ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-04-13(Tue)

 早朝いつものように家を出て、駅に近づいてポケットを探ると、定期を入れた財布がなかった。ウチに忘れてきた。いっしゅん、定期なしで勤め先に行けないだろうかなどと考えてしまったが、財布がないからムリである。ウチに取りに戻るしかない。思うのは「はたして次の電車が15分後なのか20分後なのか」ということで、15分後に次の電車が来るのなら相当に急がなければならない。20分後ならまあ多少は余裕もあろう。とにかくは早足でウチに戻り、出直す。駅まで1往復半。朝から重労働である。
 まあいつも多少は余裕をもって家を出ていることもあり、次の電車はけっきょく20分後だったりで、かなり次の電車まで余裕で駅に戻ることができた。

 以前の一時期は、この20分あとの電車で通勤していた時期もあったわけで、その電車に乗ってみると「あ、この人、知ってる!」というような、なつかしい人の顔を見ることにもなった。
 今でも、毎朝同じ電車に乗る人たちに「なじみの顔」は多いし、そこまでに時間帯的に混み合ったラッシュでもないから、「今朝はあの人はいないな」とか、「いつも向かいに座るおじさんは、なぜかだんだんにマスクがずれてきて<鼻マスク>になっちゃうんだよな」とか、いろいろと人間観察もする。いつの間にかいなくなってしまった人もいるし、「最近この方も毎朝乗ってくるようになったな」とか。今朝はわたしもいつもの電車に乗らなかったから、いつもの電車に乗る人は、「あのいつもの人、今朝はいないな」とか思ってたことだろう。

 とにかくは、今日は遅刻ではないにせよ始業が20分遅れてしまったので、けっこうハードだった。
 今日は午後から雨になるという予報だったが、わたしが仕事を終える頃にまずはひと雨来た。「ずいぶん早いなあ」という感じだったが、仕事を終えて帰るときにはもう晴れていた。空はあちらに濃い黒い雲、こちらは青空と、かなりのパッチワークになってしまっている。自宅駅から帰るとき、跨線橋の上から空を撮ってみたけれども、このカメラ、今の状態だと色彩はクリアに撮れるようでも、空の雲の濃淡とかいうのがうまく撮れない。こういうところは前のカメラの方がリアルな写真が撮れたようだ。デフォルト設定をいちど見直してみないといけないだろう。

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 その跨線橋を渡ったところで「これは確かにツバメだ」という鳥が、道路に沿ってちょっと低く飛んでいるのを見た。やはり今日は雨になるから低く飛んでいるのかと納得したが、どこにも止まらないでスッと飛んで行き、また引き返して来たけれどもすぐに姿が見えなくなった。写真を撮ろうにも何も、ずっと飛びつづけている鳥を、わたしごときが撮影もできるわけがない。ただ見送るだけだけれども、「やはりツバメの飛ぶ季節になったか」とは思う。
 前にツバメらしい鳥を見たのは3月26日だったけれども、調べてみるとまさに、このあたりにツバメが飛来してくるのは平均して3月25日ぐらいのことという。日本で見られるツバメの数は年ごとに減少しているそうで、この千葉県でも今では「一般保護生物」とされているそうだ。今日見たツバメも、このあたりでちゃんと営巣できる場所を見つけて、ヒナを育てられるといい。そしてそんな子育ての写真をわたしに撮らせてほしい。

 帰宅してしばらくしたら、郵便物が届いた。日曜日に注文してあったトマス・ピンチョンの『メイスン&ディクスン』の上巻だった。ずいぶんと早い(書店に注文するよりもはるかに早いから困ってしまうのだ)。開封してみると完璧に新品、美本だった。これで半額以下で買えたのだからうれしい。
 さらに夕方になってまた配達があり、今度は下巻が届いた。こちらも開封すると同じく完璧な美本だった。
 上下巻同時に注文したのだけれども、注文したマーケットプレイスが別の店だったし、同じ郵便でも上巻は「定形外郵便物」、下巻は「レターパック」での配送だったので、同時に配達されるのではなく、配達担当がちがう人になったらしい。

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 この本は以前図書館で借りて読んではいるのだけれども、今ではまるで記憶していない。いちおうピンチョンはぜ~んぶ読んだのだけれども、ちゃんとある程度内容を記憶してるのは『V.』と『重力の虹』ぐらいのものだ(あと、『競売ナンバー49』とかはまあ憶えてるが)。やはりいずれポチポチと、全部買って「蔵書」にしたいものだ。
 この『メイスン&ディクスン』は、アメリカでいちばん読まれているピンチョンの本だという。今の大統領のバイデン氏は実はピンチョンの愛読者だというから、もちろんこの『メイスン&ディクスン』も読まれていることだろう。

 今わたしはジョイスの短篇集『ダブリンの人々』を読んでいて、ついに今日はそのラストの「死者たち」に取り掛かった。「死者たち」はちょっと長いのだけれども、明日には読み終えたい。そしてそのあとはやはりジョイスの、先日買った『若い藝術家の肖像』を読む予定ではある。コレを4月中に読み終えるのはむずかしいかもしれないけれども、その次にはこの『メイスン&ディクスン』を読もうという計画ではある。

 などと思っていたら、ピンチョンの目下の最新作『ブリーディング・エッジ』の翻訳がようやっと完了し、この5月26日に国内で刊行されるということである。待ってました!
 つまり、『メイスン&ディクスン』のあとはその新作『ブリーディング・エッジ』を読んで、この「COVID-19禍」を乗り切ろうというプランが成立するのであった。まだまだ長生き出来そうだ。というか、長生きするのだ。