夜、ベッドで本を読んでいて、「今夜はこのあたりにしてもう寝よう」と本を置くと、それを合図とするようにニェネントがベッドに跳び乗ってきて、わたしの体の上にマウントして「ふみふみ」とかし始めるわけだけれども、最近はそういうのもせいぜい数分のことで、そのうちにベッドの下に降りて行ってしまう。ベッドの下のすぐわきには去年ニェネントくん用に買ったネコ用のクッションが置いてあり、最近は夜にベッドから降りたあとはいつもこのクッションの中で丸くなっている。
それでわたしはたいてい夜中に目覚め、トイレに立ったりするのだけれども、ニェネントはそんなわたしの動きで目が覚めるのか、わたしがベッドに戻って横になると、ニェネントはまたわたしの上に跳び乗ってくる。
これは最近のいつものことなのだけれども、この夜はニェネントはわたしの上にマウントしてこずに、わたしの頭の横でじっとわたしを見つめている。「なんかニェネントが見てるな」と思って目を開けてみると、わたしの目の前せいぜい20センチぐらいのところにニェネントの顔があり、その目はじっとわたしの顔を見つめている。「どうしたというのだ」という感じだ。ここでわたしもニェネントのことを見つめ返すと「ネコは見つめられることを嫌う」というからよろしくないかと、わたしはニェネントの顔をチラッと見て目を閉じる。
しかしわたしはなかなか眠れないし、ニェネントはわたしのそばから動く気配もないので、「ニェネント、どうしてる?」とそっと目を開けてみると、ニェネントはさっきと同じく、じっとわたしのことを見つめているのだ。このあともわたしはしばらく目を閉じていて、また目を開けてみるのだけれども、やっぱりニェネントはわたしのそばでわたしをじっと見つめているのだ。いったいどうしたというのか。「あなたのこと、愛してるよ!」という愛情表現なのか。なんだか面食らってしまう。
ニェネントはこんな風に、数分はわたしのことを見つめていたみたいだけれども、そのうちにわたしの顔のすぐそばで丸くなって寝てしまった。
ニェネントくんがベッドの上でわたしといっしょに寝ることはけっこうよくあることだけれども、たいていはわたしのボディとか足の横で寝ているわけで、この夜のようにわたしの顔のすぐ前でわたしと並んで寝てしまうということは、まるで記憶がない。
いったいどいうしたのだろうか。昨日風呂に入れてあげたのが実は気に入って、うれしかったのかいな。「また風呂に入りたいな」とか思ってるのかね。それだったらいつでも風呂に入れてあげるけれどもね。
出勤時間が近づいて目覚めた早朝は寒かった。こういうとき、「いったいどういう天候で、どのくらいの気温なのか?」というのを知るには、パソコンの「今日の天気」を見るよりも、スマホの方が1時間ごとの情報も出ていていい。どうやら今日もずっと晴天らしいけれども、気温はこの時間7度ぐらいしかないらしい。それは寒い。しかし、わたしが仕事を終えて帰路に着くころには20度近くになるようで、それはかなり暖かい。この時期はそういう、最低気温と最高気温との差が大きいので、服装がむずかしい。まあ朝の寒いのは駅まで歩くのを耐え忍べばよく、そのあとの今日ぐらいの最高気温だとあまり厚着しているとかえって暑いだろう。そう思って、先週までと同じ服装で仕事に出た。
むむむ、家を出て、暗闇の駅までの道はたしかにけっこう寒い。南の空にはオリオン座やシリウスの星も見え、頭の真上を見上げると、もう半分近くに欠けてしまった月がそれでも明るく光っていた。外を歩いている人もなく、寒いけれどもひとりで歩くのは気分がいい。
予報の通り、仕事を終えての帰りは気温が上がり、パーカー着用では暑苦しい感じでもあった。帰り道、ウチのすぐ近くの家の「ワン」くんは「お休み中」だった。
ウチにたどり着いてドアを開けると、ニェネントくんが和室から飛び出してきて、わたしをお出迎えしてくれる。わたしが帰宅しても「知らんぷり」のことも多いのに、やっぱりなんだかいつもとちがう感じだ。
今日の昼食は前にまとめ買いした「鍋焼きちゃんぽん」というヤツに、白菜や肉、冷凍イカやゆで卵などをぶち込む。わたしは「カップ麺」というのはまるで食べないが、そんな「カップ麺」よりも安いぐらいのこの「鍋焼きちゃんぽん」の味は、けっこう気に入っている。麺がそもそも「生麺」っぽいのがいいのかもしれない。
夕食は今夜はヘルシーというか、こんがり焼いたウィンナと目玉焼き、それにレタスと生トマト、ゆで卵のサラダという献立。健康的だ。
今夜も寝る前にまた『鳥の生活』の本を読み継いだけれども、長くなりそうなので、そんなことはまた明日書こう。