ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-03-13(Wed)

 今日は仕事の帰りに日比谷に出て、クリント・イーストウッドの新作『運び屋』を観た。帰宅時間がいつもより遅くなったのでニェネントが腹空かせてるだろうと思って家のドアを開けると、案の定ドア口でニェネントが「お出迎え」してくれた。「やあ、遅くなってゴメンゴメン」とリヴィングに入ると、なんと!机の上で開きっぱなしにしていたノートパソコンのキーボードの上に、ニェネントの吐いたゲロがてんこ盛りになっていた!

 ニェネントくんがゲロを吐くのはまあ年中行事というか、「吐く」というよりも自分の意志での「吐き戻し」のようなところがあり、体調不良の兆候もなくこうやって9年近くも(多分)健康に生活している風なので、わたしとしては「あらら、また吐きましたね~」ぐらいのもんで、わたしの目の前で吐く兆候をみせれば口の下にティッシュとかを素早く拡げてやって、「床とか周りを汚さないでね」ぐらいのケアなのだけれども、わたしが不在のときの「ゲロ」はどうしようもないっす。
 ニェネントくんのゲロには2種類あって、ひとつはさっき食べたものを盛大に吐き戻すゲロと、それと黄色っぽい胃液だけを吐いてしまうのと。今回のキーボードの上のゲロは未消化の食べ物のかたまりで、いやもしも「胃液」の方だったらパソコンはきっと「アウト」だったろうなと思い、まだ固形でよかったよとティッシュで包んで捨て、キーボードを湿らせたティッシュで拭き取ってやり、それで電源を入れたら普通に使えたので、とにかくはホッとした。

 しかしところが、しばらくパソコンを使っているうちに画面が一瞬にして全面真っ赤になり、それが次には緑色、そして青色と、クルクルと変わっていくのだった。
 「これはヤバい」といちど電源を切り、再度立ち上げてみたけれども状態は変わらず、まったく使えなくなってしまった。‥‥これはニェネントのゲロが時間を経てキーボードに浸み込んでしまったせいか、それとも、わたしの後処理の「拭き取り」で水分が多すぎたのか、もう今ではわからないが、とにかくは電源を切ってしばらく放置して、それで復帰するかどうか見るしかないと思った。
 夜中になっていちど電源スイッチを押してみたが、もうこの時には電源すら入らなくなってしまっていた。どうやら、お亡くなりになられてしまったのではないかと思う。ショックである。
 「ニェネントくん、やってくれましたね!」とは思うけれども、(当たり前だけれども)ニェネントのことを恨んだり、怒ったりするつもりはない。
 考えてみればニェネントはずっと、今の今まで8年と9ケ月、病気もケガもせずにスクスクと育ってくれたわけで、ニェネントくんの「養育費」なんて、本当にタカが知れた額でしかない。今までニェネントくんが元気でいてくれたことを考えれば、こうやってパソコン一台壊されたことなんか、「ニェネントくん成長のための<必要経費>」みたいなものとあきらめなくっちゃいけないし、だいたい、ノートパソコンを開きっぱなしでいたわたしが悪いのだ。ニェネントは今日は、「わたしの食事係のあいつはなかなか帰ってこないな! この頃はずっと、机の上の変な板に向かいっぱなしでわたしのこと忘れてるし、エイ! 今日はあいつが夢中になってる<板>の上にゲロ吐いてやろうぜ!」みたいな気もちだったのかもしれない。わたしの方こそ、ニェネントくんに謝らなくてはいけないぐらいのものだろう。

 ‥‥しかし、ガックリだ。明日の朝に電源を入れてみたら「おお! 動いたぜ!」みたいなことにならないだろうか?