ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『不思議の国のアリス展』@横浜・そごう美術館

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 『不思議の国のアリス』で展覧会を開くならば、キュレーターの手腕と予算次第でとても面白い展覧会にはなるだろうし、「いいかげん」にやろうと思えばいくらでもいいかげんな展覧会にもなってしまうだろう。そういうところで一抹の不安を抱きながら観に行った展覧会だった。

 全体を三つのセクションに区切り、さいしょのセクションが「アリスの誕生」で、ルイス・キャロルの紹介から当時出版された稀覯本の展示、ルイス・キャロルの描いた挿画や、テニエルによる挿画下絵の鉛筆画が展示されていてここは見ごたえがあった。しかし、次のセクションは、ほとんど無名の作家による「アリス」挿画が延々と並べられていて、これがまるで良くない。「こんなつまらない絵を観るために高い観覧料を払ったのではない!」と思う。最後のセクションはもうちょっと著名な美術作家らによる作品が並んでいて、古くはアーサー・ラッカムによる挿画から、シュワンクマイエルによる『アリス』のコラージュ作品などが並べられ、このコーナーはこのコーナーでいいかなと。

 関連イヴェントでは面白そうな企画もあったようだけれども、やはり、展示にもう一工夫ほしいと思わせられる展覧会ではあった。