ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『木になった亜沙』今村夏子:著

木になった亜沙

木になった亜沙

 「木になった亜沙」「的になった七未」そして「ある夜の思い出」の短編3篇を収録。印象としてはどれも意外とストレートなファンタジーという感じで、今までの今村夏子の作品にあった、どこか不穏な感じは希薄になっただろうか(まあ「不穏」といえばやはり不穏なのだけれども、今までとちょっと趣向が異なる)。ただどの作品にもマイノリティへのシンパシーは読み取れる。
 しかし、「木になった亜沙」の後半の、どこかスッコーンと抜けたような展開は、やっぱり今村夏子の持ち味なのだろう。身体感覚もどこか奇妙だ。
 「ある夜の思い出」は、野良ネコとの出会いの回想だろうか。

 短いから、ちょっと時間の空いたときなどにペラペラと再読できるかな。
 ところで、『星の子』は映画化されたらしい。監督は大森立嗣だというから、期待しよう。