ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-07-02(Fri)

 朝からずっと雨が降りつづく。鬱陶しい一日になった。仕事の帰りに乗り換え駅で改札を出て、改札口の近くの小さな書店へ寄り道する。
 実は先日『歌うカタツムリ』という本を買ったのだが、それで何だかもっと「生きもの」の本を読みたくなり、そういうのを検索していたら最近、『南極探検とペンギン』という本が刊行されているのを知ったのだった。これは今から百年ちょっと前、イギリスのスコット隊が南極の極地到達を目指して遭難するということがあったのだけれども、そのスコット隊で極地を目指さずに居残った医師が冬を過ごしたキャンプ地で、キャンプ地の周辺にいたアデリーペンギンを観察して記録にとどめた、その記録をもとにして書かれた本らしい。つまり「極地探検」モノと、「ペンギンの観察」モノと、1冊で2度おいしい本なのか。この本を探したいと思っての書店来訪であったが、無事に発見、購入することができた。

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 スコット隊の「遭難」の話は以前にも調べたことがあり、これは同じイギリスの「フランクリン北極探検隊」の遭難(このことは、The Pentangleも歌ったバラッドも残っている)と並んでの悲劇で、今はイギリスにフランクリンの銅像と並んでスコットの銅像(彫刻家だったスコットの未亡人による作品)も建てられているという。

 ちょっと脱線して、そのわたしがすでに知っている「スコット隊遭難」の話を書いておくが、隊を率いたスコットは遠征のとちゅう、「こりゃダメだな」と思っていたらしい。さまざまな「不具合」が競合してスコット隊の足を引っ張っていたのだが、それでもスコットは遠征を中止することはなく、遭難へと突き進んで行ってしまった。いったいなぜスコットは中止しなかったのかというと、このスコット隊はイギリス政府によって呼びかけられて集められた「探検隊」であり、「南極の極点を世界で初制覇する」という国家的使命の前に(この件も、同時期に極点を目指したノルウェーアムンゼン隊に先を越されるのだが)、もう突き進むしかなかったのだろうという。
 このことはどうも、「COVID-19に打ち勝ったということを世界に示すためのオリンピック開催」という、今の<東京オリパラ>開催への政府や都、組織委員会の路線を思わせるものがあるのではないだろうか?

 この本はさらに、探検隊メンバーの医師による「世界で最初」のアデリーペンギンの観察記をも取り込まれているらしいが、彼が目にしたアデリーペンギンの「性生活」は、(よそに紹介されていた文章によると)「同性愛、屍姦、売春(!)」と、とんでもないものだったらしい。よって性モラルに厳しいヴィクトリア期のモラルに従った医師は、このレポートを非公開扱いにしていたらしいのだ。いったいどういうことなのだろう? 好奇心ビンビンである。

 まだどのような本なのかはわからないが、なかなかに楽しそうな本であり、ちょっとしばらくはこの本を優先して読んでみたくなるのだ。

 自宅駅に帰る前に、今日もふたつ手前の駅で途中下車して、駅前の2軒のスーパーを見てまわり、一方のスーパーの2階にある「古着・中古家具」などの店も見てみた。中古家具のコーナーに、CD、カセット、そしてヴィニール盤レコードが再生できるという、見かけは古いラジオのようなワンセットのオーディオがけっこう安く売られていて、「コレを買えばレコードが聴けるのだな」と思うと欲しくなってしまったのだが、まずはそれなりにデカいから持ち帰るのが大変だし(それなりに配送は申し込めるのだろうが)、そういうのを買ってしまうと、これからレコード盤収集熱に火がついてしまってエラいことになるのが目に見えている。やっぱりこういうのを買おうなどとは考えないようにしよう。

 同じフロアで小さな「古本市」が開かれていて、ぐるりと一周してみて、海野弘の『世紀末美術の世界』200円と、ブルトン岩波文庫の『シュルレアリスム宣言』250円とを買ってしまった。
 昔はけっこうこの海野弘氏の本はいろいろと出ていた記憶があるけれども、いつしか忘れられてしまった人だろうか。目次を見てパラパラとめくってみて、それなりに面白い本のようだった。

 スーパー2軒をぐるっと巡回してみて、どちらもそれぞれにかなり安いモノがあり、仕事の帰りに気楽に立ち寄れることもあり、「これからは普段の買い物はこうやって、仕事の帰りにこの駅で途中下車するのがいいのではないか?」とは思うのだった。

 一方のスーパーで「ちらし寿司」を買って帰り、食べようとするとやはり匂いがするのか、ニェネントが寄ってくる。ニェネントの好きそうな具を分けてあげながら、ニェネントといっしょの昼食になった。楽しい食事だ。

 夕方からは、金曜日なので近所の歯科医に治療に出かけた。その時間にはほとんど雨もやんでいた。「今日はここの歯がちょびっと虫歯になりそうなので削っておきましょうね」ということで、左下の歯をちゃっちゃっと削っておしまい。来週の金曜日はわたしも国分寺のクリニックへ行く日だし、この歯科医もちょうど内装工事とかでお休みということで、次の治療は2週間先になった。