ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-11-25(Thu)

 朝起きて、また「今日の天気」をチェックするのだが、なんとこの時間、この地域の気温は3度だという。それは「真冬」だろう。たしかにこうやって出勤前にリヴィングにいてもひしひしと寒い。昨日とかとは次元が異なる気もする。この朝のテレビは、またただひたすら「たき火」の火だけを映しつづける映像をやっていたが、こんな朝には似合った映像だっただろうか。
 「今日の天気」の予報では、昼になっても気温は17度ぐらいというから、昨日よりは低い。この日はついに、迷わずにパーカーの下にセーターを着込んでの出勤となった。この日がわたしにとっての、この年の「冬」の始まりの日であろう。

 4時半を過ぎ、「そろそろ家を出ようか」とテレビやパソコンを消して立ち上がると、わたしの脇にいたニェネントが「にゃ~ん、にゃんにゃん」とないて、うろちょろとし始める。わたしが「お出かけ」してしまうとわかっているのだろう。前はここまでに騒がなかったと思うのだけれども、どうもニェネントくんを風呂に入れてあげてからというもの、何かニェネントくんの中で変わってしまったのだろうか?

 外はさすがに、セーターを着込んでいても寒い。犬の散歩で歩いている方とすれ違った。空にはやはり星が見え、天頂には月がある。やはり空に明るく見えるシリウスの星は、たしか英語では「Dog Star」というのではなかっただろうか。
 わたしも、犬を飼えるといいと思う。犬を飼えるような生活をしたかった。毎日決まった時間に飼っている犬と散歩に出て、いつもその犬と歩く道を歩く。一本のリードでつながって意思の疎通を図る。リードからわたしの手に、犬の意志が伝わってくることだろう。犬は「あっちへ行きたい!」とか伝えてきて、わたしはその意思を確認して「いいよ!」と犬について行ったり、「それはダメだな」と、わたしのいうことをきかせようとしたり。
 今日も仕事の帰りに、近所の「ワン」くんの姿を見た。愛らしい。いっしょに散歩をしてみたいものだ。見た感じ、やはり「ワン」くんは秋田犬の血統なのだろうか?

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 そりゃあウチのニェネントとの生活も幸福なものだけれども、ネコと人間には「リード」のような意志伝達ツールがないから。むかし、ニェネントくんにリードをつけて、近所の公園にいっしょに出かけたことがあったけれども、ニェネントは外の空間を怖れてしまって、あまり動こうとしなかったのだった。

 でも、同じ部屋の中でニェネントというネコと暮らせるのはいい。今日は仕事を終えて帰宅してからずっと、「Grateful Dead」の音楽を聴いていたのだけれども、いつもはロックが大っ嫌いで、Bob Dylanなんかかけると「ふぎゃ!」とかないて和室に逃げて行くニェネントくんも、このGrateful Deadの音だといつものキッチンとリヴィングとの境い目でおとなしくしていて、「わたし、Grateful Dead好きよ!」みたいな感じなのだ。
 思ったけれども、Grateful Deadの音楽というのは、非日常でエキセントリックな音づくりなのではなく、どこか「あり得るべき世界」の日常を伝えているようなところがある。それはわたしがもうひとつ大好きな、Incredible String Bandの音にもどこか共通するところがあるようにも思ったりする。いってみれば、ヒッピーの目指すヒッピーランド(これはわたしの造語)の音楽ともいえる。やっぱ、わたしは今でもヒッピー精神で生きているのだろうかね。そしてそれは、ネコたちにも通じるものなのではないかと思ったりする。
 いつもはYouTubeとかで、そんなGrateful Deadの延々とつづくライヴを聴いたりするのだけれども、今日はアルバム「American Beauty」を、初めてちゃんと聴いた。とてもいい。CDを買おうかとも思う。

 今日の昼食も夕食も、駅前のスーパーで買った「味付けたらこ」をおかずにちゃっちゃっとすませ、寝る前にはまた『鳥の生活』を読む。今日からは鳥の「音感」という問題だ。興味深かったのは、ある種の鳥のヒナは、卵から孵化する前にもう、卵の殻の中で啼いているのだということ。これで親鳥はそんな卵の中の啼き声を聞きながら、巣の中の卵が孵るときを調節するのだという。巣の中の卵が孵化する時期がバラバラになると、親として育てるのにいろいろとめんどうが生じるわけで、できるだけいっせいに孵って、いっしょにエサを与えて巣立てる方が楽なのだ。
 そういうことでの実験で、シチメンチョウの親鳥を耳が聞こえない状態にしておくと、孵化したヒナを「自分のヒナ」と認識できずに殺してしまうのだと。いやあ、残酷な実験だなあ。
 あとはやはり鳥はその啼き声で仲間とかでいろいろな「意思伝達」をしているのはたしかで、その中でもスズメはそういう語彙が豊富らしい。
 面白いのはハクセキレイで、ウチのあたりでもハクセキレイはけっこう見かけられ、その「縄張り意識」が強いことは調べて知っていたのだけれども、そんなハクセキレイが「その場所が他のハクセキレイの縄張りかどうかわからないところ」に来たとき、「誰かいますか~」ってな啼き声をあげ、そこがすでに誰かの占有地だったとすると、「そこ、オレの縄張りね!」みたいに返答があるという。すると初参のハクセキレイは「失礼しましたあ~」って感じで飛び去り、何の返答もなければ「じゃあ、ココはわたしがいただきます!」みたいになるらしい。下手にケンカ沙汰になるより賢い方策ですね。