映画
舞台は1950年代の終わり、イギリスの海岸沿いの小さな田舎町で、戦争未亡人のヒロインが、ひとりで本屋を始めるという話。時代はちょうどナボコフの『ロリータ』が発売され、ちょっとした騒動になった時期。そんなことも映画では描かれているらしい。‥‥…
モノクロ、そしてワイドスクリーンだということの印象に残る作品だった。そのワイドスクリーンの画面を、カメラがゆるやかに横移動するシーンが美しい。そして街頭の物音、そして犬たち、そして空を飛ぶ旅客機。 舞台は1970年とかのメキシコシティで(部…
クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来10年ぶりに、自ら監督した映画に主演した。映画撮影当時87歳? それでこの作品自体「老い」ということが一つのテーマでもあるのだけれども、そこはイーストウッド、「まだまだヤレるぜ!」みたいな姿も…
「嘘をつく男」に引き続いてチェコスロヴァキアが製作に協力し、さらに撮影地となったチュニジアとフランスの3国での共同製作。そして、この作品がロブ=グリエにとって初めての「カラー映画」だったということ。この映画の魅力のひとつは、そのチュニジア…
この原作本(というのか?)はその当時日本でも翻訳が出ていたのだが、映画の方は公開されなかった。それが50年近いときが経って、このレトロスペクティブで日本初公開(過去にシネマテーク的に公開されたことはあったようだけれども)。 これまでに観た4…
この作品もジャン・ルイ・トランティニャンの主演なのだけれども、チェコスロヴァキア、イタリア、フランスの合作映画というかたちを取り、とりわけチェコスロヴァキアの貢献度は高く、撮影もチェコ、俳優人もほとんどチェコの俳優と、もうほとんど「チェコ…
なんと、主演はあのジャン・ルイ・トランティニャン。どうもロブ=グリエ自身がトランティニャンのファンだったらしいのだけれども、とにかくはトランティニャンのこの作品でのポーカーフェイスぶりを観ているだけでも、その他のおかずがなくってもご飯三杯…
ロブ=グリエの初監督作品で、舞台はイスタンブール。ちらっとパンフレットを読むと、実はこの映画は「去年マリエンバートで」の前からプロジェクトが進んでいたのが、トルコの政情不安で一時中断、そのあいだに「去年マリエンバートで」が先に撮られたのだ…
‥‥ということで、アラン・ロブ=グリエの映画作品を、これからしばらく観続けようと思う。 ロブ=グリエという作家は、もちろんわたしの中では「小説家」、それも「ヌーヴォー・ロマン」とか「アンチ・ロマン」とか呼ばれたジャンルの代表的作家。ちょうど日…
オリジナルのダリオ・アルジェント版「サスペリア」を継承し、アルジェント版ではわけのわからなかったストーリーの飛び方にひとつの「解決」をみせているリメイク、と思った。そういう意味で、パンフレットに江戸木純氏が「極めて正しい映画的継承」と書か…