ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-08-06(Sat)

 今日は土曜日で仕事も休みなのでのんびり寝ていると、ニェネントくんがわたしの寝ているベッドに跳び乗って来たので、目を覚ました。「ごはんの時間がすぎてるよ! 早く朝ごはんをちょうだいよ!」ということなのだ。時計を見ると4時だった(いつもはだいたい3時半がニェネントくんの朝食の時間なのだ)。
 「それはごめんなさい」といちど起き出して、ニェネントくんの朝ごはんを出してあげ、わたしはまた寝るのだった。

 今日は7時まで寝た。バナナでわたしの朝食をすませたりしていると、毎週土曜日のこの時間にエアチェックの予約がしてあるので、自動的にミニコンポの電源が入り、ピーター・バラカン氏ナヴィゲートの『ウィークエンド サンシャイン』が始まる。
 この日は毎年やっている、「50年前の音楽」の特集で、つまり1972年の音楽。いちおう全部聴いたのだが、あまりイギリスの音楽がかからず、どちらかというとアメリカの「ブラック・ミュージック」中心の選曲ではあったか。

 わたしは1965年から1968年ぐらいまではアメリカのヒットチャートを中心にポピュラー音楽を聴きあさり、1968年以降はいろんなアヴァンギャルドなロックや前衛音楽を聴くことにシフトしていった時期で、特に1970年ぐらいからあとは、なぜかイギリスのトラディショナル・フォークソングに夢中になってしまったわけで、いわゆる「メインストリーム」のヒットソングはほとんど聴かなくなってしまったわけだ。

 今日の「1972年特集」を聴いても、すべての曲は知っていて記憶していたのだけれども、聴いても心が動かないというか、それは当時そこまで思い入れもない曲だったせいか、やはりあの時期にメインストリームから自分の嗜好が外れていったのも無理ないことだったかな、などと思ってしまった。今日の放送で「やっぱりコレはいいな!」と思ったのは、ヴァン・モリソンスティーリー・ダンぐらいだったかな?

 実は先日、久しぶりにCDを買ったのだけれども、それは「SUMER IS ICUMEN IN」という3枚組CDで、副タイトルが「the pagan sound of british and irish folk 1966~75」というもの。いろんなミュージシャンの曲の混ざった、コンピレーション・アルバムである。

       

 「SUMER IS ICUMEN IN」というのは変な言葉だが、中世の英語で「夏は来たりぬ」という意味らしく、中世マドリガルを集めたアルバムに、同タイトルのものが散見される。一種「決まり文句」なのだろう。
 「Pagan」という言葉を知らなかったのだが、「異教徒」であるとか、「邪宗」とかいう意味があるらしい。ペイガニズムという言葉はよく使われるらしい。

 というわけでこの3枚組アルバム、要するに1966年から75年にリリースされた、イギリスの「トラディショナル・フォーク」と「ロック」のアマルガムというか、そこにサイケデリック風味も加わる。
 近年ではこの時代のそんなフォークを「アシッド・フォーク(Acid Folk)」などと呼んだりもしていたようだけれども、このアルバムはちょっと視野を拡げているというか、「ほとんどロック」という曲から、ものすごくオーソドックスな無伴奏歌唱まで含まれている。CD1枚にだいたい20曲、3枚で60曲。ミュージシャンにダブりはなく、つまり60組のアーティストの音が、サンプル的に楽しめる。

 わたしがこのCDを買ったのは、もう今では廃盤になっていて、入手しにくいようなミュージシャンの曲がけっこう含まれていたからだし、そういうオーセンティック(オーソドックス)な音を聴かせるミュージシャン、そしてもっとアヴァンギャルドな音のアーティストなどが混在しているのが面白かったし、中に今まで聴いたことがなく、聴きたいと思っていた曲やミュージシャンが収録されていたから。

 ま、このアルバムについてはもっと長々と書いてみたい気もちもあるのだけれども、実はまだ、寝るときにその1枚目を聴いているだけに過ぎない。
 しかしさすがに「異教徒」の音というか、寝ながら聴いていても気色悪くなってしまうのだ。けっこうわたしの知っているミュージシャンも多く、それらを単独で聴いていたときには、まさか「気色悪い」などと思ったこともなかったのだけれども、こうやって「Pagan」というコンセプトで集められたアルバムを聴くと、なんだかみ~んな気色悪くなってしまうのだ。
 もともとわたしがこういう、イギリスとかのトラディショナル・フォークにとりつかれたというのも、それがそれまで自分の知っていた「西欧音楽」というものから相当な距離があったがゆえで、なかには日本の民謡を思い起こされられるものもあったし、例えばインドや中近東の音楽とさいしょに親和性をあらわしたのも、そんな時代のトラディショナル・フォークだったりする(このアルバムにも、インドのシタールなどを使った楽曲がけっこう含まれている)。

 まだ1枚しか聴いていないからあれこれ言えないが、そもそもこのアルバムのジャケット写真(白い服を着た女性たちが踊っている)からして、しばらく前に観た気色悪い映画、『ミッドサマー』が思い出されてしまう(まあ『ミッドサマー』という映画、まさに「Pagan」を描いた映画だったわけだ)。

 実はちょうど、今の「旧:統一教会」のカルト的ありさまへの報道も読んでいて、そこで「ドイツでは<サイエントロジー>は<カルト教>とされている」との記事を読み、それはわたしが人生でいちばんハマった、好きなバンドのメンバーが<サイエントロジー>の信者だったりするわけで(このバンドもフォーク系で、実際のところ、この3枚組アルバムの中にそのバンドの曲も含まれている)、まあ以前から思っていたことだけれども、「あららら」という気分である(「音楽」~特にロック・フォーク系~と「宗教」のことは、時間があれば改めて書いてみたい)。
 そういう意味では、あのビートルズだって、インドにマハリシ師に会いに行ったときとか危うかったとも言えるわけで、今の時期考えることも多い。

 今日はいつもの日記らしくもなく変なことを書いてしまった。わたしの生活に戻って、夕食には久しぶりに「白菜とブロッコリーのクリーム煮」をつくった。
 ほんとうは、今日からとなり駅の映画館で「シャンタル・アケルマン映画祭」の3本目の作品が公開され始めていて、「行こうかな」とは思ったのだけれども、おととい『こちらあみ子』を観たばかりだし、この週は途中に祭日もあるので、その祭日の前の日にでも行こうかということにした。