像の所有権は対馬の寺にある」との判決を下したという。
 こんなことは当たり前のことなのだが、2017年の一審で韓国の地裁は「韓国の寺への引き渡しを命ずる」という判決を出していたもの。これは韓国政府も「困った判決だ」と控訴していたわけだが、ようやく正当な判断が下されたわけだ。
 もちろん、その韓国の寺の言い分も歴史上「あり得る」ことではあるが、その仏像が「倭寇で略奪された」とする年代、状況を含めた文献、記録が残されているわけではなく、「確かにあなたの寺のものだった」と言えるわけはないのだった(韓国でつくられたものであることは確かだろうが)。

 このとんでもない一審の判決は韓国と他の国との文化交流の妨げともなってしまった。
 2018年に韓国が高麗建国1100周年を記念して「大高麗展」を開催しようとした際、フランスが所蔵する世界最古の金属活字印刷の書物「直指心体要節」(1337年刊行)~フランス国立図書館所蔵~の貸与をフランスに依頼したのだが、フランスは「貸与するのだったら」と、韓国に「一時差押え免除法」の制定を要求したのだった。ちなみにこの書物、19世紀にフランスの外交官が韓国でちゃんと購入してフランスに持ち帰ったものだったという。
 これは今回の対馬の仏像の裁判のように「フランスの外交官が違法に持ち出したものであり、正当な所有者は韓国内にいる」などと言い出して「差押え命令」を求める裁判が提起されかねないからで、フランス政府としてはその対馬の仏像の件から「その法の制定なくしては韓国へは文化財の貸与は行わない」としたわけだ。
 ちなみにその「一時差押え免除法」というのはたいていの国ですでに制定されている法で、日本、フランスはもちろん、自国の文化財が多く他国へ流出しているギリシャも制定している法であった。
 ところが韓国は、世論の突き上げもあってその法の制定を拒否してしまう。もちろんフランスは依頼された物件の貸与は断ったし、フランスだけでなくもちろん日本も、そして台湾も貸し出しを断ったということだった。それはそうだ、「頼まれて貸与したら戻って来ない」なんて可能性があるのだから。

 別にわたしは「嫌韓」ではないのだが、韓国が世界に対等に向き合おうとするならば、2017年一審判決のような理不尽なことはすべきではない。そういう意味で、今回の韓国最高裁の判決は(まだその仏像が返還されてはいないが)喜ばしいものではあったと思う。