ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2023-08-23(Wed)

 今年の猛暑、このところ新潟や山形でも気温が36℃とか37℃まで上昇し、熱中症が警戒されていたけれども、北海道もまた熱波に襲われ、今日は札幌でも観測史上最高値の36℃にまでなったというし、北海道全域で多くの学校が臨時休校されたのだった。昨日は室蘭に近い伊達市というところで、8歳の女子児童が体育の授業を受けたあと校舎に戻ろうとして倒れ、病院に搬送されたけれどもそのまま亡くなったのだという。おそらくは熱中症だったのだろう。

 このあたりも相変わらずガンガンに暑い日がつづき、昼間はとても外に出ようという気にもならない。それでも午後3時頃になって、外からは「ゴロゴロ!」と雷鳴が響いてきた。雷鳴はその一度だけだったし、窓の外は少し暗くなってはいたけれども、このあたりは雨にはならなかったみたいだ。

 今日はバナナとバターロールパンがなくなったので、3日に一度の北のスーパーへの買い物の日で、午後5時になって「もういい加減に気温も下がっただろう」と見越して買い物に出た。
 外の陽射しはまだ強かったが、吹く風が熱せられた体温を下げてくれるようでもあった。空を見上げると、その空のてっぺんあたりに、半分欠けた月の姿がくっきりと見えた。夏の昼間の月。

     

 この月はこれから日ごとに太っていき、この31日には8月で2回目の満月になるのだ。

 今日は高校野球の決勝戦、「慶応高校」対「仙台育英高校」が行われ、わたしもちょびっと見てしまった。決勝までの試合では仙台育英が圧倒的な試合運びをみせていて、去年も優勝した高校だしやっぱり「二連覇」かな、とは思っていたのだけれども、意外と(というと失礼だが)慶応がかなりの得点差で勝利してしまった。
 ただ、試合後に慶応高校の応援は「マナー違反」ではないのかという書き込みも、ネットに上がっていた。ブラスバンドを含めての応援の「音圧」も尋常ではなかったようだが、それが仙台育英の守備での選手間の声の掛け合いが聞こえないようなこともあったようだし、仙台育英選手のエラーにも大歓声、仙台育英のアウトにも大歓声という応援態度が「いかがなものか」といわれたようだ。
 終盤はある程度点差もついていたけれども、これがずっと一点を争うような展開だったとしたら、こういう応援マナーはもっともっと「勝敗に影響を与える」として問題にされたことだろう。今はプロ野球でも一部ファンの「暴走」応援は問題にされてもいるし、「応援」とは何なのか、しかと考え直した方がいいようにも思う。

 高校野球のあとはまたロブ=グリエの映画、『エデン、その後』をまずは途中まで観て、中断して買い物に出かけ、そのあと残りを観たのだが、途中にブレイクを入れると余計になんだかわからなくなってしまい、けっきょくまた最初っから観るのだった。

 寝る前にまたナボコフの『賜物』を読み、ようやっと第2章を読み終えた。
 この第2章は主人公のフョードルが昆虫学者であった父親の思い出を書くという内容だったのだが、昆虫学者のフィールドワークというのは、ちょうど今見ている「らんまん」での主人公の植物採集とそっくりなところもあって、そういうところでも面白く読んだ。
 しかしこの章は、フョードルを訪ねて来てくれた母親の話を「三人称」で書き進めながらも、フョードルが父を思い出す記述になると主語は「僕」の一人称になっていて、それがいつの間にか語り手は「父」に代っていて主語は「わたし」。父自身が自分の体験を書いているような体裁になっているのだった。
 このマジックのような「人称の移動」というのには面食らわされ、「あれ? いつの間にか<僕>が主語になってるぞ!」とページを逆戻りして確認し、それがそのうちにまた、主語は<わたし>になってしまうわけだが、書いているのはつまり「すべてがフョードル」なのだろう。その「人称の異動」からフョードルの「書く意識」の変化を読み取るのはとっても興味深いことだった。「さすがにナボコフ」、ではある。