ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2023-04-07(Fri)

 今日は国分寺てんかんクリニックへ通院する日。前回のように武蔵野線を使って、東京を遠巻きにぐるりと埼玉を回って西国分寺まで行き、ひと駅だけ逆戻りする経路で行こうかと考えていたが、先月JRや東京メトロの運賃がちょびっと値上げになったせいか、御茶ノ水でメトロからJRに乗り換えた方がちょびっと安くなっていたし(以前は武蔵野線経由の方が安かったと記憶している)、時間的にもやはりちょびっと、御茶ノ水経由の方が早く到着するみたいだ。それでウチの駅からそのままメトロ直通で乗って行き、新御茶ノ水駅でJRの御茶ノ水駅から中央線に乗り換えることにした。
 あともうひとつ、その御茶ノ水駅の近くにあるカフェ・ギャラリーで、この日から去年亡くなられた矢吹申彦氏の展覧会が開かれるというので、行くときには時間的にきついが、帰りがけにでも寄ってみたいとも思った。

 天気予報ではこの日の天候は荒れ、夕方には雨にもなるだろうというので、傘を持って出ることにした。クリニックの予約時間は午後2時で、家を出たのは11時半ぐらい。
 それで電車の中ではずっと本を読んでいたのだが、新御茶ノ水駅で電車を降りたとき、電車の中に傘を置き忘れたことに気づいた。気づいたときにわたしの乗っていた電車はまだホームに停まっていたのだけれども、そのドアはすでに閉まっていた。
 安いビニール傘なんかだったら、そこでもうあきらめてしまうかもしれないけれども、今わたしが使っていてこの日も持って来た傘は、もう20年以上も使っていて愛着があるし、けっこうしっかりした傘でデザインも気に入っている傘ではある。ここであきらめることは出来ない。
 出口の改札で、駅員さんに「電車の中に傘を忘れた」と届け出た。車両の中のどこに置き忘れたのかもわかっていたし、どんな傘だったのかもしっかりと伝えることは出来た。
 「忘れ物は乃木坂駅に届けられるので、取りに行って下さい」ということ。今すぐ行くわけにもいかないので「3時過ぎにまた来ます」と伝えて、JRに乗り換えた。

 クリニックに到着し、ほとんど待つことなく医師先生と問診。それでかんたんに問診も終わって診察室を出ようとしたら、先生がそこで「あなた、前回<突進歩行>の症状が出たとおっしゃられたのでしたね?」と聴いて来られ、そこからまたその「突進歩行」のときのことを話した。こういうことは前回の診察のときにお話ししていたのに、先生はすっかり忘れていらっしゃってたみたいだ。それで「脳波検査」や「血液検査」の話になり、「血液検査」は先日ウチの近くの内科クリニックで検査したばかりだとはなし、次回の診察のときにその血液検査の結果を持って来ることにし、その次回検査のとき、「脳波検査」も受けることになった。
 このときに初めて、わたしが「内科クリニック」で毎月診療を受けていることをはなし、先生にその内科クリニックの連絡先を伝えた。
 考えてみれば「内科クリニック」でもこの「てんかんクリニック」でも定期的に同じように「血液検査」をやっているわけで、クリニック間で連絡が取れれば一方の検査だけですむ話であった。わたしももっと早くに「内科クリニックで定期検診を受けています」と伝えておくべきだったか。

 診察を終えて処方箋を出してもらい、そばの調剤薬局で薬を処方してもらって帰路に着く。もう3時半ぐらいになっていた。空は曇っていて、けっこう風があるみたいだけれども、まだ雨は降っていなかった。でも、もう矢吹申彦さんの絵を観に行く時間はないな。
 新御茶ノ水駅で改札の駅員さんに問い合わせ、傘は無事に見つかって乃木坂駅にあるということだった。車内に傘を忘れたことを駅員さんに伝えたのも電車を降りてすぐのことだったし、まあきっと見つかることだろうとは思っていたけれども、やはり見つかってホッとした。

 乃木坂駅へ行き、改札で「忘れた傘が届いてるということですが」と聞くと、少し先に「駅事務所」があって、そちらで保管しているとのことだった。
 その駅事務所へ行くと、おそらくさっきの改札口の駅員さんから連絡が行っていたのだろう、もうわたしの傘を出して待っていてくれた。グッドな連携プレーである。というか、もう「東京メトロ」の悪口は言えないな。お世話になりました。ありがとうございました。

     

 自宅駅に到着するともう6時に近く、ニェネントくんのいつもの夕食の時間より1時間以上遅くなった。「ニェネントくん、さぞご立腹のことだろうな」と、ちょっと早足で家に向かった。風はいっそう強くなっていて、ついに雨も少し降り始めていたが、傘をさすと風で飛ばされそうになる。けっきょく傘はささずに家に帰った。何のことはない、傘を持って出かけたというのに、ただ愛用の傘に「乃木坂駅」までの旅をさせてあげただけのことだった。

 ウチに到着して鍵を開けてドアをあけると、待ちわびたニェネントくんがわたしが鍵を開ける音を聴きつけて、三和土のところまで降りて来て待っていたのだった。
 やあ、ごめんごめん。予定ではあなたのいつもの食事の時間には帰って来れると思っていたのだけれども。