ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-01-16(Wed)

 今日も晴天。この地では日曜に雪が降ることもなかったようなので、昨年末からずっと、雨の降らない日がつづいていると思う。湿度が下がり、肌がカサカサになる。

 先日、森美術館の「カタストロフと美術のちから」展をいっしょに観た小曽根氏と、メールで論議を重ねた。ふたりは基本同じような考えで、第一部の「美術は惨事をどのように描くのか」には、美術展としてのインパクトは感じたが、第二部の「破壊からの創造」はヤバいんじゃないか、ということでも一致した。特に、今わたしたちが共同でやっている作業にからんで、(それは比較するのはおこがましいのだけれども)池田学の作品についていろいろと意見を交わし、小曽根氏からわたしのマックス・クリンガー嗜好とかについて、「リアリズムで押して細密描写でやりたいということでやれば、ああいう作品をライヴァルとしてやっていくことになるけれども、それでいいのか?」と言われ、わたしもそういうところで勝負したくもない(池田学と勝負したくない)わけで、やはり「リアルさ」を追い求めるのでは、今の潮流の「写真みたいだね〜」みたいなところで見られてしまうわけで、ま、わたしたちはそこまでの描写力もないわけだけれども、お互いに、「そういうところで勝負するのはよそう」というところで議論は落ち着いた。
 わたしも小曽根氏も、とにかくはさいしょに作品を発表したあとで落ち込んでいるわけだけれども、「早いうちに次の作業を始めよう」ということでは考えは一致した。それで、小曽根氏から「モノクロの安いものでいいから、プリンターが欲しい」という提案があり、わたしも「確かにねー」という気もちはある。‥‥とにかくは、デビュー作のことは早く忘れて、早く次の作業に移りたい。

 今日は胃の調子も良くなったけれども、夕食の準備とかもめんどうで、「こんなのでどうだ〜?」ってな感じで、いっぱいあるダイコンをいちょう切りにして、鶏肉といっしょに薄めた「めんつゆ」で煮込んでみた。‥‥むむ、決して「これはおいしい」などというようなモノではないが、そこまでにコテコテの味でもなく、「いいんじゃないの?」というような味だった。調理にほとんど手間もかからないし、「ひとりものの自炊」の味がして、どこか愛着を感じてしまう料理だった。

 夕食のあとはベッドに行き、図書館で借りた筑摩の「日本文學大系」の国木田独歩田山花袋の、国木田独歩の年譜を読む。どこかエリートコースのような、どこか歪んでしまったような妙な人物か。読んでいると眠くなり、と同時にニェネントが「かまってよ〜!」とわたしの上に乗って来て、けっきょくニェネントと遊んで、この日も終わるのだった。