ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-04-23(Thu)

 Stay Home 17日目。体温は36.2度。
 ネットを見ていると、今村夏子の新作がこんな時期に刊行されたらしい。もう今はたいていの書店も休業しているのだが、我孫子駅の方にあるショッピングプラザの上の階の書店は、同じ階の100円ショップと共に今も営業している。午後から買いに行った。
 今村夏子としても、芥川賞受賞後の初の作品になるから、「ひょっとしたら平積みかな?」なんて思ってしまったがそんなことはなく、棚に1冊放り込まれていただけだった。まあ1冊でもあったことに感謝しなければならないが。

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 平日の午後にもかかわらず、書店にはポチポチとお客さんの姿も見かけられる。しかし「密」というほどのこともなく、開店していて問題もないのではないだろうか。今は図書館も閉館しているし、たいていの書店も休業中。こうやって開いている本屋さんがあるのはいいことだと思う。
 でも最近は、例えば居酒屋とかバーだとか、都や県から休業を要請されているような店が営業をつづけていると、脅迫めいたことをされるという。こういう、戦時下の隣組でもそこまではやらなかっただろうというようなことが自主的にやられているのが今の日本なのか。この書店だって、「ほかの書店は休業しているのになぜ営業しているのだ」とか非難されそうだ。
 「隣組」とかいうことであれば、ネットをみているとおどろくような話を読むことになる。それは医療従事者、およびその家族が忌避されるとか、配達運送業の方が配達のときにひどい扱いをうけるとかいうような話。もちろんCOVID-19に自分が感染しないための防御策なのだろうが、そこまで行くとあまりにエゴイスティックで、「そんなことをする人たちはいったいどんな生き方をしてきて、これからどんな生き方を選ぼうとしているのだろう」と思ってしまう。

 そういうのは何だか、つまりはこの「緊急事態宣言」という事態をあまりにセルフィッシュに解釈していないだろうか。例えばこの夕方も東京都の小池知事がスーパーマーケットの混み合っていることを問題にしていたが、「他人を犠牲にして生き延びる」サヴァイヴァル・ゲームをやっているわけではないのだし、他人との距離が保てないということに平気な人があまりに多い。
 先日、マスクを入荷した店でのマスクを売り出したときの混乱ぶりを写真で見たが、それこそ「押し合いへし合い」してマスクをゲットしようとしていて、ほんとうにおどろいた。そんな、あの中で誰かが感染していたらどうなるのよ、マスクをゲットするために皆がCOVID-19に感染したりしたらそれは悪いジョークだ。

 わたしもエラそうなことを言えるような人間ではないが、この世界的に拡がるCOVID-19のパンデミックで、わたしたちひとりひとりが考えることが別にあると思う。一日中テレビやパソコンにへばりついて情報を得て一喜一憂するようなものではない。そのことはまたいずれ書くかもしれない。

 相変わらず本を読む速度が遅く、というか2~3ページも読むと別のことをやりたくなってしまう。今はカミュの『ペスト』を読んでいるわけだけれども、これは休止して、先に今日買った今村夏子の新作を読む方がいいだろうか。