ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-07-03(Sat)

 先日、詩人ランボーの本を読んだせいで「詩」のことを考えることが多いためか、そういう夢を見た。「詩人」が登場する。
 夢の中でわたしは単に「夢の物語」を外から見ている存在で、わたしが夢の中に登場してどうのこうのという夢ではない(人と会わないからだろう、最近はこういう夢をよく見る)。その夢の物語の主人公は「自称詩人」の若い男なのだが、彼は裕福な家の生まれである。そして自分の「詩人」としての地位を確立するため、家の財産をすべてそのことにつぎ込むのだ。すべての家の持つ権利を抵当に入れ、湯水のごとくに資産を浪費して「オレは詩人だ!」とアピールするのだが、彼には詩人としての才能はこれっぽっちもなかったのだ。
 どうやら時代はおよそ百年前、「シュルレアリスム」の時代でもあったようで、彼はフランス人のようだ。その詩人をとらえた短かいモノクロの粗いフィルムが残っていて、夢の中でそのフィルムの映像をわたしは見ている。田舎道の道ばたに立つ詩人が、カメラを意識してひょうきんな表情と動作をカメラに見せて、道を横断しようとする短かい映像だったが、夢から覚めてもそのフィルムの映像はわたしの脳裏にしっかりと記憶されていた。
 わたしの夢の中にしか存在しない男の映像は、それ自体まさにひとつの「シュルレアリスム」の夢の記録として、強烈な記憶となったのだった。「彼は何者か?」。きっとまた思い出す夢(映像)になることだろう。

 今日は実は久しぶりに都心の劇場での舞台公演を観に行くつもりで、チケットも買ってあった。朝から外ではけっこう強い雨が降っているし、「行きたくないな」という気もちはあった。まあ午後2時からの公演だから、11時半ぐらいに家を出ればいいだろうと準備をしていたら、テレビでは熱海でのとんでもない水害(土石流)のリアルな映像が流されるのだった。高台からの強烈な濁流で、家や車が呑み込まれて流される。家は瞬間に崩れ落ちる。
 「何ていう映像だ!」と思って、このあたりものんびりしてはいられない(電車が止まってしまうおそれがある)と調べたが、ウチのとなり駅からのJR線はストップしているのだった。
 この時点で雨はほとんどやんでいて、「雨雲レーダー」でもこのあと雨は降りそうになかったので、「やはり出かけましょうか」と家を出た。

 しかし、駅への道を歩きながら、「今はCOVID-19も次の<感染拡大>に突入しているのはまちがいないし、<東京オリパラ>開催に反対しているわたしが、こうやって舞台公演を観にお出かけするということは、どうやったら正当化できるのだろうか?」などと考えてしまい、「自分のこれまでの考えを延長すれば、やはりこの日の舞台公演を観に行くというのは間違っているだろう」という考えになり、道半ばで家へと引き返すのだった。
 自分の中で危うく、「<東京オリパラ>有観客には反対するけれども、こういう<舞台公演>は観に行くだね」という、<ダブル・スタンダード>に陥るところだっただろうか? まあ買ってあったチケット代はムダになったが、そういう問題ではない。

 帰りの道すがら、道ばたに咲いているアザミの花に、黒いハチらしい虫が取りついていたのを撮影した。この虫は多分「ドロバチ」の一種だと思う。この写真が、「今日わたしが一度は外出した」という「証拠写真」になることだろう。ドロバチは、スズメバチアシナガバチのように集合住宅(マンション)に棲むのではなく、一戸建て単身世帯住宅で子育てするのだという。ちょっと気持ちが通う気がする(やたら人間に攻撃的でもないし)。

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 帰宅して、「やれやれ」という感じで、寝っ転がって読みさしの『歌うカタツムリ』を読み継ぐが、「まあいろんな人が<あーでもない、こーでもない>とやり合うだね!」と思うばかりで、すっかり自分は<門外漢>気分になってしまっている地平からは、どうもあまり興味を抱けない。
 あのスティーヴン・グールドもまた「カタツムリ」の研究をしていたとかいうのは多少興味深くもあるのだけれども、とにかくはこの書物に登場する多くの学者らについて、巻末に何らの「参考文献」も挙げられていないことにもまた、「これではどうしようもないではないか」という気分になる。
 おそらくは、すべて読み終えてもきっと翌日にはすっかり何もかも忘れ去ってしまっていて、そのことがわたしの生活にこれっぽっちも影響しないだろうと思うことになり、「もう読むのはやめよう」ということになるのだった。「失敗」の巻。

 ところで、COVID-19ワクチンの供給不足が深刻化しているらしい。わたしが先日かかりつけの内科クリニックに直接聞いた、「申請した3割しかワクチンは来ないのですよ」というのがまさに現実だったというか、ひょっとしたらもっと情けない状況なのかもしれない。
 スカ首相はとにかくな~んもわからないバカだから、ただ「ワクチンさえ接種すればCOVID-19禍は克服できるのだぜ!」とだけしゃべり尽くしていたのだが、その彼の「命綱(いのちづな)」の「ワクチン接種」がまるっきし進行していない。これこそまさに「首相の責任問題」だろうが、メディアでは誰もそ~んなこと言い出さない。それでただ、「<東京オリパラ>は観客入れますかね~、それとも無観客ですかね~」みたいなことになってしまっている。これはまさにスカ首相の無能ぶりを覆い隠す「アホ論点」であり、そんなメディアと合わせてまさに「日本滅亡」だね~、と思うしかない。

 さて、この「ディストピア」を生き延びるには?