昼ごろから雨になるという天気予報で、気温もけっこう上がるという。早朝に起きて出勤の準備をしていると、どうも外で雨だれの音らしいのが聞こえてくるようだ。外はまだ真っ暗なので窓の外を見てもわからない。今日は燃えないゴミを出す日なので、出すごみを持ってドアを開け、ゴミ収集場に行ってみると道路はしっかり濡れていて、弱い雨が降っていた。
時間になって家を出て駅まで歩く。傘はささなくても駅まで行けるかと思ったけれども、少しずつ雨脚も強くなってくるようで、けっきょく傘をささざるを得ないわけだった。久しぶりに傘を使った。
予報よりも早くに雨が降り出したわけかと思ったが、勤め先に着いてみるとまるで雨など降ってはいないのだった。それで仕事中にも雨にはならず、仕事を終えて帰るときにもまだ雨は降りださなかった。
自宅駅に着いて家への道を歩くと、いくらか風が強い。空には黒い雲が風になびいてぐんぐんと動いているのが見える。
仕事の帰りに駅前のスーパーに立ち寄って、「おでんセット」などを買い、今日の夕食は久々に「おでん」にする。冷蔵庫にあったダイコンやジャガイモなども、買ったセットにプラスしようと思い、先に下ごしらえで熱を通しておこうと思ったのだけれども、ここで、昨日使ってみたらちゃんと動いてくれた今の電子レンジを、また使ってみることにした。
どうもわたしはこの調子の悪い電子レンジ、タイマーで特定の時間に合わせたときはちゃんと動作するのではないかという気がするようになった。それは「６分３０秒」というタイマー時間なわけで、今日もまずはダイコンをその６分３０秒でタイマーをかけたのだが、思った通りにこれがちゃんとレンチンできるのだった。続いてジャガイモもやはり６分３０秒でやり、こちらもＯＫだった。ひょっとしたらこの仕事が、この電子レンジの最後の仕事になるかもしれないな。
もう明日にも新しい電子レンジが届くので、せっかくある程度はちゃんと仕事をすることがわかっても、もう手遅れである。今の電子レンジはもう来週にも廃棄することになると思うけれども、延々と２５年以上使いつづけ、１０回ぐらいのわたしの転居にいつも付き添ってくれたこの電子レンジ、今まで一度も「記念写真」とか撮ってあげることもなかった（あたりまえ）。それでさいごに、「この電子レンジを２５年以上使ったのだ」という記念の写真を撮った。今までどうもありがとう。お疲れさまでした。
ダイコンとジャガイモなどをプラスした「おでん」は相当の量になり、この夕食だけでなく、明日の昼食も夕食もこの「おでん」になることだろう。
昨日今日と、通勤時間とかに読んでいる『ユリシーズ』のかたわらで、先日買った乗代雄介の『旅する練習』を読み始めている。短いものだから明日には読み終えることだろう。残念ながらわたしが期待したような、わたしが今読みたいような小説ではなかったようではある。ちょっと選択に失敗したみたいだ。
夜寝るとき、いつものようにニェネントがベッドに乗ってくることがなかった。「どうしたのか」と見てみると、ベッドの下で丸くなっているのだった。これはひょっとしたら、この日は気温が上がったためなのではないかと思った。ニェネントがベッドの上にやって来るのは寒い時期のことだけで、暖かい季節には暑苦しく感じるのか、夜わたしとは遊んでくれなくなってしまうのだ。そういう季節が近づいてきたのかと思う。ちょっと寂しい。
