早朝、駅に近づくと東京の方の空に積雲が盛り上がっているのが見えた。「デジカメで写せるだろうか」と撮ってみると、自動露出になるので昼間のような明るさになってしまう。
じっさいにはあたりはほとんど真っ暗で、こんなに明るくはない。それでもこうやって撮影できるのは利点もあるかもしれない。それで「夜景モード」というのにして、だいたい同じ場所で撮影してみた。
ほんとうはここまでに「真夜中」という暗さではないのだけれども、この暗さで三脚なしにカメラ手持ちで手ぶれせずに撮影できる、ちゃんと「雲」も映っているというのはかなりの性能だと思う。ゆっくりと調整しながら撮影すれば、現実の明るさに近いものも撮影できるのだろう。
東京の方は見えていた雲から悪天候なのかと思っていたがそういうこともなく、雲はあるが陽も照っていた。勤務先の近くの芝生にはムクドリたちが一所懸命、食べ物をついばんでいた。
このくらいの数ならかわいげもあるのだけれども、これが何百もの数になると鳴き声もうるさくなるし、木の枝から落ちてくる「糞害」もたいへんである。
仕事が終わって、帰りに２つ手前の駅で途中下車し、駅前の１００円ショップでセロテープを買う。近所のスーパーではセロテープというとでっかい輪っかの束で５００円以上のしか売られていないし、コンビニでは高すぎるのでやはり１００円ショップだ。
その１００円ショップのそばで「古本市」が開かれていて、別にチェックしたわけではないけれども、ちらっと見た文庫コーナーに昔読んだハドソンの『はるかな国 とおい昔』を見つけ、また読んでみたくなって買ってしまった。自然への視線と博物学とが融合した書物で、わたしの自己形成の役に立った本ではなかったかと思っている。
帰宅してテレビをみていると、２時を過ぎたところで速報が入って、安倍首相が辞任するということだった。
‥‥そうか、やっとのことでこうなったか。わたし自身も「安倍辞めろ！」デモにも行ったりしたわけだし、心の中に巣食っていた「黒い闇」がついに、消えてくれたという感じだ。
これですべてが解決したわけではないし、特にマスメディアを覆い尽くした安倍の「負の遺産」をはたして今後、新しい総理を迎えて払拭できるのかとか、「総理大臣」の地位を利用して犯罪に手を染めていたこともまちがいない安倍晋三という男の、刑事責任を追えるのかということもある。トップに安倍晋三がいたのではとても解決もできない様子だったさまざまなこと、まずはCOVID-19対策のことなど、先に進めなければならないことが山積している。
とりあえずは、そのスタートを切ることができる機会が訪れたというところだろうか。
前から「安倍が辞めたらお祝いだな」とは思っていたのだが、この５ヶ月間いろいろな理由で自分でストップしていた「外飲・外食」を、この日はやることにした。
歩いて行ける駅のちょっと向こう側に評判のいい「手打ち蕎麦」の店があって、機会があったら行ってみたいとは思っていたのだけれども、今日がまさにその機会。夕方から行ってみた。
意外と店内はそれなりに客が多く、思いがけずも「座敷席」を独り占めすることになった。何にしようか考えて、そば焼酎のロックに、海鮮ちらし丼ということにした。
当たり前だが、ウチで食べる「ざるそば」とはまるで味が違う。海鮮ちらしも美味だったが、なんといっても「そば焼酎」が旨かった。外で飲む酒はなんでこんなにおいしいんだろう。
とにかくはこの日は、７年８ヶ月続いたという「安倍内閣」の終わりが知らされた日だった。世の中は、そしてわたしはこれからどうなっていくのだろう。
