朝、飯田橋の駅から職場まで、外濠沿いの道を歩くと、ハト、カラス、そしてスズメなどの鳥が歩道に出てきてエサを漁っている姿を目にする。カラスはゴミ袋を破いてゴミを散乱させるので迷惑がられるけれども、ハトやスズメは穏健である。特にスズメは見た目もかわいくって、ほっこりとする。
まだまだ、こんな都心の地にもスズメのような野鳥(といっていいんだろう)が棲息しているということはうれしい。まあスズメやツバメ、そしてカラスなどはシナントロープというヤツで、人間の住む近くに生息するわけだけれども、そんなシナントロープもいなくなる都会というのを想像すると苦しい。
ニェネントは、わたしがベッドで横になるとすぐにやってきてベッドに跳び乗ってくるのだけれども、この頃はさっさかとわたしの胸の上に自分から這い上がってくるようになった。
ニェネントはなかなか懐かないネコで、3~4歳頃まではわたしが捕まえて抱いても必死に逃れようとしてわたしに爪を立てて抵抗したものだったけれども、いつしかようやく、捕まえても抵抗しなくなった。それでも今でもわたしが追うと逃げていくし、人懐っこいネコは飼い主の膝に乗ってきたりとか背中に這い上がったりするものだろうけれども、そんなことはいっさいやらない。
そんなニェネントでも、わたしがこうやってリヴィングの机の前でパソコンに向かっていると、わたしの後ろに座り込んで、じっとわたしを観察していたりする。気が向くとわたしのすぐそばまできて、わたしの膝の横に姿勢を低くしてじっとしていることもある。そういうときは簡単に抱き上げられるので、それはひょっとしたら「だっこしてよ!」という意思表示なのかもしれないと思う。
ニェネントのお母さんのミイは和猫だけれども、お父さんはおそらくかなりの血統種で、わたしはニェネントの生まれる前、ニェネントのお父さんであるだろうネコが公園にいるところで、ミイが逆ナンしている現場を目撃したことがある。そのお父さんネコは当然飼いネコだったろうと思うのだが、ほんのちょっとのあいだ、ミイの縄張りだった公園に来ていることがあった。それで去勢もしていなかったのだろう。そんなわずかのチャンスにミイはみごとに受胎し、ニェネントが生まれたのだ。
お父さんはひょっとしたら「ラグドール種」で、テレビなどでときどき、ニェネントにそっくりの毛色、模様のネコを見ることがある。ただ、最近は「スノーシュー」というシャム猫系のネコがいることも知り、こっちの方がニェネントに「瓜二つ」だな、などと思うことが多い。
まあとにかくは、ニェネントが前よりもずっと、わたしになついてくれることは「うれしい」ことではあります。