ちょっとばかり手前みそで書いておきますと、清水真理さんはわたしのやっていたイヴェント「crosstalk」にずっと参加していただいた作家さんでした。清水さんからはのちに、「crosstalk」に参加したことが自分にプラスになったというような言葉をいただき、わたし的にはうれしい思いをいたしました。清水さんも今はもう「大作家」です。
今回の展覧会、そこまでに広くはないフロアに区切りも設けずに多くの作品を展示しながらも、確固とした世界観を示されたすばらしい展覧会。
「球体関節人形」から出発されながらも、そこにとどまることなく独自のバロック的世界を展開される清水真理さんの、これはひとつ集大成的な展覧会ではなかったかと。
彼女の作品の魅力は、そこに単に「異形的形象」を現前させるにとどまらず、その奥に文化の中での「異端」についての深い知識と造形力に裏打ちされていることだと思う。特に今回の展示では「西欧キリスト教美術」への洞察が、観るものを感動へと誘うように思えた。素晴らしい展覧会だった。