ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-07-04(Sat)

 熊本で集中豪雨。かなりの被害が出ていて朝からテレビはその報道ばかりをやっている。ウチのあたりは曇天で雨は降っていないので、朝から洗濯をしたりした。外に干すとそれでもかなり風が強いようで、干した洗濯物がよれよれになってしまった。午後になってケータイに「このあたりも激しい雨になる」という速報が流れてきて警戒していたのだけれども、けっきょく雨にはならなかったようだった。
 一方でCOVID-19の感染者は連日増加しつづけ、東京はまた新しい感染者が100人を超えたし、周辺の神奈川、埼玉、千葉でも感染者が増えてきている。
 報道では、西村経済再生担当大臣は「もう誰も緊急事態宣言はやりたくない」と発言したらしいのだけれども、Yahoo!に出ているアンケート調査では83パーセントの人が「緊急事態宣言の再発令が必要」と思っているようで、内閣政府との考えの落差がはげしい。政府は経済活動の活性化を重視して「COVID-19を怖れずに働け!買い物しろ!」ということなのだろうが、国民は奴隷ではない。COVID-19対策を何も施さないで「いつも通りの生活をしろ」というのは「健康な生活をおくる」という国民の生活権利への侵害ではないのかと思う。おりしも今からは子どもたちも夏休みに入るタイミングだし、政府は「いかにしたらCOVID-19のまん延を抑えられるか」をちゃんと考えて実行すべきときだろう。このままでは日本はアメリカ合衆国やブラジルのようになってしまうのではないか。

 昨日からパトリシア・ハイスミスの『見知らぬ乗客』を読んでいるのだけれども、先に読んでいた『変身の恐怖』の吉田健一訳の「名調子」のあとでは、文章が読みにくくってしょうがなくって、意味をつかむのに苦労したりもする。わたしが読んでいるのは古い角川文庫版だけれども、今は河出文庫でも新訳で出ているようだ。やはり角川版での翻訳は不評だったのかもしれない。
 ネットで『変身の恐怖』の読者レヴューをみると、訳文への批判がけっこう書かれていて意外に思う。おそらくは「吉田健一初体験」ゆえのことだろうけれども、まあミステリーの読者はいわゆる文学書など読まないのだろう。

 郵便受けをみると、注文してあったハイスミスの『世界の終わりの物語』が早々と届いていた。これはハイスミスの最後の短篇集で、今はそれ以外の、ハイスミスが選んだのではない短篇集も出ているけれども、まあこの短編集がラストだ。
 梱包を解いて中身を見てみると、なんと解説をナボコフ訳で知る若島正氏が書かれていた。こんなところでハイスミスナボコフがつながるというのも意外だった。というか、わたしは今ナボコフの『ベンドシニスター』も注文していて、その本もいちど配達されようとしていたようで、郵便受けに「不在連絡票」が入っていた。

 今日は午後から、「GYAO!」の無料配信でヴィスコンティの『ルートヴィヒ』を観るのだった。4時間たっぷり、豪華絢爛たる映像を楽しんだ。わたしが映画を楽しんでいるあいだ、ニェネントはテレビの横のパイプ椅子の上で、わたしに鼻の穴を見せてくつろいでいた。

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