ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-02-26(Wed)

 <発情期>の終わったはずのニェネントは、それでも夜中にわたしの上に乗っかって遊んだあと、ベッドから跳び下りて行ってから、部屋中を徘徊し、リヴィングで「にゃあ、にゃあ」と咆哮を繰り返している。
 ‥‥これは、わたしには判断不能なところがある。表面的にみれば、「わたしはもっとあのオヤジと遊んでいたいのに、出来ないんだよね! なんてことよ!」という風に受け止められる。まあ別にわたしはニェネントを拒んでいるわけではないから、それは「ニェネントの誤解だ」とも思うのだけれども、こういうところのニェネントのメンタリティというものには、わたしの理解は届かない。
 そうやってひとしきり彷徨して咆哮したあと、またわたしのベッドのところにやって来て、わたしの上にのっかって「満足、満足」みたいにやるわけだが。

 今朝の通勤時に、ちょっとした「事件(トラブル)」があった。わたしの乗った電車が湯島駅に着いたあと出発せず、車内アナウンスで「先行電車が新御茶ノ水駅でホームドアの点検をしているので、遅延しています」ということ。いつまでも出発せず、車内では先と同じアナウンスが繰り返されるだけ。
 って、「ホームドア」というのは、駅のホームに設置してある、乗客が線路に侵入するのを防ぐためのドアではないのか? それがちゃんと動かないからといって、「最優先」されるべき電車の運行を遅らせていいのだろうかと思う。もしかしたら駅のホームドア全体が動かなくなったのかとも思ったが、そのうちに「先行電車は客を全員下車させ、回送電車として先に進めることになり、直にこの電車も運行を再開します」という。つまり乗客は降りることはできるということで、ホームドア全体が開閉しなくなったということではないようだ。ではなぜ電車がストップするのか? それでつまり「前の電車に乗っていた乗客が全員、わたしの乗っている電車に乗ってくるわけか!」と、それは「満員スシ詰め電車」になるのか?と危機感を持った。
 しかしそのあとも進展がないまま待たされ、電車がストップしてそろそろ30分も経とうというところで急に、「この電車は回送電車としてこの先に進まず、お乗りの乗客の方はこれより先に進めません!」などというのである。さっき言っていたこととまるでちがう。‥‥それだったらもっと早く言ってくれれば、対処の仕方はあったのにとは思うのだが、とにかくはストップしたというのだからしょうがない。これは御徒町駅まで歩いて、JRを利用するのがいいだろう。メトロの銀座線の上野広小路駅日比谷線仲御徒町駅も歩いて行けるが。
 電車に乗っていた人は皆電車から降り、改札を出る。窓口に行って「振替乗車券」をもらおうかと思ったが、窓口にはすでに長い行列ができていて、並んでいるとさらに時間がかかりそうだし、JRに乗り換えても大した負担でもないから、そのまま御徒町駅に向かうことにした。改札の外では降りた人たちが集まって駅周辺の地図を眺めている。「どうしようか」考えているのだろう。「御徒町駅まで案内しますよ」とか声をかけたくなった。
 外に出ると、タクシーを拾おうとしている人が目立つ。わたしと同じように御徒町方面に歩く人は、意外とまるでいない。まだ暗く、人のいない上野界隈は歩いていて新鮮な感覚で、「楽しいじゃないか」とも思ってしまう。
 5分も歩くと御徒町駅で、ホームに上がるとすぐに電車が来た。この時間、山手線は千代田線よりも空いている。乗り換えの秋葉原駅でもすぐに電車に乗れ、勤務先に到着するとせいぜい5分ほどの遅刻だった(普段から、始業20分以上前には到着する電車に乗っている)。ただ、JR車内で電車の「運行状況」をチェックすると、なんと、「ストップしていた千代田線は6時10分ごろ運転を再開しました」と出ている。6時10分ごろというのは、「この電車はここから先には進まず回送電車となります」と告げられた時間ではないか。どういうことなんだといぶかったが、まあ普段は体験しないアドヴェンチャーを体験できたわけだから、「たまにはこういうのもいいね!」などとは思うのだった。

 仕事を終えての帰り道、自宅近くのラーメン屋の駐車場を突っ切って歩いていると、地面に裏返った「缶バッジ」が落ちているのを見つけた。「まさか!」と思って拾い上げると、それはまさに昨日わたしが紛失した缶バッジだった。もうすっかりあきらめていたので、こうやってまた再会できたことを喜ぶ。おそらく車にひかれたのだろう、ぺしゃんこにはなっていたが、幸運。うれしい。

 帰宅して、昨日買った書棚ラックを組み立てた。組み立てていると例によってニェネントが寄ってきて、「ねえねえ、何やってるの~」と興味を示す。
 30分ほどで完成。ほんとうはもうちょっと大きなものが欲しかったが、この値段を考えたらいい買い物だった。見てくれも悪くはない。まだ寝室の方に空きスペースはあるので、間に合わなければ同じものをもう一つ買うというのもいい。

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 今日は昼食も夕食も昨日つくったカレー。今までつくったカレーで最もおいしくないカレーのひとつだ。まだまだ残っている。
 寝るときは蓮實重彦の『映画論講義』を読み、特にジャック・ロジエの『アデュー・フィリピーヌ』にふれた項を楽しく読んだ。おそらくわたしはこのエッセイは昔読んだことがあるのだと思う。
 「この映画には、ぜったいに見逃していただきたくないシーンがありますので、そのシーンまでは眠ることなくがんばって起きて画面を観続けて下さい。ちなみに、そのシーンはラストシーンです。」