ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『アニエスによるヴァルダ』(2019) アニエス・ヴァルダ:監督

 この映画は、アニエス・ヴァルダの最晩年の作品、というよりは、劇場での彼女の自作についての講演、彼女の「アート」のジャンルでのインスタレーションの紹介であって、アニエス・ヴァルダがこの映画を「自分の作品」と思っていたかどうかはわからない。特にその演出において、そこに「彼女らしさ」があるとも思えない。

 前半は劇場において、聴衆を前にしてそれまでの自分の映画作品を語るセクションで、後半はニューヨーク近代美術館MoMA)の協力で製作された、彼女のインスタレーション作品について。

 わたしとしてはこの映画を観て語ることもあまりないのだが、彼女の「ナイーヴ」とも思えるインスタレーションを面白いと思うこともなかった、ということだけ書いておこうかと思う。ただ、そのキャリアの最後には、「写真家」としての彼女が「映画作家」としての彼女と統合されたのかな、などとは思ったが。