ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2024-01-02(Tue)

 昨日の元日は、能登地震の報道に接するまでは「Amazon Prime Video」で、お正月らしく『初春狸御殿』という古い映画を観ていたのだけれども、地震でそういう映画を観る気分も吹っ飛び、ずっとそんな能登地震の報道を見ていた。
 昨日の報道ではまだまだ被害の全貌をつかむことも出来はしないと思っていたのだけれども、それでも崩壊した家屋の惨状、輪島の商店街の大火の様子などを見て「大災害」だという認識が強くなった。

 一夜明けてこの日もテレビは能登の現状を伝える報道が多いし、逆にそれ以外の「お正月らしい」バラエティ番組は見る気もしない。
 この日はテレビ報道も被害に遭った地域にカメラが下りて行ってのライヴ中継もあり、被害地のヘリコプターからの映像もあり、まさに「惨状」が可視化されるようになった。
 昨日の大火は火もおさまっていたが、「これは空爆を受けたガザ地区とかウクライナとかの映像か?」と見まがうような光景で、逆に「そうか、ガザ地区ウクライナではこれが日常になっているのではないか」と、世界の現状へと眼を開かせられるような思いもした。
 海岸の集落からの航空映像でははっきりと「津波」の通過したあとが確認でき、家がそっくり海岸まで運ばれてしまっているような姿もみられた。
 今のところ「津波」での被害者の報はないけれども、昨日の報道での「この報道を見ていたら、見なくていいので逃げて下さい!今すぐ逃げること!!」という「呼びかけ」が効果的だったように思える。じっさい、あの「呼びかけ」は人を救ったのではないかと思う。

 午後からはわたしも「もう気分を切り替えよう」と、昨日見かけていた『初春狸御殿』を観るのだった。
 映画が終わってテレビに切り替え、現地からの報道などを見るでもなく見ないでもなくチャンネルを合わせっぱなしにしていたのだけれども、それが6時ごろになってテレビの画面に大きな炎が映し出されていた。「また能登の方で新しい火災が発生したのか」と思ったらそうではなく、なんと羽田空港の滑走路で旅客機が炎上しているのだという。
 どうやらその旅客機が着陸するときに、滑走路上にあった別の飛行機(海上保安庁の機だとすぐにわかったが)に接触して発火、そのまま着陸したようだ。「何これ、またまた大惨事!」という感じ。海上保安庁の飛行機はその場で大爆発炎上してたようだったし、ライヴ中継されている旅客機の方もまずは翼から火を噴いていたのが、それが機内へと燃え移ったようだった。
 テロップで「旅客機の乗客乗員400人近くは全員旅客機から避難して無事」と知らされ、ホッとしたのだが、その旅客機はあっという間に炎に包まれてしまい、炎の中に骨組みだけの無残な姿が確認されるのだった。
 しかしすごいよね。旅客機が炎と共に着陸して、機内に火が回るまでにそ~んなに時間はなかったはず。そんな短時間に、前部車輪が折れたままイリーガルに着陸した機体から、400人近い人が無事に脱出したなんて、「奇跡」なんじゃないの? しばらくして、旅客機から下ろされたスロープから滑り降りる人たちのヴィデオ映像も流されていたけれども、見た限りでは何の混乱もなく「避難演習」のように皆さん降りられていたように見えた。乗員の指示も的確だったことだろうし、乗客の方々も落ち着いて行動されていたみたいだった。どちらの方々も「賞賛」に値するだろう。
 悲しいことに、海上保安庁の飛行機の乗組員のうち5名はお亡くなりになられたようだ。それに、その海上保安庁の飛行機は、能登地震で支援物資を運ぶために出動されていたのだという。そこに、「いつものことでない」惨事下での物資輸送というイリーガルなことが加わったゆえの「事故」だったのだろう。

 テレビを見ていても「今のところは旅客機の乗客も無事だったことだし、この日はこれ以上の情報は得られないだろう」と思い、観ようと思っていた「歌舞伎」の生中継を観ることにした。
 ちょうど昼に『初春狸御殿』を観ていて、「これって『歌舞伎舞踊』だよね~」とも思っていたわけで、タイムリーだった。ちょうど番組は観たかった『京鹿子娘道成寺』の始まるところだった。
 う~ん、50分間たっぷりと、あでやかな「歌舞伎舞踊」を堪能し、「能登地震」と「羽田の事故」とですっかりダウナーな気分になっていたわたしも「そうだ、今は正月なんだよ!」と、気分を入れ替えることが出来た気がする。この『京鹿子娘道成寺』の感想も、書きたい気がするけれども‥‥。

 それでも、とても「Happy New Year」とまでは言う気分ではないが、ニェネントくんからの「2024年」のグリーティングは載せておきます。

     

 明日はもうひとつ「気分入れ替え」で、近くの映画館へヴィム・ヴェンダースの『PERFECT DAYS』を観に行こうと思っている。せめて「音楽の力」で、わたしを元気にしていただきたい。