昨日動物病院へ行って駅前のスーパーに立ち寄ったあと、いつも通る「野良ネコ通り」を歩いたのだけれども、そこでずいぶん久しぶりにネコに出会った。
わたしが勝手に「野良ネコ通り」と名付けたように、むかしはこの通りでは何匹もの野良ネコを見かけたものだった(たいていのネコは桜耳の「地域猫」だったけれども)。しかしそんなネコたちの姿もほとんど見かけられなくなり、「みんなダメだったか」と思っていたものだった。それでも先月は黒いサビネコを見かけたし、その前にはけっこう以前からこのあたりに棲みついているらしいミケの姿も見たことはあった。「まだいるんだなあ」と、わたしとしてはちょっとホッとしていた。地元の人たちは迷惑しているのかもしれないが。
それで昨日出会ったのは、そのミケネコくんだった。歩いているわたしの前の道をサッと横切って行って、駐車してある車の下に隠れてしまった。
あたりに人影もなかったので、道路にしゃがみこんで車の下を覗いて(人が見たら「不審者」と思ったことだろう)、そこでわたしのことを警戒している感じのミケくんを写真に撮らせてもらった。
「不審者」といえば、そのあとウチの近くまで来たとき、わたしのすぐ前を歩いている年配の男性がいたのだけれども、ある家の玄関の方へ向きを変えられたので、そこに住んでおられる方かと思った。それがその男性はその家の郵便受けに手をかけて、中を覗きこんだだけでまた道路に戻ってくるのだった。うむ、「不審者」とはまさにこのこと。郵便受けの中に何かあれば盗もうとしたのだろうか。郵便受けの中には金目のものなど入っていないとは思うのだが。
ちょうどそこでその男性とすれ違ったので、「何だこの人」と思ってその男性の顔を見つめたら、彼も「何だよお」というようにわたしをにらみ返してきたのだった。
やばいやばい。近年の社会情勢から言っても、場合によっては唐突な暴力をふるわれてしまうことだってあり得たのだ。こわいなあ。
でも、そういう「不審な行為」をするときは、さっきわたしが車の下のミケネコを道路にひざまずいて撮影したときのように、あたりを見回して誰の目もないことを確かめてからした方がいいと思うな。
「不審な行為」といえば、(大した「不審行為」ではないけれども)以前わたしが仕事に就いていたころ、毎朝の出勤時間と同じ時間に、ほとんどわたしと同じコースを歩くおじさんがいたのだけれども、そのおじさんは道路沿いに設置された飲料水自動販売機の前を通るとき、かならずその「おつり口」に手を入れて、中を確かめられるのであった。どんだけ「成果」があったのかしらないけれども、ひょっとしたら十円玉をいくつかゲットされたことでもあっただろうか。
そのおじさんは、いつもさいごに通り道にある神社の境内のなかに消えて行かれたのだけれども、やっぱ印象としてはヤバいよね。賽銭箱、大丈夫だっただろうか。
‥‥などということを思い出したのだった。
さて時制は今朝になって、目が覚めるとまだ真っ暗で、時計を見るとまだ午前5時だった。「もう少し寝ていよう」と目を閉じたが、そのとき、もう今ではどうしようもない過去のイヤな思い出が頭のなかをめぐりはじめ、そのネガティヴなループから抜け出せなくなってしまった。「これではもう、起きてしまう方がいい」と考えて、ベッドから出たのだった。
けっきょく外に出かけることもなく、そういうのでは何の変化もない一日だった。
最近ようやっと、あの「兵庫県知事選挙」で何が起きたのか、いろいろと知らされるようになってきた。わたしは主にテレビでそういう報道を見ていて、そういう意味では「オールド・メディア」に頼る「遅れた人間」だということになるのだろうが、けっきょく今わかるのは、そういう「オールド・メディア」を否定していた連中とは、不確実なSNS情報や、扇動家による「虚偽情報」を信じてしまったに過ぎないのではないのか。そんな情報のなかには「死人に口なし」とばかりに、あの兵庫県知事を告発してのちに自殺された方に対し、「あれはトンデモない人物だった」みたいな情報が、選挙戦でも流しつづけられていたということ。皆がそれで「斎藤氏は貶められた」と判断したわけだ。
こんなことはある程度「一般常識」を持っていれば、一役所職員が同じ職場の女性ら十人以上と関係を持っていたなどという、「おまえはカサノバか?」というような存在にリアリティがあるかどうか、わかりそうなものである(そりゃあ現実に稀に、そういう輩はいたりするかもしれんが)。じゃあそういう女性職員の発言があるかというと、まるっきしないのである。これはもう騙される方に「非」があって、そんな脳ナシが「オールド・メディアは信じない」などと言っても、「だからお前はアホなんだよ」と言うしかない(まあ「オールド・メディア」に問題がないわけではないが)。
今日は夕方から、また今年いっぱいで配信がおわってしまうという、ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』を観た。これはむかし観た作品だったけれどもこれっぽっちも記憶していなくって、おかげで楽しく観させていただき、ラストには大笑いすることが出来たのだった。