とりあえず、まだ上巻を読み終えただけなので、ちゃんとした感想は下巻まで読み終えてから。
著者のヘルベルト・ヴェントはドイツのライターで、特に「動物学」の専門家だったというわけではないようだ。原題は「Auf Noahs Spuren」で、「ノアの足跡をたどる」とかいう意味らしい。この本はのちに『世界動物発見史』というタイトルで再刊されるわけだけれども、これはあくまで「西欧」から見た「発見」であり、現地の人たちすれば、大昔からそんな動物のことはよく知っていたケースが多い。
それと、単に西欧人が「新しい動物を発見した」というにとどまらず、西欧人がいくつもの動物を「絶滅」させた歴史でもあり、読んでいても悲しい思いにとらわれてしまう。
今もなお、この地球上の動物たちの中には「絶滅危惧種」として保護される種も多く、もう残る数が千頭未満でしかないという種がたくさんある。それでもなお今だに、そのような「絶滅危惧種」への密猟は相次いで継続されている。
もう、この本に書かれているような、人間の手による「動物の絶滅」を行ってはならないとは強く思う。