日曜日。朝は５時半ぐらいに目覚めたが、すっかり体調がいい。昨夜の「かきあげそば」の効力だろうか。少し鼻詰まりを感じるぐらいで、咳きもないし、とにかく体が軽い。一気にここまでに回復するとも思っていなかったので、うれしい。この体調ならば今日は映画を観に行くこともできそうだ（今となり駅の映画館でやっているアルフォンソ・キュアロンの新作『ROMA/ローマ』を観に行きたかったのだ）。天候も春らしいおだやかな晴天で気もちがいい。
それで今日は千葉県の県議会議員選挙の投票日でもあるし、５月の国立劇場での文楽公演のネットでのチケット発売日でもあるし、「体調がいいのならがんばってみなさい」というイヴェントが並んでいる。本来なら図書館から借りている本の返却日でもあるのだけれども、これは無理して今日やらなくてもいいだろう。
映画は午前の１１時１０分一回だけの上映で、文楽のチケットの予約受付開始は１０時からなので、７時から始まる選挙の投票をいちばんにすませ、チケットを買ってそれから映画を観に行こうとの計画を立てた。昼食は映画のあとに考えよう。
まずは選挙の投票。ウチのあたりでは千葉県議会の議員選挙だけれども、全国的にも統一地方選挙であちこちで投票の行われる日である。もう衰退の道を転げ落ちていくこの日本だけれども、「まだまだ希望が」というところも感じさせられたい。そのためには棄権などとんでもない。
このあたりは＜市＞単位で定員２に対して３人の立候補者がいるわけで、つまり選挙でだれか一人落選するわけで、わたしなどは「誰それに投票して当選させたい」というより、「３人のうち、この一人を落選させたい」という気もちの方が強いので、「最高裁判所裁判官国民審査」みたいに、「ダメだと思う人には×（ばつ）をつける」というやり方でやってほしい！みたいな気分もある。
投票を終えて帰宅して、テレビをみていると１０時になる。文楽のチケットを予約するのだ。今回の公演は名作『妹背山婦女庭訓』を通しでやるので、おそらくはチケットの売れ行きも早いだろう。通しを全部観るには、午前中に始まる「第一部」と夜の９時までの「第二部」と両方を観ることになるのだが、一日のうちに続けて観るのが手っ取り早いし合理的なのだが、わたしにそんな体力の自信もなく、第一部と第二部とバラバラの日で観ようと思っている。それで、ネット上で希望日のチケットが買えなかったとき、「え～っ？ それではどうしよう？」とか、そこで考えたりしていたら、もうどんなチケットも買えなくなってしまう。先に「第二案、第三案」とかを決めておかないといけない。ま、今回はわたしが行けるのは５月の２４日２５日２６日の３日しかないから、決めやすかったのだが。
さて、１０時になったので、国立劇場のホームページの「チケット予約」へと行くのだが、すでにもう、２等席はほぼすべて売り切れになっている。予想したよりも激しい「チケット争奪戦」が繰り拡げられている。わたしも参戦するのだ。ほんとうは「２等席でいいや（というか、経済的に２等席にしたい）」と思っていたのだけれども、もう躊躇している場合ではなく、さっさと１等席で第一部、第二部と決めていく。結果として先に第二部を観て、あとの日に第一部を観ることになったがやむを得ない。
とにかくはチケットはゲットできたし、次はとなり駅に映画『ROMA/ローマ』を観に行く。ついでだから、今ゲットしたチケットの払い込みも終わらせてチケットを受け取っておこうと、コンビニでの発券サービスの払込票をプリンターでプリントアウトする。こんなことをやるのは初めてのことではあるが。
映画館はけっこう混み合っていた。この映画館ではこの下旬からゴダールの新作『イメージの本』の封切り公開があるわけで、この日その予告を観ることができた。ちょっとゾクゾクした。その中に「何一つ思い通りにならなくとも 希望は生き続ける」ということばが浮かび、それがゴダールの言葉なのかどうかわからないけれども、涙が出そうになった。
映画の感想は別に書くが、映画が終わって外に出て、ちょっと線路際の方に歩くと、そこにあるバラック風な居酒屋のそばの桜の木が、みごとな満開になっていた。桜の下でそこにある自販機で缶コーヒーを買い、桜の下で缶コーヒーを飲む。
まだ時間は２時前だけれども、（病み上がりだし）あとは家でゆっくりしようと思い、駅前で昼食として「ねぎとろのちらし」を買ってから帰宅した。
ねぎとろちらしを食べているとニェネントが寄ってきたので、ねぎとろからネギをよけて取ってあげた。ニェネントがねぎとろを食べるのは初めてのことだと思う。「大丈夫」だろうと思っていたのだが、食べてから一時間ぐらいしたら、ニェネントくんはぜ～んぶ吐いてしまった。‥‥そうか、ダメだったか。余計なものをあげて悪いことをした。ニェネントにはねぎとろはダメなのだ。覚えておこう。
夕食には「トマトシチュー」にしようかと、これはこのところずっと考えていたのだけれども、まあまだ風邪が癒えて本調子というわけでもないだろうし、こうやって回復したのも昨夜の「かきあげそば」が良かったのではないかと思い、今夜もまた「かきあげそば」にするのだった。
