ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-02-25(Fri)

 ウクライナに侵攻したロシア軍は、ウクライナの首都のキエフに迫っているという。テレビでは現地の緊迫した映像も見られるようになった。それでYahoo!でのニュースをみていると、そのコメント欄(いわゆる「ヤフコメ」)は、「日本も早急に憲法第9条を廃棄して核武装すべきだ」という声にあふれている。ロシアの次のターゲットは「北方領土」だし、中国にしても台湾の次は「尖閣諸島」へ侵攻するだろうというのだ。

 わたしはしばらく前に「ウクライナ情勢」についてネットで検索していくつかのコラムを読んだのだが、その中のあるコラムニストは「(それでも)世界の潮流は<民主化>の方向に進んでいるだろう」と書かれていたのだけれども、最近の日本を含む世界の動向から、どうもわたしにはとてもそうは思えない。

 わたしの若い頃は「世界は第二次世界大戦への反省、そしてそのあとに引きつづく東西冷戦への反省から、それは皆<世界平和>への希求を持ち、例えば『一九八四年』的な世界に陥らないように努力している」という思いを抱いていて、地域的な紛争はあっても、けっきょく世界は全体として<民主化>への道を歩んでいるものと思っていたのだった。
 しかし、中国で習近平が総書記(国家主席)になったとき、「この人物は毛沢東以来いちばんヤバいのではないか」とは思ったし、現実にこの1~2年の中国の動きは全体主義的な「独裁国家」の道を選んでいると思う。そのことにつづいて、今回はロシアのプーチンも自らの「圧政」を世界にあらわにした。
 去年はミャンマーでの軍部によるクーデターもあり、それまでの「民主化」への動きは「無」にされてしまった感がある。香港でも中国からの政治的干渉で「民主化運動」は抑圧されることになった。

 日本でも、去年の衆議院選挙で、実は自民党よりも右側の本性を持っている「日本維新の会」が議席を大きく伸ばし、立憲民主党は「敗北」したし、今はかつてないほどに国内に「反共」ムードが流れている。そもそも、今では政権与党が決定する国の進路に反対意見を述べることは、それだけで「反日」と排斥される。そして例えば去年の黒沢清監督の『スパイの妻』なども、そういう筋では「反日映画」とレッテルを貼られるのだ。
 そのような日本国内の<反動的>空気を後押ししているのが、Twitterであったり、Yahoo!Newsであったりすると思う。わたしはそういう空気を嫌ってTwitterはやめてしまったので、今はどうなっているか知らないけれども、Yahoo!Newsのコメント欄は相変わらずひどい。
 今のヤフコメで<嫌韓>がはびこっているのは明らかにYahoo社の責任というか、Yahooはそういう<嫌韓>思想を援護している。
 ヤフコメの問題をもう少し書くと、「表現の自由」を曲解してレイシズムを遂行するコメントはあまりに多いし、「人権擁護」の声に対しては、「<権利>を主張する前に<義務>を果たせ」というテンプレート的攻撃発言にあふれている。習近平が聞いたら大喜びしそうで、「日本はわたしの同胞だ」と言い出しそうだ。
 しばらく前の「表現の不自由展」に対するヤフコメによる攻撃も尋常なものではなく、先に書いた「反日」と合わせて、そのような「反日」行為に我々の税金を使わせたくはないという批判にあふれた。
 この「自分たちが納めた税金」というのも彼らのテンプレート思考で、そのことが生活保護受給者への攻撃につながっているし、あげくは収監された収監者に自分たちの税金を使ってほしくないという声になる。そのことは「死刑判決」を求める声にもなっているのか。そこには、犯罪者が収監によって更生することなどありえないという浅はかな思考もある。
 また、未成年者の犯罪に対して「実名を報道しろ!」というコメントも毎回おなじみのこと。実名が報道されるとヤフコメ諸氏の一部は、そんな犯罪者の家族への攻撃をも始めることになる。

 先に書いたように、今回のロシアによるウクライナ侵攻で、ヤフコメ諸氏は「日本も軍備せよ!」「核装備せよ!」の声にあふれかえっているのだけれども、この広くはない国土に原発施設の密集している国で、どれだけ軍備して核装備して相手を攻撃しても、その次の瞬間には反撃され、日本は消滅してしまうだろう。例えばロシアや中国のような強力な軍備を持った国に対して、その反撃を避けれるような攻撃は不可能である。
 いちおう言っておくと、ロシアがウクライナに侵攻したのはウクライナが「旧ソ連」の同胞だという意識があってのことであるし、中国が台湾を虎視眈々と狙うのも同民族だからゆえのこと。そのことを「内政」という言い逃れはやるだろう。しかし、もしも仮にロシアや中国が今の日本国という領域に攻撃を仕掛けるならば、それはもう異民族への攻撃という「世界大戦」であり、「エンド・オブ・ザ・ワールド」なのである。「そんなときにアメリカは日本を助けてはくれない」とヤフコメ諸氏は書くが、「だから日本も軍備を!」などというのは、いまだ「日露戦争」や「日中戦争」のときの幻想に酔っておられるのだろう。

 ‥‥長々とつまらないことを書いてしまった。今朝は、出勤でまだ真っ暗な駅のホームに立つと、目の前の夜空に三日月が浮かんでいるのが見えた。カメラを取り出して撮影してみたが、手がぶれて画面の真ん中には持ってこれなかった。

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 通勤電車の中とかで読んでいた、シャーリイ・ジャクスンの『鳥の巣』をいちおう読み終えたのだけれども、どうもシャーリイ・ジャクスンの小説というのは「再読」を即されるようで、前に読んだ『処刑人』も二回読んだのだけれども、この『鳥の巣』も、またもう一回読むことにした。

 先日、金井姉妹のむかしの鼎談集を読んで、大岡昇平氏という人が改めて魅力的だなあとも思っていたのだけれども、今、「GYAO!」の無料配信映画に大岡昇平氏原作の『事件』がアップされていたので、観てしまった。それでやっぱり、大岡氏の「成城だより」を読もうかな?と思うのだった。

 昼食はつくるのもめんどうなので、しばらく前に駅前のスーパーで買ってあった「獄激辛にんにく焼きそば」というカップ麺を食べてやった。これは30円で売られていたので「まあ、モノは試し」と買っていたのだけれども、店の人に「めっちゃ辛いから、ソースは半分にした方がいいですよ」と言われていたモノ。言われていたように、ソースは半分しか使わなかったのだけれども、それでもめっちゃ辛い。涙が出てきて「もうやめようか?」とも思ったが、何とか完食した。何も考えずにソースを全部使ったりしなくってよかった(四分の一でもよかったか?)。
 夕食は、しばらく前につくって食べた「ブロッコリーとかまぼこの和えもの」というのがすっごくおいしかったものだから、先日またかまぼこを買ってあって今日も再トライした。おいしかった。もう、ブロッコリーだけを主食にして生きていこうかとも思うぐらいだ。