ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ミッドウエイ』(2019) ローランド・エメリッヒ:監督

 1942年の「ミッドウェイ海戦」を描いた映画。監督のローランド・エメリッヒという人、むかしからわたしの目にはこの人の作品を酷評するような批評ばかりだった記憶があり、この映画を観るのもあんまり気が進まなかった。

 じっさい、映画を観始めてみると「ドラマ」が希薄というか、アメリカの兵士たちも戦場へ出立するにあたって精神論のような話しかしなくって、はっきり言ってちいっとも面白くなかった。
 もうよほど観るのはやめようかと思ったが、じっさいの「ミッドウェイ海戦」の描写はどうなのか、いちおう最後まで観てみることにしたのだが‥‥。

 これは、「太平洋戦争」という舞台を借りて「スターウォーズ」のような映画を撮りたかったのだろう、と思うしかない。
 とにかくは、艦船からの対空砲撃というのが「アホらしい」ぐらいに降り注ぎ(いや、艦船から戦闘機に撃つのだから「降り注ぐ」ということはないか)、さらに戦闘機からの機銃発射もハンパない。
 「過剰さは観客を飽きさせないだろう」と思ったのだろうが、映画の魅力というものは、そういう「過剰さ」から生まれ出るものではないだろう。

 そしておそらく監督らは、「観客らはイーストウッド監督の『父親たちの星条旗』のような、抑圧された英雄像など見たくはないのだ」と言わんばかりに、一面的でヒロイックな英雄的兵士を描くことに満足しているのだ。

 やはり、ローランド・エメリッヒ監督の映画は、わたしには観るにあたいしないものだと思った。