ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ライフ・アクアティック』(2004) ウェス・アンダーソン:製作・脚本・監督

ライフ・アクアティック [DVD]

ライフ・アクアティック [DVD]

 むかし、中古DVDで安く買ったのを棚に放り込んだままにしていたもの(その前にいちど、レンタルビデオで観てはいたが)。
 これは海洋探検家/映画監督のジャック=イヴ・クストーへのオマージュでつくられた作品で、いや、わたしもクストーの名前は記憶に残っています(たしかルイ・マルとの共同監督での作品もあったと思う)。ただ、やはりこの人、時代的に「エコロジー意識」とかいろいろ欠ける人で、わたしも娘が小学生低学年の頃にレンタルビデオでクストーの作品をいっしょに観たのだけれども、その中で「サメ」だったかな、「海のギャング」と決めつけ、「わたしたちはそんな海のギャングを懲らしめてやりました」という映像がつづき、わたしは娘に「サメはサメでギャングのつもりなく生きてるし、勝手に<ギャング>呼ばわりしていじめるのはひどいね~」と話したものだった。娘も「そうだよね~」と言っていた記憶がある。そんな「サメ」の話が、この『ライフ・アクアティック』にも出てくるのだけれども。

 ウェス・アンダーソンらしい、ものすごくオフビートな作品だけれども、それは主演のビル・マーレイの手柄というか、この人の飄々とした演技を楽しめるというのでは最高の映画だ(あと、ジム・ジャームッシュにも楽しい映画があるが)。
 そんなビル・マーレイをサポートするのがオーウェン・ウィルソンとかケイト・ブランシェットとかウィレム・デフォーとか。それにプラスして、のちにウェス・アンダーソン監督がもっともっとのめり込んでいくストップモーション・アニメの萌芽としての楽しい海洋生物たち(アニメを担当したのは『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック)が楽しい。

 映像、美術的にもいつものシンメトリー偏愛、そして大きな船舶の断面セットを使っての長回しなど、やはり楽しめること多し。あと、ミニコンポにつないで聴いた音楽が奥行きがあってよかった。