今日は映画館に行くので、多少気もちが高ぶっている。今日の天気も薄日がさしている感じで、近ごろのように寒さを感じることもないようだ。仕事を終えてゆっくりと昼食を取って電車に乗れば、だいたいちょうどいい時間に目的のシネコンに到着しそうだが、そもそも、仕事の帰りに外食するということ自体がものすごく久しぶりのこと。
実はやはり、できるだけ外食というのはやりたくはないことだけれども、勤務先の駅前のバーガーショップなら席もゆったりしているし、本も読めるのでそこに決めた。この店はハンバーガーもポテトフライもけっこうおいしく、某有名バーガーショップ(以前食べてがっくりした)など問題にならないとは思っている。久しぶりの店内は隣席とのあいだに2席おきぐらいにアクリルのつい立ても設置されていて、まあわたしの行った時間はまだがら空きだったけれども、安心して食事ができるか。
食事を終えて電車に乗り、目的のシネコンのあるショッピングセンターへ行く。映画のチケットを買ってまだ上映開始まで30分以上時間がある。「先に映画のパンフレットを買っておこうか」と思ったのだが、シネコンのストアの前からは長大な列が延びていた。これはやはり今日から公開の始まるアニメ作品のグッズを買おうと並んでいる人たちらしい。何を買うつもりでも同じ列に並ばないといけないということ。どうも並んでも1時間以上かかりそうに思える。
あきらめて、いずれ買おうと思っていた「メガネがマスクで曇らないためのクリーナー」を買う。思ったより高価だった。あとの時間はロビーのイスに座って本を読む。
上映時間が近づいてシアターに入る。そこまでの混み合い方ではなくて、ちょうど客と客のあいだに1席ずつ空席ができている感じで、COVID-19感染対策をとっているのと同じみたいだ。
映画館で観る映画はやっぱり画面がデカいし、音も大きいのがいい。だいたい今の映画館の様子もわかったので、また映画館で映画を観たいと思う(まだ演劇などの舞台を劇場で観るのには抵抗がある)。
映画が終わってシアターを出ると、ストアへの列はまだまだ並んでいるのだけれども、映画を観る前よりは半分以下の人数になっていた。「パンフレットを買うために別の日に別の映画館へ行こうか?」などとも考えていたけれども、ここでがまんして行列に加わることにした。買うまでに20分ぐらい並んだ。
ショッピングセンターを出て、今日の新聞に蓮實重彦氏による今観た『スパイの妻』評が掲載されているのを知っていたので、コンビニに立ち寄ってその新聞を買う。コンビニで新聞を買うのは初めての体験ではないかと思う。
空には、秋らしいうろこ雲が一面に拡がっていた。
まっすぐに帰宅して、それでもニェネントの食事時間を少し過ぎてしまった。ウチのドアを開けると、「遅いじゃないかよ!」という感じでニェネントが出迎えしてくれた。
すぐにニェネントに食事を出してあげ、わたしはといえば「ハムエッグ」でのかんたんな夕食にして、ニェネントよりも質素な感じではあった。読んでいるナボコフの『マルゴ』も、『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集』も、もうちょっとで読み終える。