朝、駅のホームで電車が来るのを待っていたら、この時間にはめずらしく駅構内のアナウンスが流れた。聞くと、「先ほど快速電車が走行中、この駅の近くで異音を聞き取ったために現在原因を調べており、次の各駅停車の電車はしばらく遅れる」ということだった。しかしこの線(常磐線)は快速電車とわたしが乗る各駅停車ではまったくちがう線路を走行しているわけで、快速電車が異音を感じたからといって各駅停車の電車が遅延するというのはちょっと納得いかない。まあ「遅れる」というのだから待つしかないのだけれども。
待っていると、ホームとは反対側を走っている快速電車がちゃっちゃっと走り去っていった。「何でだよ」とは思うのだけれども、まあ要するに各駅停車の路線に問題があったわけだろう。
そのうちにまたアナウンスがあり、わたしが乗るはずだった「〇時〇〇分発車」の電車は運行を中止し、次に来るのは時刻表の次の電車、「〇時〇〇分発車」になるという。なんてこった! つまり、乗るはずだった電車は運休になり、20分あとの次の電車まで待てということなのだ。
おそらくはここで無理して遅延させて電車を動かすと、あとあとまで遅延が繰り越されてもっと遅い時間までダイヤが乱れてしまうわけだから、まだ朝も早いし、電車が始発する駅もとなり駅なわけだから、一本電車を抜かしてしまえばスッキリ行くじゃないかということだろう。その「しわよせ」は、運休になった電車に乗ろうとしていた乗客(わたしを含む)だけ(それと、わたしらが乗ることになった次の電車の乗客だ)がひっかぶればいいという考えなのだろう。ガックリである。
まあわたしは始業時間よりもけっこう早めに勤め先に着くようにしているから、20分遅い電車になっても遅刻するわけではないけれども、始業前に準備していることもあるし、若干は始業開始時間より早く仕事を始めてもいるわけだ。「まいったな~」というところである。予想されたことだけれども、電車はいつもの倍の混み方になった。わたしは始発駅の次の駅で乗るからいつもの席に座ることができたけれども、もっとあとの駅から乗った人たちは、20分余計に待たされるし、電車は混んでるし(いつもは楽に座れたのに座れなかった人もいただろう)、うんざりしたことだろう(いつもの電車に乗るつもりで、その20分あとの電車に乗った人たちも「今日はなんでこんなに混んでるの?」とびっくりしたことだろう)。
「ま、今日はそういう突発事故だから」と、仕事でも手抜きできるところは多少手抜きして、手順が遅れるということもそんなには起きなかったからいいけれども。
今日も晴れていい天気だった。昼間は「寒くもなく、暑くもなく」快適な日より。「野良ネコ通り」で、久しぶりのネコに出会った。元気でいてくれたか! こういうネコは好きだな。
どうも左耳をカットしてあるように見えるのだけれども、不妊手術してるのかもしれない。わたしが近づくと、ちょこっとわたしに近づいて来ようとしていた。人なつっこいのかもしれない。
帰宅するとまた「国会中継」であり、そしてこの日はアメリカの大統領選挙の開票というビッグイヴェントも進行している。バイデン氏が票を伸ばし、「あと一歩で決定!」というところまで来ているのだけれども、予測されていたようにトランプ氏がいちゃもんをつけ、勝手に「勝利宣言」を出したり、バイデン氏側に不正があったとか、言いたい放題を始めるのだった。これがアメリカのテレビなどではそんなトランプ氏の発言に「これはフェイクです!」などと字幕でも司会者の発言でも繰り返されるのだけれども、日本ではNHKなど、そんな「これはフェイク」ということを伝えず、あたかもトランプ氏の発言が真実かと取れるような放送をしている。ある番組などはキャスターが「バイデン氏の支持者は字の読み書きもできないアフリカ系の人やヒスパニック系の人らをひき集めてバイデン氏に投票させている」などという「デタラメ」では済まない差別的発言をしていたらしい。
どうも日本の「ネトウヨ」と呼ばれるような人たちはトランプ氏を支持しているようなのだが、その際にアメリカではすでに「フェイクニュース」として打ち捨てられているような、トランプ氏支持者らのむちゃくちゃな発言を「真実」かのごとくにSNSに書き散らかしている。ひょっとしたら、今はアメリカよりも日本の方が「重症」なのだろう。
とにかく、バイデン氏が次期大統領になることは確実だと思われるのだけれども、おそらくはトランプ氏も提訴してくるだろうし、じっさいにはっきりと決定するのはけっこう先のことになるのではないかと思われる(そのあとも、トランプ氏が素直にホワイトハウスから出て行くかとか、いろいろとややっこしいことが起きてくる可能性がある)。
今日は、仕事の合間などにちょっとずつ読んでいた中井正一の『日本の美』を読み終えた。「次は何を読もうか」ということだが、ほんとうは先日買った分厚い本のどれかををすぐに読みたいわけだけれども、仕事の合間にも読むには文庫本がいい。それでまた久しぶりに、ナボコフの『ロリータ』を読むぜ!ということにした。