ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『インターステラー』(2014) クリストファー・ノーラン:監督

 『メイスン&ディクスン』を読んでいる途中、そして『2001年宇宙の旅』を観たあとでこの『インターステラー』を観たが、『メイスン&ディクスン』のように語り口の魅力でこちらを圧倒するようなものでもなく、『2001年宇宙の旅』のようにこちらの世界観(宇宙観)をゆさぶるようなものでもなかった。超々々々、がっかりであった。

 いちおう、わたしにはわからないが、多くの科学者がこの映画での「一般相対性理論」や「重力理論」についてその正確さを称賛したと言い、ワームホールブラックホールの視覚的特性についても正しいのではないかと言われているらしい。
 しかしそういうことが正しいからといって、映画として優れているということにはならない。特にわたしには、そのSF的ストーリー展開において「それはないだろう」と思えるところが頻出。
 その「おかしいところ」のひとつひとつをここで書いていこうかとも思ったけれども、そういうことはわたしにとってまったく生産的行為ではない。アホらしいのでそういうことはやらない。

 別のことを書けば、やはりこの映画の中に『2001年宇宙の旅』の影響は色濃く感じられる。そもそものストーリー全体も「姿をあらわさないなにがしかの存在」が人類の運命を左右するというところで、『2001年』だってそういう映画だろうと言うことはできるだろう。『2001年』のコンピュータ「ハル」の代わりに、モノリスみたいな方形をしたコンピュータを登場させるわけだし、この映画でワームホールへ突入するところは『2001年』で木星圏内へ突入するのと同様の意味だし、映像も『2001年』の「スターゲイト」に酷似している(かなり安っぽいが)。

 そういうことでいえば、この映画の美的な撮影技術は平均点以下といってもよく、映像としての魅力は(CG以外では)皆無であった。

 しかしながら出演した俳優陣は豪華で、主演の役者以外わたしの好きな俳優がずらり出演していたことはうれしかった。ケイシー・アフレックも出演していたことがいちばんうれしかったかな。

 というわけで、「ケイシー・アフレックがちょこっと出ていたな」ということだけ記憶にとどめて、その他のことはぜ~んぶ忘れてしまおう(「忘却」は、わたしの得意技なのだ)。やはりわたしは、クリストファー・ノーランとはまったくソリが合わない。