だらだらと過ごした「3連休」も、この日でもうおしまい。何をしたというわけではないが、その3連休の終わるこの日の夕方には、「けっこうゆっくり休めてよかったのではないか」などと思うのだった。そういう考えを持つのは、めずらしいことだ。
この日はまるで外に出かけることもなく、昼からは「午睡」をして、「なまけもの」の一日だったのだが。
でもこの日は、めずらしく料理に励んだ日だっただろうか(まあ「励んだ」などと言えるものでもないけれども)。朝ごはんはバナナですませたのだけれども、昼には冷凍してあった鶏レバー肉を解凍し、豆板醤とかで炒めて「ピリ辛レバー炒め」とした。ちょっと豆板醤を使いすぎて「辛辛」になってしまったが、まあ手間のかからない「かんたん調理」ではあった。
そして夕食には白菜とブロッコリー、先日安く買ったベーコンとを牛乳で煮込み、わたしのお得意(?)の「白菜とブロッコリーのクリーム煮」をつくった。
わたしはブロッコリーの「茎」の部分が好きで、買うときにも「茎」の部分が大きいものを選ぶのだけれども、ブロッコリーを調理するのが久しぶりだったもので、茎を煮込むときには皮をある程度剥いておくべきなのを、すっかり忘れていた。それで出来上がってみると、そのブロッコリーの皮の部分が硬いのだった。ちょっと失敗。
今日はけっこう暖かくなったようで、天候も良かったようだ。夕方テレビをみていると、この日は「満月」なのだという。
10月はアメリカの先住民にとって「狩り」に最適の季節だということから、この10月の満月は「ハンターズムーン」と呼ばれるらしい。
この日は天気もいいみたいだから、外に出てみたら月も見られるだろうかと、夕食を終えたあとにカメラを持って、ちょっと外に出てみた。
やあ、東の空で輝いている満月がすぐに見つかった。雲もない空でとても明るく輝いていた。
写真は露出をマニュアルで調整してあるのでクレーターがはっきりわかる写真だが、肉眼で見た感じはもっともっと明るく、ほんとうにまぶしいぐらいの月なのだった。そんな、撮影したけれどもボケてしまった写真(失敗作)も掲載しておこう。人間の目には、下の写真の方がじっさいの視覚に近い。
さて、あとは寝るだけなのだけれども、このところは寝る前にほんとうにちょっとずつ、大岡昇平の『武蔵野夫人』を読んでいる。まだ五分の一ほどしか読み進んでいないのだけれども、この大岡昇平氏の、研ぎ澄まされた文体に読んでいてもしびれてしまい、「もう、過去にも現在にも誰も、こんな文章なんか書けないんじゃないだろうか」とか思うのだ。
ちょうど昨夜とか読んでいたあたりでは、この「悲恋」の一方の当事者である「勉」が武蔵野の台地をひとり散策していたのだが、この「勉」には作者の大岡昇平氏の精神が投影されているわけで、彼は戦争中にはビルマに従軍していて、こうやって「武蔵野」をあてどなく散策する「勉」には、『野火』の主人公に通底するものが読み取れると思った。
さて、いつになったら読み終えるのか。読み終えたなら、わが家のDVDコレクションには「まだ観ていない」溝口健二:監督・田中絹代:主演の映画版『武蔵野夫人』が待ち構えているのだ。