ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-07-23(Sat)

 土曜日は、起きてしばらくリヴィングでまったりし、トーストで朝食を食べたりしていると、そのうちにオーディオに自動的に電源が入り、毎週録音予約してある「ウイークエンド サンシャイン」がはじまる。この朝は「テキサス・ブルース」の特集があって、そういう古いブルースが部屋に流れると、部屋の中の空気がセピア色に色づくように思える。でも、こういうのは「昼下がり」の時間になってからの方がいいな。休日の朝からこういう音楽が流れると、その日いちにち、やる気がなくなってしまう気がするのだ(まあ、どんなことがあろうとも、わたしには「やる気」はないのだろうが)。

 音楽のことで書けば、先日ネット(ヤフーのニュース)で、マグナス・ミルズという作家の『鑑識レコード倶楽部』という本の存在を知り、何だかみんなで持ち寄ったレコードを聴くだけの話みたいなのだが、どうせこういうのはメインは「60年代ロック」なんだろうと思ったらその通りだったし、「次はこの本を読もうか」とポチッていたのが、この日に到着した。ちょうど昨日『ポオ小説全集2』を読み終えたところだから、明日からは通勤にこの本を読もう(薄い本だから、ヘタしたら一日で読み終えてしまいそうだが)。

 今日から、となり駅の映画館で「シャンタル・アケルマン映画祭」が始まる。まあ一週間に一本ずつ上映するだけなのだが、とりあえずわたしの「夏のイヴェント」として、全作品観てやろうと思っているわけで、その初日のこの日も観に行きたい。
 上映は16時55分から1回だけなので、それまでの時間はまた「まったり」と、昼寝をしたりしながら過ごし、「そろそろ出かけなくっちゃな」という時間になって、「行きたくないな」という気分がわたしを覆う。
 もちろん、ここで行かないですませるとあとで強く後悔することにもなるわけで、自分を鼓舞して着替えをしてドアを開けて外に出る。

 駅まで歩くと、駅の近くの、今工事中の空き地の中で、二羽のカラスが並んで仲が良さそうだった。

     

 映画館到着。上映室の中はせいぜい20人ぐらいのお客さん。まあこの映画館は「営業本位」ではないからいいのだ。この映画館はたいていはわたしのような年寄りのオヤジの客が多いのだが、この日はけっこう若い女性のお客さんが多かったようだ。さすがシャンタル・アケルマンだと思う。

       

 あとで映画の感想は別に書くつもりだけれども、先に今日観る映画の情報はまるっきし読まなかったおかげで、とても楽しく観ることが出来たと思う。こういうのは微妙で、事前に映画の内容をある程度知っていた方が楽しめることもあると思うし、この日のように、「まったくどんな映画か知らない」状態で観て楽しめる時とがあると思う。

 映画が終わって6時半ぐらいだったけれども、外はまだまだ明るいのだった。
 わたしの普段の生活では、この夕暮れ時に外を歩くということもまるでないので、自分の感覚では午後も5時を過ぎれば「真っ暗」だろう、みたいな感覚ではあった。それは「冬」のことだ。

 「今日の夕食は何かお弁当を買って帰ろう」と、映画館の近くの、(ちょっと高級な)スーパーへ寄ってみる。
 この日は土曜日で、しかも「土用の丑の日」なわけで、スーパーには「うなぎ」のお弁当がいっぱい売られていた。わたしも「こういう日ぐらい<うなぎ>を食べますか!」とは思ったのだが、そんな「うなぎ弁当」を手に取ってレジへ向かうとき、パッケージとしては同じ大きさなのに「うなぎ」の半額よりずっと安い「牛肉」の弁当が2割引きで並んでいるのを見て、それは「わたし」のことだから、「牛肉弁当」に選び替えるのだった。

 自宅駅に戻り、「野良ネコ通り」を通って行くと、いつもネコたちはいない道路の向かいの畑の奥に、一匹ネコがすわっていた。「ありゃあ誰だ?」と思うのだが、遠いし、こっちを向いてくれないからはっきりとはわからないが、まず間違いなく「ハナクロ」くんだろうと思う。ずいぶんと久しぶりにその姿を見る。

     

 帰宅して、買って帰った「牛肉弁当」を食べたのだが、思ったよりもあっさりした味だった。ちょっと期待外れ。こんな日は「うなぎ」を食べても良かったかな、などとは思ったのだった。