ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-02-14(Thu)

 読んでいる高橋源一郎の「日本文学盛衰史」で、著者の高橋源一郎氏の「胃潰瘍」〜緊急入院の場面になり、それがもちろん夏目漱石の「修善寺の大患」と比されるのだけれども、それは読んでいるとどうしても、わたしの10年ほど前の「十二指腸潰瘍〜穿孔」体験を思い出させられてしまう。
 むかし、何かのエッセイ(マンガだっただろうか?)で、老人たちが集まって、「自分が患った疾病こそが<世界一>痛かった」という<比べっこ>を皆でやる、というのを読んだ記憶があるのだが、わたしはですね、そんじょそこらにわたしの患った「十二指腸潰瘍〜穿孔」以上に「痛い!」という疾病があるとは思えない。まあ、「痛い病気のベストスリー」には入るヤツだとは思う*1。のちに別の病院へ行って「既歴病歴」で「十二指腸潰瘍~穿孔」と書いたら、「<穿孔>までやったのですか!」と、尊敬されたこともある。
 わたしは夏目漱石のように<喀血>もしなかったし、高橋源一郎のような「タール便」の記憶もなかったけれども(多分、けっこうあったのだろうけれども)、それは一気に来た。とにかくは夜食のあとに文字通り<七転八倒>の痛みに襲われ、自分で119番に電話した。迎えに来た救急車に乗って症状を話し、とにかくは「胃潰瘍」か「十二指腸潰瘍」だろうということになって病院に搬送されたが、痛みが出たのが食事の直後ということで、検査の結果「穴あいてるね」ということで、「腹膜炎」でもあったわけで、即時の治療もできなかった(食べたものが開いた穴から外に漏れ出てるのだ)。それで、食後から24時間の時間をおいて「開腹手術」した(腹を縦に30センチぐらい切った。「切腹」である)。なんとか治癒の方向に向かったが、医療技術の発達していない時代だったら、わたしはきっとそこで死んでいたことだろう。
 「胃潰瘍」、「十二指腸潰瘍」(基本は同じようなものだが)の原因、そういう悪さをするのは「ヘリコバクター・ピロリ菌(すっかり、その名前も覚えてしまった)」のせいで、たいていの人の胃の中にはその「ピロリ菌」が棲息しているらしい。それがストレスとか山積してしまうと暴発する。つまり「胃潰瘍〜十二指腸潰瘍」の原因になる。わたしは、その治療〜入院期間中に体内のヘリコバクター・ピロリ菌を撲滅してしまったので、今では「暴飲暴食、ドンと来い!」という体質になってしまっているのだ。しかし、あの「十二指腸潰瘍~穿孔」の痛みの強烈さは、今でも忘れることはない。夏目漱石も、高橋源一郎も、そうとうに痛かったのだろうか?

 今日は「ロブ=グリエ レトロスペクティブ」4日目。「快楽の漸進的横滑り」と、タイトルからしてヤバい。しかしながら、この日が映画館内の女性客の比率がいちばん高かった。
 今週はずっと、こうやって夕方からロブ=グリエ映画を観続けているのだけれども、生活リズムで<好影響>と思えるのは、映画を観終えて帰宅しても19時はとっくに過ぎているわけで、それから食事の準備をして食事を終えると20時を過ぎてしまうわけで、「もう寝よう」というのは21時とか過ぎてしまう。わたし的には、このくらいの時間配分/スケジュールの方が<正常>だとは思っているので。
 

*1:尿道結石」も、けっこう痛いらしいが。