ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-12-24(Tue)

 だいぶ体の調子の良くなってきたというか、身体の回復ぶりに比べて精神の回復が遅れていると思う。なんか、こういうときは<気分転換に>仕事に復帰した方がいいように思う。「明日からまた出勤します」と勤め先に連絡した。損保会社の保証を考えたら休んでいた方が得なようなところもあるのだが、休みつづけると失ってしまうものもあるだろう。そろそろ「社会復帰」とはいわないまでも、健全な生活にカムバックしたい。

 今日は昼から買い物に出、卵やバナナ、インスタントコーヒー、そしてキャベツなど買う。半額になっていたキムチを買ったが、これは帰ってから食べてみたらずいぶんとおいしいキムチだった。空に飛行機雲が縦に走っていた。

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 帰宅してから、YouTubeにあったFairport Conventionの歴史を伝えるドキュメント(1時間12分)を観た。もちろん英語で字幕なしだからわたしに聴き取れるのはわずかだけれども、ま、それなりにわかったというか楽しむことができた。
 そもそもがまず最初に、ゲストとしてだがDave Swarbrickがレコーディングに参加したとき、他のメンバーは「あんな大物が!」とビビったらしい。そのことがきっかけになってバンドは以降ブリティッシュ・トラッドのロック化の道を歩むけれども、そこでまずAshley Hutchingsが感化され、Cecil Sharp Houseに通い詰め、伝承歌やバラッドの世界にどっぷりハマってしまう。一方、交通事故によってドラマーのMartin Rumbleを失ったバンドは、あとがまにDave Mattacksを加入させるのだけれども、Dave Mattacksはそもそもジャズ畑の人で、「そもそもオレはフォークなんてまるで知らなくって、聴いたことがあったのはPeter,Paul & Maryぐらいのものだったんだ」と言っていた。
 このバンドの歴史とは、そういうメンバーの入れ替わりの歴史であって、Dave Swarbrickを正式メンバーに加えて傑作「Liege & Leaf」をリリースするけれども、そのあとにSandy DennyとAshley Hutchingsが脱退してしまう(その前にもJudy DybleやIan Matthewsが抜けたりしている)。Sandyはもっと自作曲をメインに自分の世界を歌いたくなったのだろうし、Ashleyは嵩じたトラッドへの思いが抑えきれず、バンドを抜けてSteeleye Spanを結成するわけだ。
 Ashleyの代わりにDave Peggが加入して、これまた名盤の「Full House」をレコーディングする。ここで突然にRichard Thompsonが「実はすっげえギタリストだった」ということを見せつけ、フォークのイディオムから解放されたDave Swarbrickはフリーフォームでジプシーヴァイオリンを思わせる音を聴かせるし、実はヴォーカリストとしても卓越した存在だということをアピールする。Dave Mattacksは「超絶」ドラマーだったわけだし(今でもわたしが一番好きなドラマーだ)、Simon Nicolは控え目ながらもすばらしいサポートを聴かせてくれる。新加入のDave Peggも、なんとベースでトラッドのダンス曲のメロディーを弾くなどということをやってのける技巧派だった。「フォーク・ロック」でありながらプログレ的な展開を聴かせるという、唯一無二の傑作が「Full House」だったわけだけれども、ここでバンドの大きなかなめであったリード・ギターのRichard Thompsonが、これまた「自分の道を究めるため」だろう、脱退してしまう。
 残った4人は、Swarbrickをメインに、リード・ギター抜きでやっていくわけで、このドキュメンタリーでは彼らの7枚目のアルバム「"Babbacombe" Lee」までの活動をドキュメントしていた(ま、このあとSimon NicolやDave Mattacksも脱退して、それまでの「厳しい音」は失われてしまうからね)。
 このドキュメンタリーは創設メンバーのAshley Hutchings、Simon Nicol、Richard Thompsonへのインタヴューをメインに、周辺のミュージシャンへのインタヴュー、珍しい写真やライヴ映像を取り込んだ興味深い作品だった。

 ‥‥おっと、ついついFairportのことになると熱くなってしまい、長々と書いてしまった。今日はクリスマス・イヴなわけだけれども、夜になって注文してあったDVD『国境は燃えている』が到着し、わたしへの良き「クリスマス・プレゼント」になった。

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 夜、寝ようとしてベッドに横になると、いつものようにニェネントがベッドに跳び乗ってくる。ニェネントをわたしの胸に乗せ、ニェネントのじゃまにならないように仰向けで本を読んでいると、ふいにニェネントがわたしの右ひじをペロペロとなめ始めた。こういうことはやらないネコなわけで、どうしたんだろうと思ったら、それはつまりわたしの右ひじは先日の事故で今でも痛む箇所なわけで、ニェネントはそんな人間にはないネコの能力でわたしが右ひじをケガしていることを知り、「あんた、ここケガしてるんだね。痛いんでしょ、なめて治るようにしてあげるね!」とやっているのだとわかった。ネコが仲間に示す「愛情」であろう。
 ニェネントがわたしのことを「仲間」と思い、「愛情」を注いでくれたのだと思いうれしく、「そうだ。明日はクリスマスだから、ニェネントにもこのお礼も兼ねて何かプレゼントをあげよう!」と思うのだった。
 さあ、明日は仕事に出よう。