- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2009/06/26
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ディーン・マーティンが、「マット・ヘルム」というアメリカのスパイを演じるという「サイレンサー」シリーズの第4作で最終作。そして、タランティーノの最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でフィーチャーされた、シャロン・テートのほぼ遺作という作品。
ディーン・マーティンは歌手として有名だけれども、そもそもはジェリー・ルイスとのコンビの映画「底抜け」シリーズで人気を得た人物。
わたしは大むかしにこの「サイレンサー」シリーズの別の作品を映画館で観ているけれども、まあこの「破壊部隊」にしても、そういうコメディアンとしてのディーン・マーティンの持ち味を生かしながら「ジェームズ・ボンド」人気にあやかった「スパイもの」として、それなりに人気があったみたいだ。この「破壊部隊」のラストには「次の第5作にもご期待!」みたいなテロップが出るけれど、この映画公開直後に出演したシャロン・テートが殺害されたわけで、ディーン・マーティンが「もう、このシリーズは出たくない」と言ったらしい。しかし、それはもうその時点でこのシリーズの評判が芳しくなかったせい、かもしれない。
さてこの作品、ちゃんと原作があるというのもびっくりだけれども、逆に「原作がある」ということが足かせとなり、いい加減な脚色のせいでダルい作品になってしまった感がある。ただ、ひょっとしたら1966年のジョセフ・ロージーの『唇からナイフ』をちょこっと参考にしたような風情はあるのだが、残念ながらこの作品、「美術」が圧倒的にダメ、ではある。
しかしながらこんな作品でもいいところはあるわけで、まずはヒューゴ・モンテネグロによる軽快な音楽で、わたしはこのあたりにも『唇からナイフ』の音楽の影響を感じてしまうところはある。
それと、出演する4人の女優陣の美しさで、これは大いに賞賛に値すると思う。その4人とはシャロン・テートに加え、けっこう日本にもファンの多かったエルケ・ソマー、アジア系女優として最初の成功者であるナンシー・クワン、そしてティナ・ルイーズである。これは豪華な布陣で、このうち一人だけしか出演していなくっても、その魅力で「いいね!」といわれるようなメンバーである。そんな4人が1本の映画の中でたっぷり拝めるというのは、これは(どんな作品であろうが)素晴らしいことであろう。
まあやはりその4人の中でも今観ても、シャロン・テートの(セクシーな)魅力をたっぷり堪能できる作品ということこそ、この作品の素晴らしさではないかとは思う。すっころんでパンツ丸見えの登場シーンから、ラストの「飛翔」まで、彼女をみているだけで満足できる作品だろうか。おまけにこの作品の監督は「お尻フェチ」なのか、そんな彼女のお尻ばかりをカメラで追い回すのである。
まあ、そんな彼女の「お尻」を眺めながら、悲しくも理不尽だった彼女の死を追悼する、そんな映画だろうかと思う。R.I.P.